久々に「本誌連載の続きが待ちきれない…！」というワクワクを噛み締めております、『アシガール』。
まさに今日、2018年のクリスマスイブになんと、NHKドラマのスペシャル版も放映されるという、『アシガール』。
最初、タイトルを聞いたときには「なんか…地味そう…」と思ってごめんなさい、『アシガール』。

ズバリ『アシガール＝女子高生がタイムスリップして足軽になっちゃう』の意味。
「少女漫画なのに…お姫様じゃなくて、足軽かよ！」というツッコミ待ちなタイトルですが、これがもう見事に、足軽からお姫様を目指して（？）フルスピードで戦国の世を駆け上がっていく主人公・唯の成長が、コメディテンポで描かれていて、楽しい！読み心地、爽快！です。

向こう見ずで色気ゼロで、むしろ男前な主人公の恋のお相手は、超絶美形でかっこよくて頭脳明晰なお殿様、忠清様。
唯はタイムスリップ先でこの若君と出会い、その後の歴史を知り、「自分が若君の命を守って一緒に生きる！」と決めます。

そうなんです、恋の相手は、450年前にすでに亡くなっている、歴史上の人物。
そして、唯でなくても「この貴重な絶滅危惧種イケメンは、歴史を曲げてでもなんとかして守らなければ…！」と思わせる、若君の美しさと儚さとかわいげ…！！

満開の桜はいつか散ると知っているからこそ美しい…そんな日本人の心を解する少女漫画読みであれば、全員が若君を大好きになってしまうことうけあいです！！（興奮）

その若君を守るために奔走する唯も、男性に選ばれて守られるお姫様とは真逆。
自分からお殿様を見初めて、彼を救うために足軽になり、戦火の中でも肥溜めでも（！）、持ち前の脚力で猪突猛進、飛び込んでいきます。
まっすぐで迷いがなくて、かわいくてキラキラしていて、まぶしいっ！

二人を見守る唯の家族も、忠清の家族や、羽木家の重臣たちも、それぞれ一筋縄ではいかない、濃いキャラ揃い！で、クスっと笑えて、でもあとからじわじわと感動がやってくる、そんなエピソード満載！

特に現代の唯の家族は、タイムマシンを開発しちゃう天才の弟・尊くんはじめ、両親も、出番こそ少ないものの、唯の個性と心意気を尊重して、励ましたり、ときには叱咤したり……。ああ、一般常識からはぶっ飛んでるけど、いい家族だなぁ、この親にしてこの子ありだなぁ…とほれぼれします（このあたり、『ごくせん』でたくさんの生徒を描かれてきた森本先生の真骨頂ですね！）

ネタばれできないのですが…ストーリーが進むにつれ、「あの唯之助（足軽のときは、名前も男！）がここまで成長して…（ウルッ）」と涙せずにいられません！

もう戦国でも現代でもどこでもいい！二人で幸せに生きてほしい！！
戦国ものとタイムトラベルものと、そしてコメディ多めのラブ。一石二鳥、いや三鳥以上な、現在進行形の名作です！

まずはここで一話、そしてアプリMeeで続きを、さらに最新話は連載中の「ココハナ」にて、ぜひぜひお楽しみくださいね！