LEEのインテリア取材の中でも、毎回大好評な北欧現地ルポ。この度、LEE11月号別冊付録で登場です!
今回訪ねたのは、日本から北欧へと住まいを移し、日本と北欧、両方のインテリアや暮らし方を知っている方々の家。
大ボリュームの68ページから、今日のLEEコーナーでもピックアップしてお届けしていきます。
「カウニステ」共同代表 原田浩行さん
やわらかなカラーで身近なモチーフを描くテキスタイルブランド「カウニステ」。
在住歴12年の浩行さんは、「カウニステ」の海外業務を担当し、東京と行き来する生活を送っています。愛犬のチュパッカは10歳。
お二人の住まいは、意外にもモノトーンがベースです。そこにクッションやブランケットで色を足すと、ピンクやミントグリーンなど、単体だと少しかわいいかな?と思う色も、ちょうどいい温度感に。
リビングの窓とソファ、チェストとアートは、中心ラインを合わせて配置すると落ち着いた印象に。
アルテックのヴィンテージ家具と、デンマークのブランド「グビ」のランプ。黒でまとめたダイニングにテキスタイルと花で少しだけ甘さを足して。色使いで印象がやわらぐのが新鮮です。
アラビアのヴィンテージ皿と日本の浅皿の組み合わせ。
「北欧の器はシンプルなフォルムのものが多いので、箸置きや木のお椀など、手仕事を感じられる日本のものがいいアクセントに」
日本のすり鉢と、フィンランド作家の道具入れ。表情が近いのがユニークです。
ごちゃつきがちなキッチンも、白を基調にブルー、ブラウンと、色数を絞ってすっきりと。カウニステのトレーのやわらかなカラーがさし色になっています。
旅行者として初めてへルシンキを訪れ、青く広がる空や海、自然との近さが気に入り、そのまま定住することになったという浩行さん。色を足すときは自然や季節をヒントにしているそう。
「夏は気分が高揚する明るい色を、冬は素朴な色で心を落ち着けて。以前暮らしていたサンフランシスコのように四季の変化がほぼない土地もあるので、それを楽しめるのは北欧と日本に共通する特権だと思います。季節によってクッションカバーひとつ替えるだけでも住空間が変わりますよ」
大きな窓から光が入るベッドルームは白とグレーをベースに、大胆なパンジー柄の「Orvokki」や蝶を描いた「Perhonen」のクッションで色をプラス。少しくすんだ色合いがグレーになじみます。
植物は空気の清浄効果のあるエコプラント。この部屋は換気口がないからと、ミッラさんが選びました。テラコッタでそろえた鉢が優しい印象です。
ベッドわきのヴィンテージキャビネットの上には、やわらかな彩色のアートを、大小アシンメトリーに飾って動きのある雰囲気に。植物の鉢はキャビネットに合う深い色と、重みのある質感で統一しています。
クローゼットは圧迫感のない低めのサイズ。背の順に並んだヴィンテージのガラスや中国で買った古い器は淡い色でそろえています。ヒョウのブランケットもカウニステのアイテムで、日本人アーティスト、ミロコマチコさんのデザインです。
物を選ぶポイントは環境に配慮がある素材、時代を経ても変わらない価値があること。
「ネットショップよりもフリーマーケットやアンティークショップでの直感を大切にしています。ダイニングテーブルはヴィンテージを買って、自分たちでペイントしました。DIYを楽しむようになったのもフィンランドに来て変わったことですね」
日本からいつもおみやげに買って帰るのが、ミッラさんも好きな梅酒。室内では日本と同じように靴を脱いで過ごします。
Photograph/Chikako Harada Coordination/Masako Nakamura Original Composition&Text/Taeko Ishii Masami Fukuyama
※詳しくは2018年10/7発売LEE11月号別冊付録をご覧下さい。
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