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使ってよかった子育てグッズ

授乳だけじゃない!多目的に使えるパパ考案のおしゃれケープ

  • 上紙夏花

2016.11.04

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突然ですが、みなさん、授乳ケープって心から気に入ったものを選んでいますか?授乳期なんてほんとうに期間が短いので、「今だけ」と自分の好みに合わなくても「とりあえず」と無難なデザインのものを選ぶことが多い気がします。私の場合は長男のときに授乳ケープをあまり活用しなかったので、買ってもすぐ使わなくなるし……と、おくるみの端っこ同士を結んで、ケープ代わりにしてしのいでいました。でもやっぱりあったほうが便利だよなと思っていたところ、いいものに出合えました!デザインもシンプルで授乳が終わっても活用できるという、素敵な授乳ケープをご紹介します!

 

パパデザイナーが作った、ベーシックなデザインで多機能なオーガニックケープ

 

とてもシンプルなデザインながらも、スタイリッシュでLEE読者のファッションにもマッチしそうですよね。3年以上、農薬や化学肥料を使わない畑で栽培された綿を使ったオーガニックコットンを使っていて、染色は『ソメヤスズキ』という岡山県西粟倉村に工房をかまえるご夫婦が、草木を原料とする天然染料で1点1点手作業で染めているそうです。

 

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ON THE GO Organic Cape 母子を包む布(レッド・ダークグレー・イエロー)¥19,440(税込) サイズは約160cm x 約70cmと大判。オーガニックコットンを100%使用。

 

紐を結んでおいてザックリかぶるだけなので、授乳のときも手早く準備ができます。この大判サイズが中が広くてベビーにも心地いいみたいです。肌触りもよくて、洗ってもすぐに乾くし、生地は適度な厚さがあるので、公園など屋外でも中が透けることはありません。

 

『母子を包む布』という名のとおり、授乳以外でも、いろんなシーンで活用できます。抱っこ紐の上からかぶって風よけ、日よけにも使えて、そのほか、おくるみ、お昼寝シーツ、おむつ替えのシートとして、そしてママのエプロンとしても使えて便利。

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私はもう次男の授乳は終わってしまいましたが、まだまだ活用しています!保育園に行く自転車でこども椅子の上からかけて風よけにしたり、お昼寝で包んだり下に敷いたり。外出時のごはんのときは私のエプロンとしてつけておけば、こどもの食べこぼしで洋服を汚すことがないので、重宝しています。いかにもエプロンという感じがしないのもうれしいです。授乳ケープと考えるとなかなかのいいお値段ですが、これだけ活用できるからお値打ち。ベーシックなデザインで上質な生地だからこそ、長く愛用したくなります。

 

さて、このケープ、実はパパ目線で作られたものなのです。せっせと授乳しているママの横で、授乳に参加できないパパが考えていたこととはどんなことなのでしょうか?作り手である建築デザイナー鷲尾淳さんとプロダクトデザイナーの石橋 鉄志さんにお話を伺ってきました。

ジャンルの違うデザイナーふたりが共通の疑問を抱えていたベビーグッズ

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「家族みんなでお出かけしよう!」をコンセプトにお出かけしたくなるベビーグッズを発信する、ON THE GOを作ったのは、建築デザイナーの鷲尾淳さんとプロダクトデザイナーの石橋鉄志さんのおふたり。なぜ授乳ケープを作るに至ったのでしょうか?

 

上紙「おふたりともデザイナーといってもジャンルが違いますが、そんなおふたりがなぜベビーグッズを?」

 

鷲尾「もともと昨年まで西麻布の事務所を共通の友人を介して5人のクリエイターでシェアしていました。石橋さんとはその時からの付き合いです。わたしは建築設計が専門ですが、仕事はクライアントから依頼を受ける形なので「待ち」のクリエイターです。一方、プロダクトデザインの石橋さんは自ら企画・製造・販売に係る「攻め」のクリエイターなんですよね」

 

上紙「なるほど。デザインとひと口にいってもずいぶん違いますね」

 

鷲尾「子供が生まれて、自分が納得出来るコンセプトやデザインを持ったベビーグッズがほとんど見つからなかったので、それを作り出したいという気持ちがすぐに生まれました。しかし、子育てと仕事の両立があまりにも忙しく、実際にベビーグッズのデザインを始めることができませんでした。それからしばらくして、プロダクトデザイナーの石橋さんにお子さんが生まれたので、きっと自分と同じ気持ちをベビーグッズに持っているだろうと思い、声をかけたんです」

 

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石橋「特に困ったのが授乳ケープだったんですよね。子供に向けたものなのか、色や柄が派手すぎてママのファッションに合わなくて、授乳していることが目立ってしまうようなものが多いと感じて」

 

上紙「わ!そんなこと考えたことなかったです。確かに派手なケープだと、わざわざ授乳中であることをアピールするようなものですもんね」

 

鷲尾「そうですよね。授乳している本人よりも客観的に見ているパパのほうがこういうこと思っているんじゃないかな?」

子供がいるからといって、自分の服の趣味まで変えなくて済むように

石橋「授乳は子供が生まれてすぐに始めるママとのコミュニケーションです。もちろん赤ちゃんにとっては生きるための食事でもあるわけですよね。でも、パパは授乳もできないので、ママと赤ちゃんのような関係性は残念ながらなくて、授乳にも手を出すことができません。そこでせめて、ママと赤ちゃんが、たとえ外出中であっても快適に授乳できるよう手助けするんだという気持ちで、『母子を包む布』を考案しました。だから、パパの気持ちはケープとなって、授乳に参加しているんです!」

 

上紙「パパの気持ちで包んでもらっていると思うと、授乳タイムがもっと幸せな気持ちになります。オーガニックコットンが肌あたりよくてベビーも気持ちいいでしょうね」

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石橋「ママとベビーに上質なものを届けたいと作りました。そもそもベビーグッズというと、どうせ一時期使うだけのものなので安価で良いとか、ママが洗濯しやすいような素材であるとか、だれかが子供が好きに違いないときめたデザインやキャラクターものなどがほとんどです。黒い服が好きな女性がママになった瞬間に、身に付けるものの選択肢が減って突然、花柄のママ・バッグを持っていたりしますよね。子供を持つことは夫婦にとって大きなイベントではあるけれども、止むを得ず自分の服の趣味まで変えてしまうのはおかしいと考えたのです」

 

上紙「確かに。ママになったからといって好きなファッションを諦めるのは嫌です」

 

鷲尾「主張しすぎない、色も形も作る過程もベーシックなものがベビーグッズにもあっていいはず。そういうデザイン理念があるケープは周りの人にとっても、授乳を特別なものに感じさせず、母子も安心して外でも授乳できるようにさせてくれると思います。そんな母子と穏やかな人々の関係を社会の中に築く力がデザインにはあると信じています。それはプロダクトデザインにかぎらず、衣食住すべてのクリエイトにかかわる姿勢なので、そんな思いに共感してくれる方に使っていただきたいです」

 

上紙「ジャンルの違うデザイナーのおふたりが作られた意味がとてもよくわかりました。「ON THE GO」としての今後の目標を教えてください」

 

石橋「名前の通りですが、ママと赤ちゃんの気軽な「お出かけ」に一役かえる商品を作り続けたいと考えています。ベビーカーで電車に乗ることや公共の場所での泣き声、オムツ替えの場所などが気になり、楽しいはずの「お出かけ」が負担になっているお母さんは多いはずです。そんな問題を少しづつではなく、どんどん解決したいと思います。外出用のスナック(おししくて安心安全なもの)など食品にも興味があり、ただいま研究中です!」

 

上紙「楽しみです!お出かけが楽しくなるグッズを待ってます。鷲尾さん、石橋さん、今日はありがとうございました」

 

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ON THE GO公式サイト→http://on-the-go.jp/

 

 

 

 

 

 

上紙夏花 Natsuka Uegami

ライター/ビューティープランナー

1977年、大阪府生まれ。吉本新喜劇の女優を経て、ライターに。現在は化粧品の商品開発やPRを手掛けるほか、ベビーマッサージ講師としても活動している。夫・息子9歳、3歳

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