(※施設内の写真撮影について、大変快く許可を頂いております。ありがとうございます…!)
Soba flowers are in full bloom!!
先週のこと
蕎麦(そば)の花が見頃に!
先週のこと。東京都町田市にある、町田市ふるさと農具館や七国山ファーマーズセンターの近くにある蕎麦(そば)の花畑がちょうど見頃を迎える頃でした。この日は月に1度、ふるさと農具館にて菜種油搾りの実演が見られる貴重な日。菜種油搾りを目当てに訪れた訳ですが、そんな日に満開の蕎麦の花畑も同時に見ることができたのは僥倖でした。
この蕎麦の花畑は、訪れる人々に農のある景観を楽しんでもらおうと、地元農家の方々で構成される「七国山ふれあいの里組合」が栽培しているものだそうです。花の時期を終えて蕎麦の実をつけた後は収穫し、蕎麦や蕎麦粉として毎年4月頃よりふるさと農具館で販売されるのだとか。(次回は来年の4月販売ということになりますね)そして実を収穫した後は、菜の花の種が植えられ、ここは春には一面菜の花畑になるそうですよ…!!これだけの広さ、一面黄色の菜の花畑もぜひ見てみたいものです…!!
開花状況は町田市ふるさと農具館で問い合わせできるようです!
次に、今回の訪問のメイン目的、ふるさと農具館での菜種油搾り見学について紹介したいと思います。その前にまず、「町田市ふるさと農具館」とは。町田の農業を後世に継承するため、また多くの市民に農業への理解を深めてもらうことを目的に設置された公営施設です。ふるさと農具館は敷地内にある、パネル館/ふれあい館/体験実習館…の3つの建物で構成されています。
まずは、菜種油搾りの実演が行われているという「体験実習館」へ。
【Part.1】
体験実習館
菜種油搾りを見学!
今回の訪問の主たる目的、菜種油搾りの実演見学。3つある建物のうち、体験十週間にて行われます。なんせ、実演見学できるのが月に1度!(公式HPにて実演見学可能日が公開されています)時間は10:00~14:00とHPでは案内されていたのですが、13:20頃のんびり訪れたところ…、午前中で作業はほぼ終了してしまったようで、後片付けをされている最中でした…(°°;) スタッフさん曰く、全工程をきっちり作業まで見学したい方には午前中の訪問がオススメ、とのことです。
しかし、スタッフさんが「せっかく来られたのだから…」ということで、工程順に道具の使い方・昔ながらの「玉締め搾り」という方法での一連の作り方について一つひとつ丁寧に教えてくださいました。
まずは焙烙(ほうろく)釜で菜種を炒ります(焙煎)。
次に、炒った菜種をローラーで潰します。潰した後は、蒸し器で蒸します。
昔ながらの玉締め製法で圧搾します。搾りかすはハンマーで叩いて割って牧場や畑の肥料に使われるそうです。
瓶詰めされた後は1ヵ月寝かせます。寝かせることで濁りが下に溜まり、濾過して透き通った油だけが別の容器に移し替えられ、充填して完成です!!燃やしても煤が出ない油なのだそうです!!食品添加物を一切使わない、純度100%の菜種油です。
後述しますが菜種油の販売は、別の建物「パネル館」にて。次段では、「町田市ふるさと農具館」の名の通り、一昔前に実際に使われていた農具が展示されている「ふれあい館」について紹介させてください。
【Part.2】
ふれあい館
稲作・麦作・養蚕etc.に使われた昔の農具を見学
夏休みにも郷土資料館や博物館に足を運ぶ機会が多くあったのですが、こちらは稲作・麦作・養蚕などに関する農具が一堂に会す施設です。
中に入ってみると広々。全部で7つのコーナーに分けられて展示されています!!
①運搬具と大具道具コーナー。牛車や天秤棒、クサリカゴ、野菜かご、集乳缶、エサ切り、背あてなど。町田では背負子(しょいこ)のことを背負梯子(せおいばしご)と呼んでいたようです。
↓こちらは大正~昭和20年頃(1912~1945)まで使われていた道具。大鋸(おおが)や楔(くさび)、曲尺(かねじゃく)、線引(せんひき)、墨入れ(墨つぼ)、屋根鋏(ばさみ)、金槌(かなづち)、茅(かや)、鑿(のみ)、屋根葺き用鋏(はさみ)、屋根葺き用鎌、茅葺き屋根の写真など。
②麦作・畑作と農具コーナー。
町田の麦作は、稲作と同じぐらい盛んに行われていたそうです。1枚の田んぼで夏には稲、冬には麦を作る麦田と呼ぶ方法も取られていたのだとか。米が税として納められたのに対し、麦は多くが自家消費され、主食にする大麦、うどんや饅頭などにする小麦が多く作られることに。麦を挽く唐臼や籾摺り機など。
③稲作と農具コーナー。町田の稲作の特長は、田植えをせずに直播きのまま収穫までする稲作・「ツミ田」と、泥濘んだ水田・「ドブッ田」が挙げられます。稲刈りには鋸鎌が使われ、刈り上げた稲は「牛」と呼ぶ竹組みの台に架けて干されていたとのこと。
乾燥した稲を家に運んだ後、千歯扱(せんばこ)きや、足踏み脱穀機を使って稲から実を外し、籾は唐箕(とうみ)や万石(まんごく)などの選別機で良い実と悪い実に振り分けていたようです。さらに唐臼(からうす)を使って籾殻を取って、食べる時に精米していたのだとか。
唐箕が手前と奥に2台も!唐箕の奥には蓑(当時のレインコート)と、かます、米麦貯蔵器、石臼が。
④家と暮らしコーナー。今は茅葺き屋根の農家はほとんど見られませんが、農家は山腹の陽当たりの良い乾燥した場所に多く建てられていたようです。木鉢、蒸籠、のし棒、ならし棒、のし板、七輪、釜、お櫃(ひつ)、一升徳利、角樽、目籠、焼酎瓶や杵(きね)・臼(うす)など。大正~昭和20(1912~1945)年頃に使われていたものとのこと。
⑤衣と暮らしコーナー。火熨斗(ひのし)、洗濯板、洗濯盥(たらい)、炭火アイロン、湯たんぽ、こたつ、鉄瓶。
⑥食と暮らしコーナー。囲炉裏が再現されたお座敷!自在鉤(かぎ)、蝋燭立て、鍋、火消し壺、火鉢、高御膳など。ラジオや足踏みミシン、ポータブル蓄音機も。
水瓶と柄杓(ひしゃく)、醤油桶も!
⑦最後に養蚕コーナー。横浜のシルク博物館や相模原市立博物館で見たものと同じ道具もたくさんありました。町田の養蚕は、春蚕(はるご)と秋蚕(あきご)の年2回飼うのが一般的だったようで、孵化させることをハキタテと呼び、それから3回の眠りを経て約35日ほどで繭に。蚕を飼うための台をエビラと呼ぶそうです。春蚕が繭を作りかける頃は麦刈りや田植えの時期と重なり、眠る間もないほど忙しかったことが推察されます。
回転蔟(まぶし)や桑切り鎌、種紙、木鉢や桑ふるい、糸網、櫛型、繭の毛羽取り機、蔟織り機、たて蔟など。
昔の農具は、作りがシンプルなだけにものすごく丈夫で壊れにくく、今でも普通に使えるものばかりなのだそうです…!!
次は、菜種油の販売やVTR映像で農具館について学習できる「パネル館」へ。
【Part.3】
パネル館
菜の花栽培と菜種収穫について学習・VTR視聴
パネル館では、その名の通りたくさんのパネルが展示してあります。その中の一つが、「菜の花の栽培と菜種の収穫」。体験館では菜種油のできるまでを学習しましたが、このパネル館ではそれより前の段階、菜の花の種まきから収穫までを学びます。パネル館のスタッフさんが、ふるさと農具館について紹介するVTR映像も流してくださいました。(VTR映像は掲載不可です)ふるさと農具館の「ふれあい館」内に展示してある昔の農具を使っての脱穀や精米の実演映像も視聴することができました。
稲藁を使った昔ながらのクラフトアートも展示されていました。
rapeseed oil!!
町田市ふるさと農具館パネル館にて
購入したのは
さて。ここまで来て、スルーはできません!!七国山の、純度100%のなたね油を購入しました。
町田市ふるさと農具館には専用駐車場がありません。私達は、徒歩20分ほどの距離にあるコインパーキングにとめました。勾配が急な場所もありますが、のどかな田園風景が広がり、お散歩コースとしても気持ちが良い場所です。町田市ふるさと農具館は公式HPにて春の菜の花畑・秋の蕎麦の花畑の開花状況や菜種油搾りの実演実施日、蕎麦の実や菜種油の販売日などを発信されていますので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね◎
あわせて読みたい
TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。