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亀甲萬本店 御用醤油醸造所(御用蔵)を見学!/千葉

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2024.09.10

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Kikkoman Honten Goyougura

昔ながらの製法で、今現在も宮内庁に納められるしょうゆを製造する醸造所

亀甲萬本店 御用醤油醸造所(通称・御用蔵)を見学しました!

キッコーマンもの知りしょうゆ館での見学ツアーに参加した後は、同じ工場敷地内にある、「亀甲萬本店 御用醤油醸造所(通称・御用蔵)」にも足を伸ばしました。キッコーマンもの知りしょうゆ館での見学ツアーについて書いた過去記事は以下の通りです↓

何と言ってもこの立派な朱塗りの橋+城郭様式の醸造蔵の外観に見学意欲を掻き立てられます…。公式HPによると、キッコーマンもの知りしょうゆ館の見学予約者のみ見学できるシステムのようです。

御用醤油醸造所は、1939年(昭和14)年に宮内省(当時)に納められるしょうゆを醸造するための専用醸造所として江戸川沿いの敷地に建設され、70年に渡りしょうゆの醸造が行われて来たそうです。建物の老朽化に伴い大規模な補修工事が必要となり、2011(平成23)年に野田工場敷地内に移築されたとのこと。移築に際し、しょうゆを仕込む木桶・屋根の小屋組みと屋根瓦・石垣・門などは移築前のものを使用、なるべく原形に忠実に再現されたのだとか。ただの見学施設かと思いきや、今現在も宮内庁へ納められるしょうゆは、この御用蔵で作られているそうです!

【Part.1】

1F

御用醤油の歴史を学ぶ/原料処理~粉合わせまで

御用醤油は江戸時代に遡ります。1838(天保9)年、亀甲萬は江戸城本丸、西の丸への納入を許される「幕府御両丸御用」の下命を受けて、1908(明治41)年に「宮内省(当時)御用達」となったようです。

↓昔ながらの原料処理の道具。麦を連続的に炒ることが出来る麦炒機(ばくせんき)、大豆に水分を吸わせた後に加圧蒸気で蒸す蒸煮缶(じょうしゃかん)。

右手にあるのは撰分機(小麦を入れ、藁などの不純物を選り分ける装置)と動力モーター(装置を動かすための動力源)です。

蒸した大豆と炒って細かく砕いた小麦が冷め切らないうちに、「種麹」と呼ばれる麹菌を振りかけ、専用の道具(シャベルのような混ぜ具)で大豆・小麦・種麹をよく混ぜ合わせ、種麹をまんべんなく行き渡らせる「粉合わせ」の工程があります。

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↓江戸時代に使われていた、現存する献上用の箱。

渡辺阿以湖画伯による模写「野田醤油醸造之圖(のだしょうゆじょうぞうのず)」。模写の元になった押絵扁額は、野田市郷土博物館の常設展示にあるそうです。

【Part.2】

2F

麹室(こうじむろ)

「御用蔵の歴史」展示パネルを抜けて、2階へ。粉合わせの後は、しょうゆ麹を作る工程です。昔ながらの麹室。粉合わせをした原料を平らに盛り込んだ麹蓋を積み、窓の開け閉めや火鉢で温度と湿度の調整をしながら、3日かけてしょうゆ麹が作られます。麹蓋の積み方はさまざまで、麹蓋の重なりにより空気の入り方を調整する工夫がされています。第3日目には麹菌の発育が最も盛んになり白色の菌糸は胞子をつけ黄色に変化し、麹臭を放つようになるのだとか。

天井は換気のための開閉が可能な造りで、上は天守閣になっているそうです…!天守閣は旧・御用蔵のままの姿で移設されているとのこと。

【Part.3】

2F

もろみを仕込む、仕込室

しょうゆ麹に食塩水を混ぜた「もろみ」を杉の桶に入れて、自然のままに1年かけて発酵・熟成させる仕込室がこちら。酸素の供給と、桶の上下でもろみが均等になるように「櫂入れ」という撹拌作業を月に1度程度行い、熟成したもろみを汲み出しているそうです。仕込室の右側には長い櫂棒(かいぼう)と篦(へら)が。

仕込室の傍から1階が見渡せます!

そして、そのまま階段を下ると、2階の「仕込室」で見た杉の仕込み桶の側面を見ることが出来るんです。

仕込桶の大きさは直径2m、深さ1.7mあるそうです!


【Part.4】

1F

圧搾・火入れ・詰め

ここでは、もろみを搾ってしょうゆを仕上げる工程に使われた道具が展示されています。畜力機は圧搾の水圧を上げる装置で、圧搾機(通称・水ぶね)は熟成したもろみを濾布に包んで積み重ね、上から圧力をかけて搾る装置です。数日かけてゆっくり搾り出された生しょうゆは「亀口」と呼ばれる枡に流れ落ちるそうです。

清澄桶は、しょうゆの油や沈殿物を分離する桶で、火入桶は生しょうゆを加熱・殺菌し、色や風味を整える桶です。しょうゆの計量に使われる計量器も一緒に展示されています。

御用蔵内は自由見学で、営業時間は同敷地内にある「キッコーマンもの知りしょうゆ館」に準じるようです。キッコーマンは、江戸時代から続く昔ながらの伝統的なしょうゆ醸造技術を途切れさせることなく、この御用蔵で継続し守っているのですね。大きな戦争や天変地異を乗り越えて、今もなお現在進行形でこの御用蔵で醸造されたしょうゆが宮内庁に納められている事実…、継続するための、何か神縁のようなものを感じざるを得ません。

ちなみに御用蔵の生しょうゆは、工場内売店の他に、キッコーマンのオンラインストアでも買えるとのこと…!(※回し者ではありません)宮内庁御用達ということで売店で見た時も気になりましたが…、贅沢品かなぁ…分不相応かなぁ…と買わず。(しかし買っておけば良かったかな…と後悔中)

せっかくしょうゆの街・野田市に遠路はるばるやって来たので、この後は「野田市郷土博物館」などなどにも足を伸ばしました。また別記事にて紹介させてください。

⋆⸜ᵀᴴᴬᴺᴷ ᵞᴼᵁ⸝⋆ LEE100人隊 / はな

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主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー

41歳/夫・息子(13歳・11歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロ、無印良品など。ファッション・インテリア・お料理などLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。コロナ禍を抜けてからは工場見学や社会科見学、博物館や科学館、美術館巡りにハマっています。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。

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