(※撮影OKエリアのみ撮影しております。また、見学者用メールアドレス宛にブログ掲載前に当ブログ掲載の全写真を送信済、ANA見学ツアーご担当様経由でANA広報部の方の掲載許可を頂いております。ありがとうございます…!)
ANA Blue Hanger tour!!
体験型見学施設も!
ANAの機体整備工場の見学ツアーに参加しました
平日の、小学校が午前授業のみだった或る日。全日本空輸(All Nippon Airways 以下ANA)の工場見学に次男(小5)・末っ娘(小2)・私…の3人で行って来ました。(午前授業なのは小学校のみなので中2長男は不参加)普段見ることのできない機体整備工場を見学しANAグループの整備部門のお仕事について学べる“ANA Blue Hanger Tour”です。(無料です!!)ANAの見学ツアーには他に、航空機の運航に関わる6職種(グランドスタッフ・客室乗務員・貨物・グランドハンドリングスタッフ・整備士・運航乗務員)の訓練施設や訓練の様子をを見学できる“ANA Blue Base Tour”(有料)があるようです。LEE100人隊のTB アユミさんが参加されています!(アユミさんの過去記事はこちらです♩↓)
また、飛行機の整備工場見学ツアーに関しては、過去にJALの見学に行ったことがあります!(過去記事は以下の通りです↓)
開催日は火~土曜日。休館日は日・月曜日と祝日、年末年始です。土曜日も見学ツアーを開催してもらえるところが有り難いですよね…!!開催時刻は①9:30~11:00/②11:00~12:30/③15:00~16:30の、1日3枠。JALに同じく、ANA Blue Hanger Tourも、最寄り駅は東京モノレールの新整備場駅。対象年齢は小学生以上。安全上の理由により、小学生未満の入館は保護者同伴でも不可。予約はインターネットのみ、完全事前予約制です。場所は羽田空港近く。所要時間は90分。
(どの工場見学予約にも言えることですが…、予約ページを見ても全日程満席(涙)…なんてこともザラで。その時点で心が折れそうになりますが、諦めずに定期的に空きをチェックすれば日が近付いて来ると意外と直前にポロポロとキャンセルが出ることがあります!)
新整備場駅からANA Blue Hanger Tour受付棟(ANAメンテナンスセンター)までは、徒歩だと大人の足でも15分前後かかる感じでしたが、新整備場駅を降りてすぐの場所にANA Blue Hanger Tour見学者用の無料シャトルバスが!(助かった…)
Welcome mode♡
受付を済ませた後…
ツアー開始まで
小学生達の午前授業が終わった後は3人で空港直行高速バスに乗って羽田空港第1ターミナルまで行き、第1ターミナルの地下から東京モノレールに乗って新整備場駅下車、その後は渡りに船な感じでANAシャトルバスに乗って見学受付を済ませました。かなり順調に来られたので見学ツアーが始まるまでしばし撮影タイム…。そこかしこに“Welcome”の文字があり、なんだか嬉しくなります…♡
JALの格納庫見学ツアーとの違いは、ANAのそれは徹底して整備士さんのお仕事にフィーチャーしている点にあると思います。
ここからANA Blue Hanger Tourの始まりです!見学ツアーの流れとしては、受付→お話し会場(30分)→格納庫見学(60分)→ツアー終了後、30分まで展示ホールを自由見学可。…の順番です。以下に時系列に紹介させてください。
【Part.1】
お話会場
羽田空港とANAグループについて
見学ツアーの始めに、「見学者お話会場」に通されます。
見学者一人一人に搭乗パスのストラップが渡されます。行き先は一人一人違い、座るデスクも全て指定されていました。
お話会場では、まず司会のスタッフさんからANAグループ全体のこと、羽田空港のこと、整備士さんのお仕事についての説明があります。羽田空港にはA,B,C,D滑走路があり、D滑走路はB滑走路と並行する形で南にある離れ小島に作られ多摩川の流れを妨げないよう桟橋と埋め立てを組み合わせたハイブリッド工法が採用されているのだとか。
ここから、ANAグループが空の安全運航のための取り組みについて。ANAのグループエアラインは国内・国際合わせて106の空港に就航し、1日あたり約850便、1ヶ月あたり約450万人もの乗客が利用する全フライトは、グループ整備部門7社(ANA・AKX・LTC・BTC・ETC・CTC・AAS)でチーム一体となって共通のビジョンを掲げメンテナンスの総合品質世界一を目指しているそうです。(AKX;機材整備/LTC;ライン整備/BTC;ドック整備/ETC;エンジン整備/CTC;装備品整備/AAS;整備物流部品・工具のハンドリング等整備サポート)その7社をまとめた総称を“e.TEAM ANA”と呼びます。羽田空港のANAには格納庫が2つあり、第1格納庫には最大7機の飛行機が、第2格納庫には最大3機格納出来るとのこと。
整備士さんは羽田格納庫内に約1,050名。整備士さんはヘルメットの色やヘルメットに入っている線によって入社年度や役職が解るようになっています。また、整備士としての専門性を認定する制度が存在し、作業着に認定ワッペンが付いています。プロフェッショナルがグリーンのワッペンで約200名、その上がマイスターはブルーのワッペンで13名、最高峰の専門性と知識を有するグループマイスターがエンジ色ワッペンで、グループ全体でもわずか1桁しかいないそうです。整備士さんの工具箱には約30種類(!)もの工具が。作業中や作業後に個数確認を実施し、足りないものが一目で解るように工具箱内の配置も工夫されていました。
ここからはVTR上映。e.TEAM ANAがチーム一丸となって実際に働く整備士さん達の姿が①ライン整備 ②エンジン整備 ③装備品整備 ④整備サポート・部品管理 ⑤ドック整備 …の部門ごとに紹介されます。
【Part.2】
お話会場 VTR上映
ANAの整備部門“e.TEAM ANA”
ANA整備本部“e.TEAM ANA”。この後に何度も出て来るワードです。安全運航を第一に掲げ、安全への誇りを胸にそれぞれの役割を担うエンジニアの方々についてVTR映像を通して学びます。まずは航空機整備の「最後の砦」と呼ばれる①ライン整備から!大空に飛び立つ前の限られた時間の中で駐機場で最終点検。CAやパイロットからの飛行中の運航状況についての情報を収集、無線で整備事務所のコントローラーに報告、整備時間が30分以内しかない場合もあり、必要があれば別の整備士の支援を仰ぎ交換が必要な部品の手配含め迅速かつ的確に組織全体で作業にあたるそうです。
次に飛行機の心臓部・エンジンのメンテナンスを行う②エンジン整備。エンジンや電装部品、油圧系統の関連部品を機体から取り外し精密チェックをします。エンジンの部品は大きい物だけでも3万点以上あり、精密機械のため、顕微鏡やブラックライトを駆使した、1万分の1インチの精度を求められる繊細な作業。整備期間は1ヵ月にも及ぶことがあるそうです。最後は知識と経験を蓄積した人の目と感覚が頼り。バラバラに解体し交換・洗浄されたエンジンはメーカーのマニュアルに忠実に沿って再び組み立てられます。
③装備品整備部門では、無線通信機器やコックピットの計器類、機内のエンタメシステムなど航空機のあらゆる装備を担当。どうすれば信頼性が上がるのか改善のために常に徹底追求している様子が映し出されていました。「より良い客室空間の実現」に向けて、商品企画部門と二人三脚で客室仕様開発もこの部門で行われています。
④整備サポート部門では、24時間365日体制で整備士のサポートを行っています。20万品目に及ぶ航空機部品や整備工具の管理および現場への供給を行っています。フライト関連計器、電装・客室・無線・空圧・油圧装備品、発電機等を整備し、付加価値のある高品質な装備品を提供する部門です。
⑤ドック整備部門では、定められた飛行時間を経過した飛行機の点検を行います。定時整備または重整備といわれるものです。自動車で言うところの車検のようなもの。ドックとは航空機を格納する大型倉庫のこと。ドックに収納後、徹底的に整備作業を行います。機体整備、客室整備、構造整備、電装整備などのスキルを駆使し航空機の定時整備や重整備、各種改修等を行うとともに、フライトシミュレーターなど訓練機器の導入業務や日常の整備なども担う部門です。金属疲労を見抜く非破壊検査や機体の再塗装などもこのプロセスで実施されます。
次はヘルメットをかぶっていよいよフルアテンドの格納庫見学ツアーです…!!
【Part.3】
3Fデッキより
第1格納庫を見学!
ここからは3グループに分かれて機体工場見学へ。ANAの機体工場見学は2022年4月にリニューアルしたようです。アテンドしてくださるスタッフさんの立て板に水な軽快トークで子ども達も飽きずに聞くことが出来ました!
機体には炭素繊維を使用した強化プラスチックが多く使用されているそうです。
コックピット窓は、鳥などが当たった時にも割れないように3枚の強化ガラスと2枚のビニール層から形成された5層構造になっているとのこと。
飛行機には、電波を発射し雲の中の雨滴量によって反射してきた電波をキャッチする事で雨や雲の状態を観測する「ウェザーレーダー」が搭載。ウェザーレーダーは、電波やデータの処理をおこなう「トランシーバ」、電波を送受信する「アンテナ」、アンテナを動かす「ドライブユニット」、受信した雲の状態を映し出しパイロットが視認する「ディスプレイ」から構成されており、アンテナはレドーム(機体先端の鼻のようなところ)内に、トランシーバはコックピット床下に。
ウェザーレーダーの他にもあらゆるセンサーが搭載されており、向かい風や温度などを測るあらゆる計器があります。機体にとって氷は敵。重量増・抵抗力増・計器誤作動の原因にもなる航空機への着雪・着氷を確実に除去する防除雪氷のスペシャリストも存在するのだとか。雪や氷、霜が付着したままだと翼や機体の断面形状が変わってしまい離陸時に正常な揚力や推力を得られないリスクがあるそうです。
【Part.4】
1Fフロア
実物の飛行機&整備士さん達のお仕事を間近に見られる!
3Fデッキから1Fフロアに降りて、もっと間近に機体と整備士さん達のお仕事が見られます。
飛行機には翼にあるメインエンジンの他に、もうひとつAPU(補助動力装置)と呼ばれるジェットエンジンが最後尾に装備されています。
なお、APUの作動は燃料を必要とし、CO2を排出することから、地上駐機中はAPUを使用する代わりに、地上から電力や空調を供給することができるGPU(Ground Power Unit)を飛行機に接続し、APUの使用時間を短縮・CO2削減に取り組んでいるそうです。
こちらは飛行機のファンブレード!飛行機の推力をその回転によって生み出す役割を持った重要な部品です。
アテンドスタッフさんが、「これはかなりレアですよー!」と言われていた、ファンブレード1枚1枚が置かれた図。
ボーイング787では客室窓に5段階で透過光量を調整できる電気シェードを採用。
ボーイング787ではエンジンにシェブロンノズル搭載。エンジンカバー後部の排出口(排気ノズル)の形状がギザギザです。排気流とエンジン周囲を流れる空気との混合を最適化し騒音を大幅に低減する効果が◎
これにてあっという間に見学ツアーは終了。子ども達はアテンドスタッフさんから「どう?整備士さんを目指してみたくなったかな…?」と声を掛けられるも、「…………。」という具合に何も答えることが出来ず(;´Д`) いやはや、もう見るからに大変そうで…高い専門性と知識や技術が必要、かつイレギュラーなことにもサッと対応する柔軟さが求められ、チームワークありきなので協調性も不可欠な、誇り高きお仕事…。「なりたい!」と気軽に答えられるお仕事じゃないですね。本当に頭が下がります…!!
ここからは、2022年4月にリニューアルされた展示ホールの自由見学です。
【Part.5】
自由見学
体験コーナーも!1F展示ホール
展示ホール中央にある垂直尾翼はボーイング787型機の原寸大模型!
この垂直尾翼を囲むようにして①~⑬のテーマごとにパネルと展示物、体験型コンテンツが多数用意されています。①ANAグループのあゆみ/羽田空港地図 ②e.TEAM ANA ③ANAグループの航空機 ④ライン整備 ⑤ドック整備 ⑥エンジン整備 ⑦装備品整備 ⑧整備サポート ⑨整備の工具 ⑩整備スタッフ ⑪1等航空整備士への道 ⑫航空機の部品と素材 ⑬航空機が飛ぶしくみ…と、1区画ごとにものすごーーく濃厚な内容です!!
子ども達は⑥エンジン整備のエリアで興味津々。エンジンのファンブレードが2種類あり、実際に触って比べることが出来ます!
子ども達の後ろにあるのは「ロールス・ロイス TRENT1000」、実際のエンジンの4分の1の大きさの模型。ボタンを押すとエンジンがゆっくり回転し、内部の動きが解るようになっています。ここは⑦装備品整備エリア。
こちらはボーイング787-Bのビジネスシート。実際に座ることが出来ます!
お話会場では、着席体験用のファーストクラスのシートもあり、フルフラットにリクライニング出来ます!飛行機の中でもグッスリ眠れそうですね…!
展示ホールの写真も掲載…となると膨大な量の写真をANA広報さんに確認して頂くことになるので控えますが…、展示ホールでは整備士さんが実際に使われている工具の展示(コンビネーションレンチに実際に触ることが出来ます)や、アルミニウム合金で出来たB767の外板を実際に触ることが出来たり、航空機の模型がズラッと壁面に並んでいたり、整備士さんの等級や入社年度ごとに色別された帽子やヘルメットを一覧出来るようになっていたり…、とにかく盛りだくさんで、30分では時間が足りないほどでした。(見学ツアーが始まるまでの30分も見学可能です)整備士さんのお仕事に特化したツアーで、空旅の安全を守る整備と飛行機を身近に感じることが出来るレアな体験でした。
ANA Blue Hanger Tourの予約は公式HPから希望日の1ヵ月前から受付スタートです。気になる方はぜひチェックしてみてくださいね◎
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TB - はな
主婦 / 神奈川県 / LEE100人隊トップブロガー
41歳/夫・息子(13歳・10歳)・娘(8歳)/手づくり部・料理部・美容部/大雑把な山羊座のO型。好きなものは器、アメリカンヴィンテージ、宝塚歌劇、マンガ、ミナペルホネン、オールドマンズテーラー、GU、ユニクロなど。インテリア・ファッションなどLEEで勉強中。両実家とも遠方で3人の子育てに日々奮闘。ドタバタと過ぎて行く日々の中でも「今」を大切に、小さな幸せを拾い集めながら成長して行きたいです。
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