おでかけ部

カナダのピアノ発表会で思うこと

  • 016 Umi

2024.06.23

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今年のピアノ発表会はこんなファッション

幼稚園からピアノを習い始めたムスメ。
年に2回(6月と12月)、ピアノの発表会があります。

「ピアノの発表会は、黒のローファーにするね。女の子っぽいスカートじゃなくて、曲のイメージに合わせてちょっとクールに、シャツとネクタイとパンツにしたい。」

と突然宣言されたのが、5月頃。

やはり、この時が来ましたか…。

今まではピアノの発表会というと、ちょっとよそ行きに着れるようなワンピースなどを着ていたのですが。

昨年の12月のピアノ発表会

会場を見渡しても、日本のピアノ発表会のようなふわふわドレス着ている子は少なめです。

昨年の6月はこんな感じでした。

こんな風に、女の子らしい洋服を着るように仕向けてはいたのですが。

ここ最近のムスメのファッションテイストを見ている限り、今まで通りにはいかないだろうなと思っていたのです。

ムスメが私に見せたのは、ムスメが好きなLE SSERAFIMのユンジンが着こなしている洋服の写真。

その写真を参考にコーディネートを考えたのがこちらです。

ネクタイをリボンにして少し女の子らしさを出しつつも、こんな感じで弾きたい、と意志は固い。
(「なんか、ウエイターみたいだけどいいの?」という、ともすればおばさん発言をグッと飲み込みました。)

黒いパンツは私のスリット入りのものです。

3パターン撮ったのは、タックインしないバージョン、シャツの袖を少しまくったバージョン。小技を効かせると、どう見た目が変わるかなー、と検証したかったため。

LE SSERAFIMを見る限り、ボタンを外したり、もう少し着崩した方がいいのでしょうが、ピアノの発表会にはさすがに着崩す勇気もなく。

きれいめ重視にした方がいいのでは、と話し合いまして。

結果、本番はタックインせず、袖をまくることに。

映画「君たちはどう生きるか/The Boy and the Heron」の主題歌 「地球儀/ Spinning Globe」(米津玄師)を弾きました。

きっと、日本に住んでいるみなさんは、「え?ピアノの発表会に?パンツ?」と思われるのかもしれないですね。

いやいや、カナダのピアノ発表会…ふっつーにジーンズや普段着で来る子もいるくらい、カジュアルでリラックスな雰囲気。

イージーゴーイングな国民性も多々あるのですが、私なりに理由を考えてみました。

発表会より資格試験重視?カナダのピアノ事情

およそ5年間ピアノを習い続けていますが、コロナ禍の影響もありお教室も2回変わり、ピアノ発表会をいくつか見てきて思うことは、

ピアノ習いたての時

「日本に比べて、良くも悪くも、とにかくゆるい。」

の一言でしょうか。

発表会はゆるいのですが、RCM(Royal Conservatory of Music)という資格試験に挑戦する子が大半なので(後述します)、試験の方へ気合が入っています。

よって、
「実技のみならず、音楽理論を小さい頃から徹底的にやって資格試験重視なこと。発表会では練習曲の出来具合を発表したり、自分の好きな曲を弾いたりとリラックスムード。」

というのがカナダのピアノ事情なのかな、と個人的に思っています。

日本のように、「発表会という場でみんなに聴いてもらうために、完璧を目指して練習する」という感覚があまりありません。

これには私もカルチャーショックでした。

日本人が発表会に向けて120%、完璧以上の力を発揮すべく猛練習してくるのに対して、
カナダでは、「本人が楽しんで練習することが1番。メインは資格試験。」なので、発表会では60%の出来でも堂々とステージに上がって楽しそうに演奏します。

完璧を目指さないので、先生もとにかく褒めてくれます。
多少間違えたとしても、「先週より、ここがすごく上手になってる。練習をたくさんしたのね。とてもいいね。」といった具合です。

母の私が、「先生、ここでいつも指がすべって間違えるんですよね。」と言っても、

「お母さん、ここまで練習して頑張っているんだから、完璧を目指したらだめよ。ステージの上で演奏するってすごい緊張感なんだから、間違えるのは当たり前。そのミスをどうカバーして、ミスしていないように魅せる方が大事なの。」と言われます。

うん。分かる。日本人の性。完璧主義。よくないね。

おかげで、ムスメも自己肯定感爆上がりで、ゆっくりペースではありますが、かれこれ5年ほど毎日楽しくピアノを練習しています。舞台慣れも随分して、ミスをしてもシレッと誤魔化すことが上手くなってきました。

発表会はゆるくても、試験は手強い。

年に一度のペースで受けるのが、RCM(Royal Conservatory of Music)という北米の音楽学校が作っている資格試験。

カナダではピアノ学習者のみならず、他の楽器学習者でも、ほとんどがこのRCMというメソッドに基づいて音楽教育を受けていて、まるで英語検定のように資格試験があります。

バイエル、ブルグミュラー、ソナチネ、ソナタといった、
日本で使われているピアノ教材は、こちらではほとんど使われません。

練習曲は、現代の音楽もあれば、バロック時代のものもあったりで、いろんな時代のものを選べてなかなか興味深いです。

曲の教本数冊以外にも、理論やテクニックのテキストも数冊。

これらのテキストで、スケールやアルペジオなどの基本を固めていきます。

理論のレベル難易度に合わせて、練習曲が決められているので、試験ではそのレベルにあった曲を弾くことになります。

試験では、ただ曲を演奏するだけではなく、理論やテクニックの点数も半分占めているというのも、演奏だけがすべてではない、というのを物語っていて面白いな、と思います。

理論やテクニックの試験は、
数種類ある和音を聞き分けてコード名で答えたり、メロディを聴いてから同じように弾き返す聴音テストや、初見で楽譜を見て演奏したり、リズムを叩くテストもあったり。レベルが上がるについれて、歴史や理論のエッセイなど筆記試験も加わり、高校の音楽の単位と交換できたりします。

私ももう、ムスメが受けているレベルの理論に、英語ということもあるのですがついていけていません。

先生にお任せ
フラッシュカードも使ってお勉強

演奏実技も1曲だけではなく、各時代のジャンルの曲を5曲ほど試験用に準備して、先生も生徒も発表会よりもこの試験に受かるため、実技も理論への勉強もかなり力を入れています。

これは、なかなかよく出来たシステムだな、と思います。

才能ややる気がある子は、どんどん有名な先生のレッスンを取って、大きな大会にどんどん出場するというのは、日本とも同じかと思います。

意外にも?カナダはショパン国際ピアノコンクールでも上位入賞常連国なのです。



Music Is A Lifelong Journey 

ということで、
年に2回の発表会は、試験に比べると「楽しく弾ければいいよね」的な、リラックスしたムードで行われるのでした。

よく、「Music Is A Lifelong Journey」と言われます。

ピアノだけに限らず、音楽を学んでいけば、いろんな楽器を演奏することもできる。そして音楽を聴く視点も変わってくる。

私自身は、日本でのピアノレッスンにあまり楽しい思い出はないのですが、中学校で音楽をきっかけに大きな経験が出来たし、カラオケは大好きだし、毎日の生活に音楽は欠かせません。

大人になってからフルートを習ったり、友人たちと音楽を演奏する楽しさも知りました。

一つ思うのは、もっと音楽理論を学んでいれば、変調やコードについて理解が深まったのになぁ、ということ。

今、ムスメの資格試験への学習を横目で見ながら、一緒に学んでいます。
ムスメも生涯音楽を楽しんでいってくれたらなぁ、と思うのでした。

ではでは、また♪

016 - Umi

教育系 / カナダ / LEE100人隊

47歳/夫(ポーランド人)・娘(10歳)/手づくり部・料理部・美容部/すきなコト&モノは、写真や動画を撮って編集すること、ジョギング、筋トレ、セルフジェルネイル、大人になってから始めたフルート、アロマオイル、長風呂、和菓子、魚卵、オートミール、そして日本の雑誌を読み漁ること。中でも、いつも変わらぬ目線で今欲しい情報と、手が届きやすい上質な幸せがいっぱい詰まったLEEが大好きです。自分自身が毎日笑顔で過ごせるように、心と身体を健やかに楽しく管理することを心がけています。冬が長いカナダから、読んでいる方の心が温まってハッピーになれるような投稿をお届けします。

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