お菓子好きの間で圧倒的な人気を集める京都のカフェ『歩粉（ほこ）』を営む、磯谷仁美さんによる新連載がスタート！

シンプルで素朴ながら、素材の風味をしっかり感じられるスイーツは、コロナ禍中に始めたお菓子セットの通販でも争奪戦になるほどのおいしさ。

そのお店の“優（やさ）しい”味わいを、おうちでも再現できる“易（やさ）しい”レシピで毎月1つ提案していただきます。

#1「歩粉のスコーン ～おうちバージョン～」

歩粉といえばスコーン、というくらい私にとって、とても大切な存在です。

お店では、3種の粉をブレンドしてスコーンを作っています。そんなに粉を用意するのは、ちょっと面倒…という方は、薄力粉だけでもおいしく出来上がります。
私のオススメは、全粒粉もぜひ入れること。
プチプチした食感と粉の風味がぐ〜んと上がるので、このレシピでまずは試していただけたら。

材料・スコーン 7個分

• A）
  • バター（食塩不使用。なければ有塩バターで、下記の塩をなしにしてもOK）……70g
  • 薄力粉……200g
  • 全粒粉……50g
  • きび砂糖……30g
  • ベーキングパウダー……8g
  • 塩……1g
• 牛乳……130g

下準備

• 1cm角に切ったバター、ボウルに入れたバター以外のA、牛乳を、それぞれ冷蔵庫で冷やしておく。
• 天板にオーブンシートを敷く。
• オーブンを190℃に予熱しておく。

作り方

1. Aが入ったボウルに冷たいバターを入れ、指先でバターをつぶしながら、粉に混ぜ込んでいく。両手ですり合わせ、さらさらの状態にする（フードプロセッサーを使って、攪拌してもよい）。

2. 冷たい牛乳の1/2 量を全体に回しかけ、粉に水分を入れ込むような感じで、両手で底の方からすくい上げるようにして混ぜる。

3. 残りの牛乳の半量を回しかけ、同様になじませる。残りの牛乳は、生地の湿り具合を見ながら、少しずつ加え混ぜていく（生地がべとべとしても、ドライすぎてもよくなく、ほどよい感じに）。

4. 台に打ち粉（強力粉、なければ薄力粉でも。分量外）を振って生地をのせ、おおよそ7等分にし、丸めていく（焼き始めると生地の高さが下がるため、少し高めの形に丸めておく）。

5. オーブンシートを敷いた天板に並べ、190℃に予熱したオーブンで15分焼く。天板の前後を返し、均等な焼き色になるように焼き色が薄い部分が焼けるように置き場所を変え、全体がこんがりときつね色になるように、さらに13〜15分焼く。

お店と今回のレシピとの違いは、粉の種類に加え、スコーンの生地を寝かすか寝かさないかという点も。
お店のレシピでは、90分冷蔵庫においてから成形するので、焼き上がりの形が丸〜く仕上がるのですが、寝かさずすぐに成形すると、ぼわ〜と自由な感じに膨れるので、食感も軽やかになるんです。
時間がたっぷりある！というときには生地を寝かして、焼き上がりの変化を見るのも楽しいかもしれませんね。

スコーンだけでもおいしく召し上がっていただけるように、ほんのりとした甘さをつけてありますが、お好みのジャム、ハチミツ、ホイップクリームにあんこ！　自由にそえものと楽しんでいただけたら。
私は、年々あんこ好き度が高まっているので、あんことホイップクリームをつけて……至福のおやつタイムを過ごしています。

焼き上がって、ちょっと粗熱が取れたくらいが最高の食べ頃です。
スコーンが冷えてしまったら、オーブンでぜひ温めなおしてくださいね。
風味が格段にアップしますよ。

『「歩粉」磯谷仁美さんの、おうちで作れるやさしいお菓子』は、毎月１回更新。
次回は2月1日に更新予定。お楽しみに！

製作・撮影／磯谷仁美　バナー写真撮影／津久井珠美