【絶対失敗しない】「唐揚げ」
絶対失敗しない唐揚げを徹底研究!こまかいお悩みに答えます!
「今回は私のレシピの中から、〝ザ・唐揚げ〟といえるような、鶏もも肉のオーソドックスなレシピを選びました。唐揚げはちょっとしたコツを覚えるだけで、びっくりするほどおいしくなります。苦手な人も、ぜひ、チャレンジしてみて!」 (重信初江さん)
材料・4人分
鶏もも肉……2枚(約500g)
下味)
しょうが汁……小さじ1
にんにくのすりおろし……小さじ1/3
しょうゆ……大さじ1 1/3
酒……大さじ1
塩、こしょう……各少々
衣)
片栗粉……大さじ6(1/2カップ弱)
揚げ油……適量
レモン(好みで)……適量
※鶏もも肉1枚で作る場合はすべて半量にしてください。
鶏肉を切る
1.常温に戻しておく
冷蔵庫から出して常温に戻すと、生揚げ防止に。季節によっておく時間は変わるが、春なら30分くらいが目安。
鶏肉を切る
2.余分な脂肪とすじを切る
余分な脂肪が黄色く固まっているところは食感が悪くなるもと。引っ張りながら切り取り、すじも切り取る。
鶏肉を切るときのQ&A
Q脂を取ろうとすると皮までめくれるように取れてしまいます
A皮を引っ張り、脂をこそげながら集めて切る
皮の裏に多い脂肪はこそげながら端に集め、その部分だけを切る
鶏肉を切る
3.繊維を断ち切るように切り込みを入れる
もも肉の足側の半分は繊維が強いので、やわらかくするため、繊維を断ち切るように4本ほど切り込みを入れる。
鶏肉を切る
4.6〜8等分に切る
できるだけ均一に6~8等分に切る。大きすぎると火が通りにくく、小さすぎると縮んでかたくなってしまう。
下味をつける
5.調味液をもみ込む
下味の材料をボウルに入れて混ぜ、④を加えてもみ込む。調味液を鶏肉が吸った感じになったら、15分ほどおく。
下味をつけるときのQ&A
Q下味は何分つければよいですか?
A最短15分です
時間は15分あれば大丈夫です。その代わり、しっかりともみ込むようにしてください
Q一晩おいておいてもよいですか?
Aその場合は、"落としラップ"を
空気に触れないようにラップを落として張り、冷蔵庫へ
衣をからめる
6.片栗粉をまんべんなくからめる
もう一度、⑤の全体を混ぜてから、片栗粉を1カ所に固まらないよう全体に振って、まんべんなくからめる。
衣をからめるときのQ&A
Q衣に卵を加えてもいいんですか?
A全体に味も食感もマイルドに仕上がります
下味をもみ込んだ後、15分後に溶き卵1個分をもみ込み、さらに片栗粉を入れてダマにならないように混ぜます
Qポリ袋の中で衣をからめると、仕上がりにムラが出てしまいます
Aダマにならないように、水分をキッチンペーパーで吸い取って
原因は、袋の中で粉がダマになってしまうからですね。粉を入れる前に、余分な水分をキッチンペーパーなどに吸わせるといいですよ
Q衣に小麦粉を使う場合、割合はどれぐらいがいいですか?
A片栗粉大さじ4:小麦粉大さじ2で試してみてください
小麦粉が入ると揚げ上がりがバリッと少しかたくなります。ブレンドの割合は好みですが、片栗粉大さじ4、小麦粉大さじ2がおすすめ
Qどの程度まで衣をからめたらいいですか?
A少し白っぽさが残る程度でOK
白っぽさはカリッとした食感にも。もみ込みすぎはベタッとした仕上がりに。これがポイント!
揚げる
7.油の量は26㎝のフライパンで2㎝くらいが目安
フライパンを使って少ない油で揚げると、あとの油の処理がラク。中火にかけて、中温(170℃)まで熱する。
揚げるときのQ&A
Q油の温度は計ったほうがよいですか?
A菜箸を入れたときの泡の出方で判断してください
温度計がない場合のチェック方法は、菜箸を油の中に入れてみるのがいちばんわかりやすい。必ず、乾いた菜箸を使ってください
揚げる
8.油の温度は中温→高温 最初の1分は触らない
⑥の皮目を下にして並べ入れ、1分ほどは触らない。衣が固まってきたら上下を返し、さらに1分揚げる。
揚げるときのQ&A
Q一回に油の中に入れていい量は?
A一気に全部入れてしまってかまいません
天ぷらは薄い衣を高温で揚げるので、温度の変化に注意しますが、唐揚げは大丈夫
Q冷たい油に入れてから火をつけると失敗が少ない?
A慌てずでき、よく火も通るので初心者さんにはおすすめ。くっつきやすいので、途中、はがすことを忘れずに
冷たい油の中に肉を入れて中火にかけ、2~3分たって肉の底が白っぽくなったら、上下を返して1分揚げる。上下を返しながらさらに1~2分揚げ、最後は火を強めて
揚げる
9.時間と見た目と音で揚げ上がりを判断する
火を強めて高温(180℃)にし、返しながらさらに2分揚げる。音が高くなり、カラッときつね色になればOK。
時間 = トータルで4分
見た目= 細かい泡が出る
音 = 雨が降るような音
揚げるときのQ&A
Q二度揚げはしたほうがいいんですか?
A慌てずでき、時間に余裕があり、カリッと感が好きな人におすすめ
170℃の油で片面1分ずつ揚げて取り出し、3~4分休ませて余熱で火を通す。180~190℃の油で1~2分、二度揚げする。カリッと感は手間をかけた分、格別!
Q揚げ上がりの形がイビツ。皮の部分が焦げていることも…
A皮を広げて、形を整えてから揚げましょう
形がきれいに仕上がるだけでなく、肉汁が閉じ込められるのでよりジューシーに!これがポイント!
油をきる
10.皮を上にして並べる
網やザルがのった揚げ物バットに、鶏肉の皮を上、または横にして並べる。皮の下の余分な脂が落ちてヘルシー。
油をきるときのQ&A
Q時間がたつと、なぜかベチャッとしてしまいます
Aキッチンペーパーは油を吸わせたら外して
カロリーオフしたい人はキッチンペーパーを敷いても。放置せず、1分ほどで外すのがコツ
Q使用後の油の処理が悩みです
Aザルを使ってこして、瓶などに入れて保存。こまめに使いきって
ボウルにのせたザルにクッキングペーパーを敷き、油が熱いうちにこす(クッキングペーパーがない場合は目の細かいザルのみでも)。炒め物などにちょこちょこ使うと油の減りも早い。使用のめどは約1週間。
11.完成!
カリッとジューシー、熱いうちに食べてね!
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2015年5月号【うまいぞ唐揚げ!決定版】より
撮影/福尾美雪 スタイリスト/中野径恵 取材・文/海出正子
重信初江
料理研究家
少ない材料と手間でできる、アイデアあるレシピがSNSなどで話題に。テレビや雑誌、企業のレシピ制作、料理イベントにもひっぱりだこ。近著に『味つけご飯とおみおつけ』(東京書籍)『冬つまみ』(池田書店)、『おうちで深夜食堂』(共著、小学館)