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松崎のり子

iDeCo加入者は要注意! 年末調整はなんのためにある?

  • 松崎のり子

2017.11.09

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今年も残り少なくなってきました。勤務先から年末調整に関する書類を受け取る時期でもあります。

私も会社員時代は「面倒だなあ」と思っていましたが、とんでもないことでした。それがどんなに大事かわかっていなかったのです。そもそも「年末調整」って、何を調整するのでしょう。それは、毎月天引きで納めている税金(所得税)が多すぎor少なすぎではないか、正しい税額と調整することなのです。

というのも、所得税は年初の給料から天引きが始まっているのですが、それは「多分このくらいでしょう」という金額でのいわば仮払い。年間の給与が決定した段階で、改めて所得税を計算し直し、多かった場合は税金を返してもらえるというわけです。所得税の計算にあたり、会社に申告することで税額がさらに減る条件があり、自分にあてはまるものがあれば記入してくださいと年末調整の書類が配られるのです。所得税が減る条件=所得控除というもので、せっかく自分が条件に当てはまっているのに正確に申告しないでいると、払わなくていい税金を払うことになってしまうのです。だから、ちゃんと書かないと非常にもったいないということなんですね。

iDeCoを始めた人は記入をお忘れなく

所得控除として申告できるのは、「生命保険料控除」(生命保険・介護医療保険・個人年金保険に入っている人)、地震保険料控除、配偶者控除、配偶者特別控除など。年初では働いていた妻が、途中で会社を辞めて夫の扶養に入ったという場合には控除の対象になり、税額が減ることでしょう。

また、今年からiDeCo(個人型確定拠出年金)に加入した人は、この年末調整で申告する必要があります(掛け金が給与天引きの人は自分での手続きは不要です)。「国民年金基金連合会」から払い込んだ掛金の証明書のはがきが届いた人は、書類に記入するのをお忘れなく。記入するのは、会社から受け取った書類のうち、生命保険料控除を書くのと同じ「給与所得者の保険料控除申告書 兼 給与所得者の配偶者特別控除申告書」です。右下部分にある「小規模企業共済等掛金控除」の欄の中段「個人型又は企業型年金加入者掛金」に、iDeCo掛け金の合計額を記入しましょう。iDeCoの大きなメリットは、自分が出した掛け金がまるまる所得控除され、税金が軽くなることですから、年末調整での手続きがとても大事。もし忘れると、今度は自分で確定申告をしなくてはいけません。

あの細々とした書類には、こんな理由があるのだと知り、取り戻せる税金はしっかり取り戻しましょうね。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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