FASHION

【流行の変遷シリーズ】

断捨離すべきか迷っても捨てられない人が多いおしゃれアイテム2選

  • 高見澤恵美

2017.07.05

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ワードローブの中には一軍のヘビロテ服のみ並んでいるのがスマート、といった考え方がここ数年共感を呼んでいます。そして数多の片付け本では、ときめくかどうか、○年以内に着たかどうか……といった、手放すかどうかのさまざまな見極めポイントが指南されています。

活用できないなら、処分するのが潔い。

分かっちゃいるのですが、活用していた頃の思い出や、手に入れたときの高揚感など、さまざまな感情が去来し、もう数年コーデ入りしていないけれども、捨てる気になれない……そんなアイテムがあるものです。

明らかに今は一軍落ちしているけれども、いつか復活するかも……。

いや、流行っていた頃はあれだけ気に入ってたんだから、ぜひとも復活してほしい!

と、LEE世代の心をざわつかせているアイテムとはなんでしょうか?

今回は調査で明らかになった、そのツートップ(2017年度版)についてお届けします。

1位:レギンス、トレンカ

イラストレーション/烏山ミライ

もっとも復権を願う人が多かったのが、いわゆるスパッツ的なもの。レギンスという言葉が出てきたときは、つい「スパッツがさぁ」と口走ってしまい、慌てて「あ、レギンスね」と言い直す……。そんな“あるある”光景が散見されたアイテムでしたが、ここ数年、いわゆるトレンドではすっかりご無沙汰な存在に。

数年前、トレンカなるものが流行した際は、「男子には『野球部かよ!』と思われて不評だから、出会いの場には履いていくべからず」といった真偽のほどは定かではない恋愛指南が語られたりもしましたが、今は本当に野球部の人しか履いていないのでは? というくらい、レアなアイテムとなってしまいました。

LEE世代への調査でも、

「冬場、タイツがわりにパンツの下に履くモモヒキ的な用途や、部屋着やワンマイルウエア、スポーツ着としては未だに現役。ですが、おでかけや通勤で、ショートパンツや膝丈スカート、チュニック的なワンピースの下に履くという、従来のスタイルは一切しなくなった

といった声が多数。その理由としては、ここ数年ワイドパンツや長めのスカートなど、ボリューミーなボトムがカジュアル派市場に出回ったために、脚が出る面積が減った=レギンスで隠す必要もなくなった、というのが実際のところのよう。

ここ数年分のLEEのスナップ特集を確認してみると、2011年までは「ショートパンツ+黒いレギンス」といった組み合わせが掲載されていましたが、2012年からはレギンスコーデが見つからない状態に……(もっと生地の厚いレギパンなら発見できましたが)。

一方で、復権を望む声がもっとも多かったのも、このレギンス、トレンカ。

「今のアラサー、アラフォーのカジュアル派にとって、ストッキングのコンサバ感は抵抗がある。でも生脚は正直きつい。手持ちの膝丈スカートやワンピースをいかすには、レギンスが絶対必要。レギンスを履けないとなると、かなりの枚数のスカートとワンピースを諦めることになる(泣)! たまにはロング以外の丈も履きたい! との思いから、数年前のレギンス、トレンカを捨てられずにいます」

といった意見も多々。そう、レギンス&トレンカ頼みだった人は、それらが流行から外れてしまうと、スカートやワンピースを履くことに対し消極的になる可能性もあるのです(筆者も生足に自信がないため、ノーレギンスではパンツしか履けません……。それだけあの黒い布のカモフラージュ力は偉大だった!)。ボトムの選択肢が減るのは非常に悲しいことです。

ちなみに、2017年秋冬の展示会では、長い丈のワンピースにレギンスを合わせるスタイルも見かけるようになってきているとか。ただ、以前のような「ザ・黒スパッツ!」というスポーティーな印象のものではなく、ニット素材……などやさしげな素材感のものが注目のよう。

ショートパンツに黒トレンカ、という以前の王道スタイル復権はまだ先となりそうですが、再び活躍する日も近い……かも。状態のいいレギンス、トレンカは、無理に断捨離せず、完全復活の時に備えて保管しておくのもよいかもしれません。

2位:ロングブーツ

続いて多かったのは、現在もなお捨てられない人々の家の収納を占拠しているであろうロングブーツ。

ここ数年、カジュアルファッション業界では、ブーツといえばショートタイプが市場を席巻。ド定番のロングブーツは、コンサバな装いか、ワンピースの日限定の代物になりつつあるのが現状です。

「長く履けるものだからと、思い切って購入した高級ロングブーツ、ここ数年履けていません。黒、こげ茶、明るめの茶と持っていて、箱にしまって大切に保管しているのですが、収納の場所をとる!! 3年着用しなかったものは処分するべし! なんて言いますけど、OL時代にお小遣いをコツコツ貯めて買ったブーツなので、捨てるには忍びなくて……。一生モノ! と思って、プレーンな形を選んでいるので、またロングブーツの流行が復活したら履きたいです。それまでカビないように湿気対策を怠らないようにしないと(汗)」

長めのブーツが大好きで、独身時代はロング、ニーハイ、サイハイなど色々履いていたけれど、子供を産んでからはワイドパンツにショートブーツやスニーカーが定番になり、長いブーツは履かなくなりました。ショートも嫌いじゃないんだけど、私としてはやっぱり長いブーツのほうが女性らしさやおしゃれ感がある気がして好きなんだけどな……。たまには履きたいので、ロングブーツに合う服が流行ってくれないかな~」

ブーツはどんどん長くなっていき、サイハイまで到達したのに、今の廃れようは……。ちなみに、展示会などでは毎年ロングブーツを見かけるそうなんですが、ボトムにボリュームがあるトレンドが続くことを考えると、この秋冬も合わせやすいブーツ=ショート丈といえそうです。

場所をとる、履いても1年に2回……でも捨てられない……。ならば、なんとしてでもスペースを確保して、あと数年寝かせておくのも手。靴は履かなくても劣化することがあるのがせつないところですので、たとえシーズンに一度も出番がなかったとしても、革のお手入れは忘れずに。丁寧にケアできるくらい大事なものなら、次流行ったときも愛情を持って履けるのではないでしょうか。

高見澤恵美 Emi Takamizawa

LEEwebエディター・ライター

1978年、埼玉県生まれ。女性誌を中心に女性の性質や人間関係の悩みに迫り、有名無名千人超を取材。関心あるキーワードは「育児」「健康」「DIY」「観劇」など。家族は夫と4歳の息子。

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