マヨネーズの歴史やマヨネーズの美味しさの秘密などを学べる、キユーピーの見学施設「マヨテラス」。こちらでは、食にまつわるイベントも開催されています。

今回は、６月から新たに始まった「野菜染めの布で話題の“あずま袋”を作ろう！」のワークショップを取材してきました。

工場から出る大量の野菜の廃棄物を有効活用

キユーピーでは、マヨネーズをはじめとする調味料だけでなく、カット野菜やお総菜、お弁当なども製造・販売しており、年間に使用する野菜の量は10万トン以上。その中には、もちろん皮や外葉、芯などのように食べられない部分も含まれています。

そういった野菜の廃棄部分も、無駄なく活用する取り組みを行っているそうです。例えば、じゃがいもの皮は、家畜を育てるための飼料に。キャベツなどの外葉や芯は堆肥になるそう。こうした環境活動の一環としてはじまったのが、食べ物を使って染色する布のブランド「FOOD TEXTILE」に、野菜の廃棄部分を提供する取り組みです。

食品を染料化して作る「FOOD TEXTILE」とは？

「FOOD TEXTILE」とは、繊維専門商社の豊島が手がけている、廃棄される食材を染料に変える特殊技術によるプロジェクトブランド。

食材本来のやさしい色合いを再現している点が特徴的で、海外では早くよりニューカラーと呼ばれ親しまれてきたそう。サラダの色を楽しむように服や雑貨の色を楽しむことができます。豊島の広報担当・加藤美月さんによれば「この技術で染色された生地は、色の検査基準をクリアしており、色落ちしにくく長く使用できます」とのこと。

今回のワークショップで使用された布

原料となる食品は、キユーピーの野菜だけでなく、トマトやコーヒー豆など、様々な食品会社から提供してもらい、それらを使って染色された布は、アパレルメーカーや百貨店などとともに、Tシャツやバッグなどに商品化されて販売しているそう。食品会社、繊維商社、アパレルメーカーの３つのコラボによって作られているのですね。

キユーピーでは、野菜染めの布でオリジナルのエプロンを作っていて、社員が学校へ出向いて行う出前授業「マヨネーズ教室」などで着用しているそうです。

キユーピーの社員のみなさんが使っているオリジナルエプロン

長方形の布を直線に縫うだけでできる「あずま袋」

今回のワークショップでは、キユーピーから提供された紫キャベツ、キャベツ、玉ねぎによって染色された布が使用されました。２色を組み合わせた長方形の布を使って、あずま袋を作っていきます。

あずま袋とは、長方形の布の２箇所を直線に縫うだけでできるバッグ。風呂敷のように小さく折りたためるので、サブバッグとして持ち歩くのにも便利そう。

今回のワークショップには10名の方が参加。前半の１時間でマヨテラス内の見学と、キユーピーの環境活動に関する取り組みの紹介などが行われ、その後にワークショップがスタートしました。

冒頭にデモンストレーションが行われ、その後、１人１台ずつ設置されたミシンで、作業が進められます。ちなみにこのワークショップでは、ブラザーの高機能ミシンを使って作ります。実は普段、まったくミシンを使わない私。今どきのミシンの進化に、正直驚きました！

作り方も丁寧にサポートしてもらえるから初心者も安心

参加者の方に話を聞いてみると、子どもが幼稚園や学校に行っている時間帯なので、１人で参加したという声もちらほら。普段、家事育児でバタバタしていると、こういった集中する作業が良い気分転換になりますよね。

「親子で参加するワークショップにはよく行くのですが、たまには１人で参加してみたかったので」とか、「産休に入ったばかりなので気分転換に」という方も。

また、ワークショップ中は、数人のスタッフの方が常に会場内にいるので、わからないところはいつでも聞くことができます。これなら、私のような手作り初心者でも安心して参加できそうです。

参加した方が全員女性だったということもあり、楽しい雰囲気の中、１時間ほどであずま袋が完成しました。

参加費500円で、マヨテラスの見学もできて、手作りも楽しめるお得なワークショップ。今後も、11月まで定期的に開催されるそうです。午前・午後それぞれ定員10名の完全予約制なので、気になる方はマヨテラスのホームページをチェックしてみて下さい。