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老化防止効果があるトマトのリコピン。吸収しやすい摂取法とは?

  • 相馬由子

2017.06.12

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トマトに含まれる代表的な栄養素といえばリコピンですよね。リコピンは老化防止に効果があるなどと聞きますが、具体的にはどんな働きをしてくれる栄養素なのでしょうか。また、リコピンを効果的に摂取するための食べ方はあるのでしょうか。

日本デルモンテ、商品技術開発部の坂本隆雄さんに聞きました。

生活習慣病予防、美肌に効果があるリコピン

相馬 リコピンと言えば老化防止というイメージがありますが、もう少し具体的に、どんな栄養素なのか教えてください。

坂本 人間は、ストレスや紫外線、喫煙などによって体内に活性酸素が発生しますが、この活性酸素が体内に過剰に存在すると、生活習慣病やガンなどの原因になります。リコピンは、その活性酸素を除去する働きがあると言われているのです。

相馬 だから老化防止に効果があるのですね。

リコピンを多く含んでいるトマトは赤い

相馬 最近トマトはたくさんの種類が出ていますが、トマトによってリコピンの量は違うのでしょうか? また、多く含まれているかどうかを見分ける方法はあるのでしょうか?

坂本 トマトの種類によって差があります。一番簡単な見分け方は、色が赤いトマトを選ぶことです。生食用トマトよりも加工用トマトや料理用トマトのほうが、果肉が厚くて色が赤く、リコピンの含有率は高いです。また、リコピンは果皮に多く含まれるため、生で食べるなら、普通サイズのトマトよりも果皮の割合が高いミニトマトのほうが含有率が高いとも言われています。

相馬 確かに、普通サイズの生食用トマトよりも、プチトマトのほうが色は赤いですね。どれくらい違うのでしょうか?

こちらが加工用トマトの断面

こちらが生食用トマトの断面

坂本 リコピンの1日の理想的な摂取量は15〜20mg以上と言われていますが、例えば15mgを摂取する場合、普通サイズの生食用トマトだとLサイズ2個分(約500g)が必要ですが、プチトマトなら17個分(約250g)です。

相馬 ちなみに、トマトは赤いほうが美味しい(甘い)と思っていましたが、美味しさと色は関係ありますか?

坂本 赤い色素はリコピンの量と関係するので、甘いかどうかとはまた別の話になりますね。

油と一緒に加熱すると体に吸収されやすくなる

坂本 また、リコピンは油に溶ける性質があるため、油と一緒に食べると吸収されやすくなります。さらに、加熱調理したほうが、トマトの細胞壁が壊れて、リコピンを吸収しやすくなるのです。

相馬 つまり、加工用トマトや料理用トマトを使って、トマトソースなどを作ると、とても効率良くリコピンを摂取できるということですね。



ジュース、缶詰、ケチャップ…トマト加工品を上手に利用

相馬 ホールトマトなどの缶詰やケチャップ、トマトジュースなどにもリコピンは含まれていますか?

坂本 はい。それらのトマト加工品にもリコピンは含まれています。むしろ、生トマトよりもリコピンを効率よく摂取できるのは加工品です。リコピン15mgを摂取しようとする場合、ホールトマトなら2分の1缶、トマトジュースなら缶ジュース1本分弱、トマトケチャップなら大さじ4杯ほどです。加工品の場合も、油を使って加熱調理するほうが、リコピンの吸収率はよくなります。

相馬 そのまま飲むことが前提のトマトジュースも、加熱調理したほうが吸収率はよくなるのですか?

坂本 はい。トマトジュースも他の加工品と同じです。トマトジュースを使ってスープなどを作るのもおすすめですよ。

相馬 実は私はトマトジュースが苦手なのですが、加熱してトマトスープにしたほうが、そのまま飲むよりも美味しくなりそうですね。ぜひやってみたいと思います。

トマトジュースを使った雑炊などもおすすめとのこと

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紫外線による肌のダメージが気になるこの季節。夏はトマトの旬でもありますので、リコピンを上手に摂取して、お肌のダメージを食い止めたいですね。

※画像提供:キッコーマン/日本デルモンテ

相馬由子 Yuko Soma

ライター

1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。

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