ドラマ化で話題の心理学で迷い解消!

ドラマ化で話題『嫌われる勇気』から学ぶ、アドラー的子育て術〔第3回〕

現在放送中のTVドラマ『嫌われる勇気』(フジテレビ系列・毎週木曜22時〜)。その原案となった書籍には今の日本の常識とは逆なアドラーの教えが描かれています。そこで同書の共著者でアドラー心理学の研究者である岸見一郎先生に、アドラー的子育て術のインタビューをした第三弾。

親は平等に子供を愛することはできない!? 日本的育児にがんじがらめになっている人に響く、本当に対等な親子関係を教えてもらいます。

夫婦間で子育ての考えが違う。どちらの親を選ぶかは子供次第

津島 最近、ママ友からよく聞くのは「私は子供に好きな将来を選択してほしいのに、夫は『どこの学校にいれて、将来は…』」と、夫婦間で子育ての考えが違うこと。こういう場合、夫の考えを改めさせた方がいいのでしょうか?

岸見 改めさせない方がいいですね。親子関係は三角形です。母の接点は、子供と父です。父と子供の接点に母は入れないので、父が子供とどう関わるかは基本的にタッチできまません。

岸見 だから夫婦での考えが違っていても、原則的に相手に「変えなさい」とは言えません。夫婦の考えが一致している方が望ましいですが、それもなかなか難しい。

自分を対等に見ている母か、そうではない父か。どちらの親を選ぶかは、子供です。母親ができることは子供との関係をよくすること。その二人の関係に夫が興味をもったら、あなたの考え方を伝えればいいのです。

津島 母の考えを父に押し付けないということですね。

岸見 母親が子供と対等に接することができていない時点で、父親に「間違っている」と言ったら、夫婦関係が悪くなりますしね。

子供の人生に口を挟むのは親の仕事ではない

津島 アドラーは他者の期待を満たす必要がないと言いますが、親としては期待してしまうもの。子供へ直接「●●になってほしい」とは言わずに、心で思っているだけでもいけないですか?

岸見 そう思っていたら、言葉で出ないとしても、行動は規制するでしょう。子供の人生だから、そこは任せるしかない。でも多くの親は子供の人生に口を挟むのが親の仕事ぐらいに思っている。そういう親に子供が反発するようになる。

私が家庭教師をしていた高校生がいて、彼女の父親が受験に熱心でした。受験情報誌を見て「この大学は偏差値が高いから無理だ。ここはいいけど、地方だから下宿なんて絶対だめだ」って、毎回2時間に渡って説教をしていました。

津島 それはうんざりします。

岸見 子供は説教を聞いていたのですが、ある日、彼女は「私の人生だから、私に決めさせてほしい。もしお父さんがいいと言った大学に行き、大学4年生の時に『こんな大学、入らなければよかった』と思ったら、お父さんは一生私に恨まれますよ」と言いました。それが自立です。自分で選んだことであれば、責任を取れます。でも親の敷いたレールにのせれば、親のせいにしてしまいますから。だから期待しない方がいい。

「こうなってほしいな」くらいは構いませんが、それ以上は口を出さない。

津島 命令形はだめなんですね。

今の親は子供への愛情過多になっている

津島 子供が2人以上になると、また悩みが増えるように思います。兄弟で同じことをしても長子は許せるのに、弟は許せない自分に罪悪感をもつ知人がいます。

岸見 そういうこともあってもいい、くらいの気持ちでいいのでは。子供といえども人間だから、好き嫌いがあってもいい、と。親が子供を無条件に愛せるわけがない。どうにかしようと思ったら、余計にこじれるから、そのままにしておいた方がいいんじゃないですか。

津島 子供を愛せないと母親失格みたいな風潮があります。スキンシップはすればするほどいいとか。

岸見 子供とのスキンシップが大事だと言う人がいますが、アドラーの考えでは必ずしも必要ではない。子供が問題行動を起こしたら愛情が足りないと言いますが、今は愛情過多です。今回のインタビューの質問も全部親が子供の課題を横取りしているだけ。過保護になると、愛されているのに「もっと愛してほしい」と子供は愛情飢餓になります。愛情不足ではありません。

スキンシップも悪くないけれど、したくないなら、しなくていい。

津島 愛情過多かぁ。そのバランスもまた難しいですね。

岸見 子供の個性でも変わるので、この子とはこのくらいの距離が適切、などと分ける方がいいですね。親が関わることを望まない子供もいますし、平等には愛せません。

津島 うーん、やっぱり難しい。

岸見 子供にその都度聞いてみたらいいのです。「今の言い方、どう思った?」とか。そうすると自然に上の子とはこういう関係、下の子とはこういう関係という風に築けます。

津島 確かにいろいろ調べたり、悩むより、直接聞いた方が早いし、最適解が得られますね。

岸見 子供は聞かないと言わないですからねわからないことは子供に聞く

津島 言われてみるとそうなんですが、改めてそう言われると驚きです。もっと子供の本質に向き合った育児をしないといけませんね。

岸見 自分の子供でも一人一人違います。同じことを言っても受け止め方は子供によって違います。面倒とは思わないで、一人一人とじっくり話をして、どんな言葉をかけたらいいのかを探していかなければなりません。

最終回となる次回は、ママ友や実親との付き合い方をうかがいます。

お話をうかがったのは、岸見一郎先生

哲学者、日本アドラー心理学会認定カウンセラー・顧問

1956年京都府生まれ。高校生の頃から哲学を志し、京都大学大学院文学研究科博士課程満期退学後、1989年よりアドラー心理学を研究。精力的にアドラー心理学や古代哲学の執筆、講演活動、精神科医院などでのカウンセリングを行う。

嫌われる勇気 自己啓発の源流「アドラー」の教え

岸見一郎、古賀史健/ダイヤモンド社 ¥1500

フロイト、ユングと並び「心理学の三大巨頭」と称されるアルフレッド・アドラーの思想(アドラー心理学)を、「青年と哲人の対話」という物語形式で紹介。欧米で絶大な支持を誇るアドラー心理学は、「どうすれば人は幸せに生きることができるか」という哲学的な問いに、きわめてシンプルかつ具体的な“答え”を提示します。

自分自身だけではなく、育児にも応用できる“答え”も数多く掲載。あなたが、あなたらしく生きるためのヒントを与えてくれます。

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