LIFE

初めての「雪育」

【第3回】北海道トマムで雪国ならではのダイナミックな雪遊びを体験

  • 相馬由子

2017.02.11

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極寒の冬の自然を体験することで子どもの感性を刺激し、成長を促す「雪育」をご紹介してきたこのシリーズ。実際に「雪育」を体験すべく、スキーシーズン真っ只中の北海道トマムへ、4歳の娘と一緒に行ってきました。そこには、今まで見たこともない雪と氷の世界が! まずは、小さい子ども連れでも楽しめる多彩なアクティビティをご紹介します。

真ん中に暖炉がありくつろげるリゾナーレトマムのロビー

今回お邪魔したのは、北海道のほぼ真ん中あたりにある「星野リゾート トマム」。広大な敷地の中に、2つのホテル(ザ・タワーとリゾナーレトマム)、豊富なコースがあるスキー場、屋内プール、約20店舗のレストランなどがあります。

雪の中をお散歩&雪の中のテントでスイーツ作り

まず私たちが向かったのは、GAOアウトドアセンター。ここでは、スノーシューやスノーラフティング、クロスカントリースキーなど、様々なアクティビティを体験することができます。

その中で特にファミリーに人気というバームクーヘン作りにトライ。スノーシューを履いたら、雪原に設置されたテントまで10分ほど歩きます。

娘は、スノーシューを履くのを嫌がったため、圧雪された雪の道をガイドさんとお散歩

到着したのは、「コタ」と呼ばれる移動式のテント。この中で、炭火でバームクーヘンを焼いていきます。

炭火でのバームクーヘン作りは、用意されている竹の棒に、バームクーヘンの生地を薄く塗って、炭火の上にかざしてクルクル回しながら焼き、固まったらまた生地を塗って焼く、を繰り返していきます。

10回~12回ほど繰り返したところで、程よい太さになりました。時間にして約30分~40分。単純作業の繰り返しが面白く、子どもより私のほうが夢中に。娘は途中でスタッフの方と一緒に雪遊びをしに行ってしまいました

さて、できあがったバームクーヘンを切ってみると、きれいな層になっているではないですか! 最後に、みんなでバームクーヘンと温かい紅茶をいただきました。焼きたての温かいバームクーヘン、最高です!

極寒の地ならでは! 夕方からオープンする「アイスヴィレッジ」

星野リゾート トマムでは、夜になると気温はマイナス20度ほどまで下がります。そんな極寒の地ならではの冬のイベントが、期間限定でオープンする氷の街「アイスヴィレッジ」。氷でできた9つのお店やアイスリンク、氷の滑り台、氷のホテル、氷の教会などがあり、毎日夕方からオープンします。

夜はかなり冷え込むということで、スキーウェアの中にフリースやインナーダウンを着込んで出かけました。ホテル「ザ・タワー」から歩いて10分ほどで、アイスヴィレッジ全体を見渡せる展望台に到着。美しくライトアップされた氷の街がキラキラと輝き、まるでメルヘンの世界!

まずは焼きマシュマロがいただけるというスノーマシュマロファクトリーへ。お店の前に設置されたファイアープレイスで、ゆっくりとマシュマロを焼きます。あまり火に近づけすぎないようにして上手に焼くと、外はカリカリ、中はトロッとした食感に!

ほどよい焼き加減をつけるのは、なかなか難しい! よそ見をしていると、すぐ焦げちゃいますよ

お隣にはホワイトチョコレート専門店もあります。好きなアイスバーを選び、温かいホワイトチョコレートに浸して、固まったところを食べるホワイトショコラアイスバー作り。気温が寒いので、チョコレートはあっという間に固まります。

氷でできたお店の中で、氷のベンチに座って食べるアイスバー。そう聞くとものすごく寒い気がしますが、厚着をしてしばらく歩いて来た後なので、それほど寒くありませんでした。でも、気温は0度以下なので、アイスはまったく溶けません(笑)。

氷点下の中で食べるアイスもまた格別ですよ!

真冬ならではの体験「雪の結晶のキーホルダー作り」

次に訪れたのは雪氷のアトリエ。ここでは、氷のグラス作りと雪の結晶キーホルダー作りの体験ができます。今回は、雪の結晶キーホルダー作りに挑戦。まず、黒い板を持って外へ行き、降ってくる雪をその板でキャッチ。それを、絵の具の筆を使って静かにプラスチックの型の中に移し、そこに特殊な液体を流し込んで固めます。これにストラップをつけてキーホルダーに。

降ってきた雪の結晶を、そのまま閉じ込めるなんてロマンチックですね

ちなみに雪の結晶は気温や湿度によって形が変わり、マイナス10度くらいが一番きれいな形になりやすいそう。気温や湿度によっては、結晶が取れない日もあるそうです。

そのほか、ヴィレッジ内には氷のホテルもあり1日1組2名限定で宿泊体験ができます。マイナス30度まで対応可能な寝袋が用意され、その中で眠るそうです。17:0022:00はホテル内の見学も可能。

 

宿泊体験は、星野リゾート トマム内の2つのホテルに宿泊している方のみです



屋根付きのソリに乗って、夜の森をクルージング&ディナー

さて、お楽しみのディナーは、なんとソリに乗って森の中にあるレストランへ。その名も「ナイトスノークルージング」です。スレッジキャビンと呼ばれる、囲いがついた大型のソリに乗り、それをスノーモービルで引っ張ってもらって進むのです。

こちらがスレッジキャビン。囲いがついているので乗っていてもそれほど寒くないです

静まり返った冬の夜の森。その中を進むのは探検気分。森を抜け、途中から誰もいないゲレンデをスピーディーに進み、大人も子どもも大興奮でした。

着いたのはログハウスのような素朴な雰囲気のレストラン「Mt.Cafe RAP」。ここでいただくのは、チーズを焼いて、お肉や野菜に絡めていただく「ラクレット」というスイス料理です。野菜もお肉も、素材はほとんどが北海道産だそうで、新鮮な素材の味を存分に味わえるお料理でした。

前菜は北海道産のベーコンや、野菜のピクルスなど5種類の盛り合わせ。メインには、焼いたチーズと一緒に、ローストポークや茹でた野菜をいただきました

朝はゴンドラで山頂へ。1088メートルの絶景を堪能

翌朝はゴンドラで1088メートルに位置する霧氷テラスへ行ってみました。ここでは「霧氷(むひょう)」と呼ばれる不思議な風景を見ることができます。霧氷とは空気中の水蒸気や霧が凍って木の枝についたもの。気温の低い場所でしか見ることができません。この日も山頂付近は朝8時過ぎでマイナス13度でした。

晴れていればトマムのリゾート全体を見渡しながら、クラウドウォークというデッキまで200メートルほどの雪山散歩を楽しめます。

今回は残念ながら雪が降っていましたが、晴れていればこんな景色!(画像提供:星野リゾート トマム)

また、霧氷テラスに隣接する「てんぼうかふぇ」では、温かい飲み物やスイーツの販売も。

霧氷をイメージした飴細工が乗った霧氷コーヒーと、マシュマロを使ったスイーツ・霧氷スモア

関東で暮らしていると、なかなか体験することができない氷点下の世界。パウダースノーの上を歩く「キュッキュッ」という不思議な感触、白い息、肌に突き刺さるような寒さ、朝窓を開けた時に見える真っ白な風景など、見るもの感じるものすべてが新鮮で、大人でも好奇心を刺激されます。

次回は、3歳から体験できる子どものためのスキーレッスンや、ゲレンデでの雪遊びをレポートします。

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星野リゾート トマム

北海道勇払郡占冠村中トマム

アイスヴィレッジ開催期間:20161210日~20173月中旬

(氷の教会2017114日~2017219日/氷のホテル2017114日~2017228日)

相馬由子 Yuko Soma

ライター

1976年、埼玉県生まれ。夫と7歳の娘との3人暮らし。編集プロダクション、広告系出版社を経て独立。ウェブ、雑誌、書籍などで編集、執筆を手がける。最近では、子育て、アウトドア、旅、食などのテーマを担当することが多い。合同会社ディライトフル代表。

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