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佐々木はる菜

【小学校入学準備講座レポ】親が心がけたいポイントは3つだけ!具体的な変化や準備もレクチャー

  • 佐々木はる菜

2021.03.04

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我が家には4月に小学校1年生となる娘がいます。
わからないことだらけだった長男の時(初入学時の体験談はコチラ)と比べると気持ちに余裕があるものの、やはりコロナ禍というのは大きな変化です。
実際この1年は学校行事や保護者会、PTA 活動、地域イベント等もほとんど自粛となりました。その状況下で昨年新入生の親となった方々は新しくコミュニティを築くきっかけが少なく、他の学年以上に戸惑いが多かったといい、周りのママ友からもそんな不安の声をよく耳にします。

そんな中で今回、「小学校入学準備講座 with コロナ時代 4月の迎え方」という講座に参加してきました。

主催者である、株式会社ママプロジェクト Japan 代表取締役 岩田かおりさん。第一子、第二子を塾に入れずに都内の国立小学校へ合格させたのち、幼児教室勤務やそろばん教室運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」という想いから独自の教育法「かおりメソッド」を開発。大手企業講座、雑誌やラジオなどメディアでも活躍中、18歳・16歳・12歳の1男2女を育てるママ。

一番大切なのは「親が不安にならないこと」!

どんな変化が起こるか知ることで、不安が解消する

これまで5000人以上の親子の悩みに伴走してきたという岩田かおりさん。

「小学校入学前に親がやるべきことはそんなに多くありません。子どもたちが環境の変化を乗り越え楽しく学校へ通うためにまず大切なのは、不安にさせないこと!子どもは親の不安に敏感です。『あれもこれもできるようにしておかないと』と親が気負いすぎたり過剰に心配してしまったりすることはむしろ逆効果で、子どもたちの不安を駆り立てる原因になってしまいます。コロナなどご心配も多いと思いますが、こういう時期だからこそまず、親がどっしり構えることが大切です!

どんな変化が起こるのか、何を準備しておけば良いかがわからないから怖いし不安になる。
だからこそ、これから生活がどう変化するか、新入学時の課題、そしてその乗り越え方や保護者ができることなどを具体的に知っておくことが大切だというお話には、非常に納得感がありました。

入学を期に訪れる「変化」、内容と対策は?

1日のタイムスケジュールの変化&放課後は余白を

入学後に大きく変わるのが1日の動き。自力で登下校することはもちろん、友達を作って自分で遊ぶようになる、宿題のフォローがタスクとして増えるなど大小様々な変化が起きます。

幼稚園出身の場合は「長くなった」、保育園出身の場合は「短くなった」など変化の感じ方も人それぞれ。子どもが家を出る時間が自分の出勤時間よりも遅くなる方もいるかも。

特にポイントとなるのが放課後の過ごし方だといい、これは長男の入学後に私自身も強く感じたことでした。
新生活が始まってしばらくは、たとえ毎日楽しそうに過ごしていても想像以上に疲れているため、家でのんびりするような時間も必要だと思います。

「放課後の過ごし方で私が大切に考えているのは『安全・余白・自立習慣 』の3つです。習い事をぎちぎちに入れたり、心配のあまり全ての動きを管理しようとすると、子どもは指示待ち人間になってしまいがち。 人がクリエイティブになるには余白が大切で、ちょっと余裕があるからこそ 『これに挑戦してみよう!』という気持ちが生まれます。」

年間スケジュールは早めに把握&長期休み対策も

入学時に配られる年間スケジュール表は早めに確認し、例えば運動会の時期や兄弟姉妹との兼ね合い、長期休暇の過ごし方などある程度計画的に考えておくことも大切です。

「カレンダーの休日以外に学校特有のお休みもあるので、特に仕事している方は注意!公的学童の預かりは最長19時まで、更にコロナ対応などで閉鎖の可能性もあるので民間学童も登録しておく、また長期休みは親の息抜きや子どもの成長を考え適宜キャンプや合宿などを利用してみるなども選択肢の一つです。 」

「withコロナ」だからこそ心がけたいこと

当日もオンラインで開催。後半の質疑応答タイムでは、参加者された保護者の方々からたくさんの質問があがり、盛り上がっていました!

コロナ禍の昨年出てきた大きな変化を表すキーワードとして挙がったのが「行きしぶり ・友達作り ・安心感」でした。入学式後にしばらく休校が続いたことや、新しく出会う人がみんな顔を半分マスクで覆っている状態にドキドキしてしまい、行きにくいと感じる子も多かったといいます。

「このまま学校に行けなくなるのでは、学習が遅れてしまう、など心配が膨らむと思いますが、焦らず追い立てないことが大切です。『途中まで一緒に行こうか?』と声をかけたり、近所のお兄さんお姉さんに一緒に行ってもらうなど、ゆっくり対応すればOK。」

また、コロナを気にして「お友達に触れてはダメ!」と伝えたことで、お子さんがクラスメイトとどう接して良いかわからなくなってしまった…など親が過敏になりすぎると、その不安が子どもに伝染してしまい逆効果だというお話もありました。

「私がオススメしているのは『名簿作戦』『おうちでのボディタッチ』です。
最初に配られるクラス名簿で自分の名前の前後にいるお友達は席が近い可能性が多いので、『この子のお名前可愛いね!どんな子だった?』など声がけすることで、周りに興味を持つことや、子ども達が学校のお話をしてくれるきっかけ作りになります。
また以前は『帰る前に握手!』など学校内でも触れ合いを通して距離を縮めることができましたが、先生方も色々気を遣っています。 その分おうちの中では、例えば一緒にお風呂に入る、ソファで肩を組むなどボディタッチをたくさんしてあげてほしい。家で安心安全を感じると、もし外でそれが不足していたとしても補われて、困難を乗り越える力となります。

準備しておくことは多くない!

入学前の相談で多いのが、文字や数などをどこまで理解させておけば良いかという悩み。

「入学したら是非、配られた教科書の中身を見ていただきたい!『これを1年かけてやるの⁈』と大笑いしてしまうくらいの内容だと感じる方が多いと思います。1年生は慣らし期間みたいなもので、1年間かけて学校へ行くことに慣れる時期です。事前準備も無理やり勉強させるのではなく『1年生になった時に学校をより楽しめるように』という視点を大切にされてくださいね。」

そんな言葉と共に教えていただいた準備のポイントをお伝えしていきます!

入学前の準備【勉強編】

①アナログ時計で時間がわかるように

「◯時にこれが始まるよ」「◯時までにこれをしてね」という指示が増えるのが小学生。

学校にあるのは全てアナログ時計なので、それを読める状態で入学すると、生活により馴染みやすくなると思います。教える時は”見たまんまを一緒に口にする”ことがポイントで『長い針が12、短い針が3だから、3時~』などと言っているうちに自然と覚えていきますよ」

定時に音が鳴る時計は、時間を学ぶきっかけになりやすいそう。また「はい、時計見て!今何時?!」などと詰め寄らないことも大切だとか(笑)「お子さんそれぞれのタイミングで絶対に読めるようになるので、それまでは楽しく一緒に声に出してあげてください」

②ひらがなで遊んでおこう

文科省から「入学前にひらがな書けるようにしておく」という通達はなく、基本的には学校に入ってから学べば大丈夫だといいます。ただ、ひらがなに親しんでおくと学校での学びがより楽しくなることも事実。

「園児さんのうちはとにかく楽しく書くことが大事で、上手く書けないものを練習!五十音書けるように!と無理やりかかせると嫌いになってしまいます。ひらがなを好きにさせたいならば、まず自分の名前や、『今日のおかずの”きんぴらごぼう”を書いてみよう!』など遊び感覚でちょっとずつ取り組んでみてください。」

「今はネット上や100円ショップなどにも教材となるものがたくさんあります。あまりお金をかけないことも親が気楽に取り組むポイントではないかと思います。」マグネットになっている文字を冷蔵庫や洗濯機に貼って読み合う、お風呂の壁に貼れるタイプの表に水鉄砲を打って、当たった文字を読むなど、とにかく楽しませる工夫が大切!

③数字や計算に親しむ

「文字と同じで、計算ができるようになっておく必要はないと思います。ただ数の概念を学んでおくことは今後の学びに繋がります。それにはまず、何度も数を数えることが大切!子どもは正直で自分にメリットを感じない物は興味を示さないので、私はお菓子や食べ物を活用していました。大袋のお菓子や大皿の食べ物を兄弟姉妹分や家族の人数分に分けてもらうのですが、絶対に損をしたくないので真剣に考えますよ(笑)」

もちろん家族でゲームをする、お風呂で教材を見ながら1から10まで数えてお湯から上がるなども、数の概念を身につけるためには有効 。

入学前の準備【日常生活編】

留守番の練習 ・習い事 ・熱中するものと出会い

「保護者会や一人で行けばすぐ終わるちょっとしたお買い物…お留守番に関しては、少しの時間できるようにしておくと、自分自身が楽になります。最初から1時間など長くすると帰ってこないことに不安を感じ嫌がるようになってしまうので、練習は短時間から始めることがポイント。私の場合は最初10分から始めました。テレビのリモコンを渡して『お留守番の間は見放題!』と言うと、子どもは『わーい!!』となり、10分で帰ってくると『もう終わり?』とがっかりすると思います。」

また、放課後の時間はお子さんそれぞれの「やりたいこと」を深めるチャンスでもあり、やはり習い事はうまく活用すると新しい出会いもあるし、手が離れる分、親も楽です。

「熱中できるものとの出会いがあると、放課後が本当に充実したものになります。まずは得意なものを選ぶことが大切で、『字が苦手』だから書写に入れる!など苦手克服系ではなく、放課後を楽しく過ごせるものを一緒に考えてあげてくださいね。」



親が気をつけたい3つのポイントって?

たくさんの親子と向き合ってきた経験から”今は教育にまつわる情報が多すぎて混乱されてしまう方が多い”と話すかおりさんが提唱するのは、親が子どもを追い詰めない「戦略的ほったらかし教育」!現在はオンラインも活用しながら、様々な発信を続けています。

今回のセミナーで繰り返し出てきたのが「子育てをする上で1番大切なのは、親が安定していること。そうすれば子どもたち安心してすくすく育ち、新しい環境に飛び込んだり、勉強したりと自ら色々なことを学び吸収してきてくれる」というお話でした。
大きな変化を前に親である私たちが心がけたいこと、最後に3つのポイントとしてまとめてみます。

ポイント①子どもが自分で動きたくなる声がけを

小学生になると子ども自身でやることが格段に増えるため、つい先回りして色々言いたくなります。でも「◯◯しなさい」という指示管理や口うるさい注意は、子どもの自発性を奪うことになってしまうといいます。

「例えば子どもが宿題をやり始めた側から『鉛筆の持ち方!姿勢!足ぶらぶらしない!いつまでやってるの?』などとつい言ってしまうこと。確かに姿勢などは大切ですが、あまりごちゃごちゃ言っていると、勉強自体が嫌いでなくても勉強することが嫌いになってしまいます。あとは『これができないと小学生になれないよ!』といったアプローチもNG。 私たちも、もし出産前に病院で助産師さんから『ちゃんとしたママになれないよ』と言われたり、夕飯の準備をしようとしていたら『包丁の持ち方!いつできるの?』などと言われたら…絶対嫌ですよね(笑)」

ポイント②4月に「新しいこと」を始めない

習い事などもつい新たに始めがちな4月ですが、新入学の子ども達にとっては新たな生活に慣れることで精一杯な時期。

「新しいことが一気に走り始めると子どもも混乱してしまうので、習い事だけでなく家庭内のルール変更なども4月に変えず、3月のうちに変化を加えたり慣れて来た5月に変えたりといった段取りを親の方で考えておく事をオススメしています。

また可能であれば親自身も仕事などに余裕を持たせておけると良いといいます。

「学校の準備など最初から自分でできるなんてありえないので、初めのうちは気長に見守りながら一緒にやってあげることが基本となります。そういった生活や宿題、そして子ども達の『無駄話』にも付き合える自分の心の余裕を作っておくことは、新生活を親子で軌道に乗せていくために重要だと思います。」

ポイント③自分の軸を持ち、新しい環境を前向きに捉える

最後に、親自身も新生活を前向きに受け止める意識の大切さについてお話がありました。

「親の言葉は絶大で、お子さんも自分と同じように感じるようになります。是非子どもの前では担任の先生や学校についての良い部分を口にされてください。また実際に小学校生活が始まると先生についての評価など色々な噂を聞いたりすることもあると思います。ただ、同じもの食べても美味しい美味しくないは人それぞれだということと同じなので、他人の話ではなくご自身の目や耳で得たことを大切にし、振り回されないように心がけると良いと思います!」

また「親も心を許せる知り合いを見つけられると、小学校生活がより楽しくなる。無理をする必要はないが、みんなエンジンがかかっている4、5月のうちに、保護者会などで連絡先交換しておくと良いのでは」という言葉にも、いち小学生ママとして共感しました。急な体調不良の時に連絡帳や宿題を届けあう、ちょっとした質問をしあえる、そんな知り合いができると心強く、やり取りの中で学校の様子を知る機会も増えると感じます。

「もっとも大切なのは、親自身が安定していること。」

必要以上に心配しないためにも、今回の講座体験レポなどを参考に、お子さんと一緒に楽しみにながらひとつずつ準備を進めていってくださいね。
皆さんの小学校生活が素晴らしいものになるよう、お祈りしています!

 

かおりメソッド-ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる!

佐々木はる菜 Halna Sasaki

ライター

1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。

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