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【NYで子育て】コロナ禍のハロウィンは工夫満載

  • 田辺幸恵

2020.11.08

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父娘の共同制作ジャック・オー・ランタン。今年はやっぱりマスク付きのコロナバージョン。夜はキャンドルを入れてました。くり抜いた種は473個!


10月31日は、子供たちにとっての大イベント「ハロウィン」! 今年はコロナ禍のため、マンハッタンで毎年行われるアメリカ最大規模の「ハロウィン・パレード」や、娘が通う学校での「秋祭り」も三密になるため中止に。おうちハロウィンかなと思っていたところ、そこはタダじゃ終わらないニューヨーカー(笑)。アメリカ人ママから「一緒にトリック・オア・トリート行かない?」とお誘いが! 友達も一緒ならと街中へ繰り出してみました。

 

お菓子もソーシャルディスタンス

ハロウィンといえば、「トリック・オア・トリート」

「お菓子をくれないといたずらするぞ」と言いながら個人宅やお店に行き、お菓子を手渡ししてもらっていましたが、今年はCDC(米疫病対策センター)が安全のためのガイドラインを発表。

マスク着用、お菓子を手渡ししてはいけない、可能であれば野外に個包装されたお菓子を置く、などこれに沿った「新方式」になっていました。玄関の前にお菓子が入った大きなボウルがあったり、門の上に置いてありもらっていくパターンも。

門の上に置かれたお菓子たち。家主の女性は「2個でも3個でも持っていってー」と太っ腹。

 

こちらはいくつかのお菓子を小袋に入れてくれてるパターン。「欲しかったら取っていいけど、フェアに!ひとつだけ!」

こちらのお宅では、2回のベランダから紐に洗濯ばさみで取り付けたお菓子袋を吊り下げてくれます。新しい仕組みに子供たちは大喜び。

本格的なデコレーションをしているこちらは、かぼちゃ型のバケツにお菓子が入ってて、そこからもらうパターン。

毎年思うけど、ハロウィンの飾りだけで、地下室がいっぱいなんじゃないかと・・・。

 

今年多かったのが、筒にお菓子を転がす流しそうめんならぬ「流しキャンディー」。ちょっと大きめのお菓子を入れると筒の中でつまり、「おかしいな、これはもう流さないぞ」と家主のパパも試行錯誤の様子でしたが、それがまた微笑ましい。

息子くんはウッディーに。脚立と階段を使って段差を作ってお見事!

筒の出口に子供たちが自分のバケツや袋を用意すれば、そこにポトンとお菓子が落ちてきます。今や配達もコンタクトレスが主流ですが、トリック・オア・トリートもコンタクトレス。本当にみんなクリエイティブです! 

今年は1度ほどまで冷え込んだ真冬並みの寒さだったので、長い筒を用意してくれていたこちらのおうちは、焚き火も。

 

商店が立ち並ぶメインストリートでは、お菓子を置かないお店も多く、入り口に張り紙をしているところもありました。

「お菓子はありません」と張り紙を出していたペットショップ。

娘がもらったお菓子の量は例年の3分の1ほどと少なめでしたが、それで十分。数ブロックおきにみんなでハンドサニタイザーをし、例年はもらったらすぐ食べてましたが、今年は我慢しました。

 

「ハッピー・ハロウィン」から「セーフ・ハロウィン」に

付き添いの私たち大人もお菓子をくれた家主やお店の人に「ハッピー・ハロウィン!ありがとう!」と声をかけていきますが、今年は帰ってくる言葉が「Be safe! (気をつけて!)」とか「セーフ・ハロウィン!(安全なハロウィンを!)」に。

でも、このちょっとしたお互いを思いやる言葉が結構じんわりくるんです。ニューヨーク州はマスク着用が義務化されており、今までスーパーのレジやコーヒーを買うときにちょっとした会話ができたけど、英語ネイティブじゃない私には、マスク越しの会話がどうも苦手。「え?」って聞き返しちゃうし、レジのお姉さんもコーヒー屋のお兄ちゃんも無駄な会話はしないようにしているのか、無言だったりするし、なんかさみしい限りだったんです。

それがハロウィンで街に出ると、お互いを気遣うような言葉が多くて、やっぱりこれがニューヨーク!「今年はあんまり人が来ないからお菓子が余る」といって、道の反対側から手を振って呼んでくれたおばさんもいたり、ご近所さんとも久々に交流できた感じがして、とっても心温まるものでした。

そして忘れてはいけないのが、大統領選。今年はデコレーションとともに、支持する候補者の名前が書かれたバナーを掲げるお家が多かったです。

 

こちらも「バイデン、ハリス2020」。2階ベランダのへびは、80年代の人気映画「ビートルジュース」に出てくるキャラクターです。

私が住むニューヨーク市クイーンズ区は、市内で最も多様性にあふれた町。見かけた看板の全部が「バイデン&ハリス」の民主党コンビでした。

 

ジャック・オー・ランタンは堆肥に

また、「トリック・オア・トリート」と並んでこの時期に欠かせない「ジャック・オー・ランタン」。かぼちゃのタネをくり抜き、顔などを作るものです(くり抜いたかぼちゃの種は、こんがりローストすればいいおやつ・おつまみになります)。

今年は冒頭の写真のものを、父娘合作で作りました。毎年腐るまで飾って捨てていましたが、近所の公園でかぼちゃを集めて、公園の木の堆肥にしよう!というイベントを発見。ハロウィン翌日に大きなカボチャを抱えて行ってみました。

カボチャを投げて割り、スコップやハンマーなどで細かく砕きます。

誰が遠くまで飛ばせるかコンテストも。「空飛ぶかぼちゃに気をつけて!」と看板が出ていました(笑)。もちろんマスク着用&ソーシャルディスタンス徹底です。

細かくしたカボチャは、そのまま木の根元へ。これが「堆肥」となって木の成長を支える栄養になるんだとか。そのまま置きっ放しでいいといのも、なんか大雑把なアメリカらしいですよね。

木の根元に細かくしたかぼちゃを。ちゃんと堆肥になりますように!

コロナ感染拡大の第二波が懸念されるニューヨークですが、ウィズ・コロナでのハロウィンはみんなの工夫満載。思い出深いものになりました。

田辺幸恵 Sachie Tanabe

ライター/ライフコーチ

1979年、北海道生まれ。スポーツ紙記者を経て2006年にアメリカへ。2011年にニューヨークで長女を出産。イヤイヤ期と仕事の両立に悩みコーチングを学び、NPO法人マザーズコーチジャパン認定講師に。趣味は地ビール探しとスポーツ観戦。夫と娘(8歳)の3人家族。

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