たまーにしか運転しないペーパードライバーのため、車内での定位置は助手席か後部座席です。だから車で気になる部分は乗り心地やインテリア。内装に関して日本車は外国車にリードされている先入観があったのですが、快適かつインテリアもおしゃれなモデルをマツダで見つけたのです。体感するべくママ友と1泊2日の試乗会へ伺ってきました。
家族4人で乗っても広く感じる、こだわりの車内デザイン
その車とは「マツダ CX-30」。シャープな顔つきで男性が好みそう。でも乗ってみるとインテリアの随所に女性らしいセンスが。全体的に曲線が多用され、工業製品にはない柔らかさがあります。SUVに分類される車ですが、内装は外国車のような優雅さ。
まず目に入るのがオフホワイトのシートと天井。5人乗りの比較的コンパクトなモデルなのに、白系のシートだと車内が広く見える!
裏側など一部を除いて人の体の触れる部分は本革を使用し、子どもの食べこぼしなどをさっと拭き取れる点もママ的には◎。ダッシュボードやコンソールボックスにはレザー調素材があしらわれていますが、ブラウンのため柔和な雰囲気。
淡い色を多用した理由を、マツダ商品本部の主査である佐賀さんに尋ねました。
「乗っている時に目に入るのって、ほぼインテリアですよね。ママならご家族と乗ることが多いでしょうし、複数人で乗ると車内が広々と見えたほうが快適でしょう。そんな思いから、オフホワイトや他のモデルではグレージュといった奥行きの出る色を採用しました。車内ですごすとき、だいたい会話をされていますよね? 明るい色のほうが気分も上がるし、楽しい雰囲気を演出できる内装を心がけました」(佐賀さん)
インテリアへのこだわりは、こんな細部にまで発揮。
「内装を担当したのは弊社のドイツにあるデザインチームで、曲線のRのつけかたまで微に入り細に入りという感じですごかった(笑)。快適性を重視してフェイクレザーを使用している部分はありますが、リアルさはとことん追求しています。本革が持つ経年変化を表現するための加工をしたり、本革同士を縫い合わせると重なった部分が盛り上がるのを再現したり。またステッチに手が当たったときに痛くないよう、よく触れる部分は糸を細くする工夫もしています」(佐賀さん)
女性の感性を反映したインテリアは、イタリアやフランスで予想以上の売れ行き
シャープなエクステリアに優雅なインテリアを共存させた理由は「マツダ CX-30」を開発するにあたって、こんな思いがあったからだそう。
「お子さんが生まれて、それまでの生活スタイルとはガラッと変わったご夫婦が共用できる車を目指しました。スポーツカーが好きな男性も結婚すれば、多くはファミリカーに乗り替えます。だけどかっこいい車に乗りたい願望は持ち続けている。女性はエクステリアより内装に関心が高く、インテリアへの感度が高い。でもご夫婦ともにファミリーで乗れる車を求めている。それらのニーズを踏まえ、かつグローバル展開するモデルでもあるので、世界中の人に受け入れられるデザインを心がけました。おかげさまでインテリアが評価され、予想以上にイタリアやフランスでの売り上げが好調なんですよ」(佐賀さん)
インテリアはファッションや家具を参考にして、女性の意見や感性を大事にしているそう。インテリアデザインチームには多くの女性が活躍しているとのことで、なんか勝手に親近感。
座ったときもゆったりしているし、自宅のリビングにいるような落ち着いた気分になれるのも、女性デザイナーたちの意見が大いに反映されているからなのでしょう。
インテリアの魅力をお伝えした今回に続き、後編では運転のしやすさなどの性能面の魅力に迫ります。
お話をうかがったのは、佐賀尚人さん
1992年にマツダに入社し、2001年に初代「Mazda3」の開発主担当を担う。2006年には「CX-7」の主査スタッフとなり、2017年より商品本部で「マツダ CX-30」の開発主査を担当している。
「マツダ CX-30」公式サイトはこちら!
撮影/鮫島亜希子(nomadica)
津島千佳 Tica Tsushima
ライター
1981年香川県生まれ。主にファッションやライフスタイル、インタビュー分野で活動中。夫婦揃って8月1日生まれ。‘15年生まれの息子は空気を読まず8月2日に誕生。