映画ライター折田千鶴子のカルチャーナビアネックス

詩情あふれるカザフスタン映画『オルジャスの白い馬』 主演女優サマル・イェスリャーモワさんに聞く

大草原を舞台にした父と子の物語

どこまでも広がる大地と続く大空、駆け抜ける馬のいななき、乾いた風が揺らす牧草……。父親を喪ったばかりの少年と、本当の実父は自分だと名乗れない男が、大草原を舞台に信頼を育んでいく――。

スーッと心に入って来て、情景や感傷が後から何度も脳裏によぎるような、ステキな映画がカザフスタン(日本・カザフスタン合作)からやってきました! ぎこちなく近づいていく実父と息子の物語『オルジャすの白い馬』は、LEE読者の方々の琴線にもバッチリ触れる作品だと思います。ぜひ注目を!

『オルジャスの白い馬』
監督・脚本:竹葉リサ、エルラン・ヌルムハンベトフ
出演:森山未來、サマル・イェスリャーモワ、マディ・メナイダロフ、ドゥリガ・アクモルダほか
2019/日本・カザフスタン/81分/配給:エイベックス・ピクチャーズ
公式HP:orjas.net
©『オルジャスの白い馬』製作委員会
2020年1月18日(土)より新宿シネマカリテほか全国ロードショー

しかもW主演を務めた森山未來さんが、全篇カザフ語で少年の実の父親役を熱演されています。今回は、森山さんと共にW主演を務めたカザフスタン出身の女優さん、サマル・イェスリャーモワさんにお話をうかがいました。

サマル・イェスリャーモワ
1984年9月1日、カザフスタン出身。カザフスタンを舞台にした5か国合作映画『トルパン』(08)で映画女優としてのキャリアをスタート。同作は東京国際映画祭で東京サクラグランプリ(最高賞)、最優秀監督賞を受賞。『アイカ』(18)でモスクワに不法滞在する移民女性を演じ、カンヌ国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した。国際的に広く活躍中。  写真:細谷悠美
<物語>少年オルジャスは、広大な草原の小さな家で、家族と暮らしています。ある日、馬飼いの父が市場に商いに行ったきり、待てど暮らせど帰って来ません。実は、2人の仲間と共に草原で強盗に襲われ、殺されていたのです。そんな大黒柱を失った一家の前に、8年前に失踪したオルジャスの実父・カイラート(森山未來)が現れるのですが――。

 

いきなり夫を喪う窮地に!

――サマルさんが演じられたオルジャスの母・アイグリは、夫が強盗に襲われて殺されるという衝撃の事件に遭います。映画の序盤でいきなり事件が起こり、驚きました!

「アイグリは非常に夫を深く愛していたと思います。というのも彼は、オルジャスが自分の子ではないと知りながら、自分の子供として可愛がって育てている、とても立派な人だからです。彼女はそんな夫を深く愛していたし、これからも愛し続けていくのだと思います」

――一家の大黒柱を亡くして窮地に立たされ、悲しみに沈むアイグリが、亡き夫の姉や母親らに激しく責め立てられることに驚きました。傷ついたアイグリが、なぜ?と。

「アイグリがカイラートという別の男と別れた後、現在の夫と再婚したということ自体、元々夫の家族が快く思っていなかったからでしょう。この女と結婚し、そして死んでしまった。愛する息子(あるいは兄/弟)の死は、アイグリのせいだと思われているのです。市場へ行けと言い出したのも、きっとアイグリに違いない、つまりこの女が不幸をもたらしたのだ、というそしりを受けているのです」

 

一家の遊牧生活の暮らしぶりや住居など、どのシーンも興味深いことばかりですが、アイグリとオルジャスを含む遺された3人の子供たちは、亡き夫の家族も暮らすこの地で暮らしていけなくなり、別の町へと引っ越すことになってしまいます。そこへ偶然、フラリとカイラートが現れるのですが――。

 

暮らしのヒント/ひとり時間 最新の記事

ひとり時間をもっと見る

LIFEをもっと見る

LEE100人隊をもっと見る

LEEメンバーになって
お気に入りの記事をCLIPしましょう!

LEEメンバーになると何ができるの?
会員限定記事が読み放題
マイページにお気に入りの記事リストが作れます。
プレゼントやイベント、セミナーに応募できます。
人気連載などにコメントができます。
お得な情報が満載のメールマガジンをお届けします。

メンバー登録はこちら

すでにメンバーの方はこちら

ログイン

LEEメンバーになって
お気に入りの記事をCLIPしましょう!

LEEメンバーになると何ができるの?
会員限定記事が読み放題
マイページにお気に入りの記事リストが作れます。
プレゼントやイベント、セミナーに応募できます。
人気連載などにコメントができます。
お得な情報が満載のメールマガジンをお届けします。

メンバー登録はこちら

すでにメンバーの方はこちら

ログイン