飯田りえ

まずは憲法を知るところから。子どもと憲法ボードゲーム体験会へ!

みなさん、憲法についてどのぐらい知っていますか?

正直、私は教科書に書いてある2~3行の説明ほどの薄い知識しかありませんでした。

特に、参院選を控えている今は、争点ともなる「憲法改正」「憲法九条」のニュースをよく目にしますよね。でも、憲法自体を日常的にほとんど意識したことがないので「どれぐらい大事なのか」「どれぐらい私たちの生活に影響してくるのか」が実感として湧いていないのが実際のところ。そんな私でも「知らないまま、もし憲法が変わってしまっても大丈夫?」と危機感を覚えるのです。

まずはもっと知る必要がある。そう思った矢先に「憲法ボードゲーム」に出会いました。

ゲームを共同製作されたのは「明日の自由を守る若手弁護士の会」(通称あすわか)とボードゲーム開発者の安藤哲也さん。(詳しくは前回記事「もし日本に憲法がなかったら?憲法ボードゲームで遊びながら親子で学ぼう」を参照ください)。

ボードゲームで遊びながら、身近にある憲法をもっと知ってもらおう、と制作委員会が立ち上がったのが2年前。試作に試作を重ねて、記者発表したのが今年の4月末。実際に販売をするにあたって5月末~1ヶ月間、クラウドファンディングで支援を募ったところなんと総額137万円(目標額の456%!)集まりました。 世の中の関心の高さを目の当たりにした結果でした。

作られた経緯や世界観はわかったのですが、実際にどんなゲームなのでしょうか? 百聞は一見にしかず。先日、体験会が開催され家族で参加して来ましたので、その時の様子を詳しくお伝えします。

老若男女、みんな楽しく体感できる「憲法がない世界」

ゲームの舞台は「悪い魔法使いによって”憲法”が奪われた、とある時代の日本」

もしこの世に憲法がなかったら?そんなこと考えたことないですよね。想像もできませんが、その世界を疑似体験できるのがこのゲームの面白いところ。この日は老若男女問わず、SNSの告知で知った20名ほどが参加していました(NHKのニュース番組の取材も入っていました)。最初に、ボードゲームを作られた安藤さんからゲームについての説明から。

「この国は憲法が消されたために、市民に様々な不幸が襲いかかってきます。消された憲法を復活させるには、良い魔法使いを呼んでkenpoバリアを張り、みなさんで協力して街を、日本を守ってください。」

細かなルールは正直、複雑でした。すごろくか人生ゲームぐらいしか経験のない私たちは、一度聞いただけでは理解できませんが(ボードゲーム慣れしている人にとっては、易しい方だとか)、やりながら覚えていくでしょう。対象年齢は一応小3~となっていますが、理解度は経験値で違ってくると思います。今日は安藤さんに時々助けてもらいながら、はじめてみました。

学者、弁護士、政治家、ジャーナリストなどキャラクターを決める

まずは参加者それぞれにキャラクターを決めます。弁護士、学者、ジャーナリスト、官僚、政治家、エスパー(これはクラファン特典専用)の6枚からカードを引いて設定します。それぞれに得意分野があるので、これをうまく使うのが勝利を導く鍵になりそう。例えば、政治家はたくさん動けるので人より1回多く行動できたり、エスパーは好きなキャラクターを好きな街にワープさせることができたり。ここにも憲法の考え方である「みんな違って、みんないい」という考え方が反映されているのです。

私が引いたのは、なんとジャーナリスト。ゲームの中でも、これから起こるであろう世の中の出来事を伝える役割になりました(苦笑)。

理不尽なpoorカードがどんどん溜まってくる

キャラクターが決まれば、いざゲームスタートです!まずプレイヤーが街に不幸が襲ってくる「poorカード」を引きます。そのカードには、エリア名とその街に襲ってくる、”理不尽な不幸”の内容が書いてあり、例えば

大阪:人と違うことをする人を見つけたら、すぐ通報

東京:ネットの書き込みが禁止されました

広島:武器を買いすぎてお金がなくなったので、保険代が100倍に

この様な、げんなりしてしまう内容のpoorカードがどんどん、日本各地に広がってしまうのです!毎回、読みあげつつ、「え?ひどい!憲法がないとこんな日常的なことができなくなるの?! 」と毎回ツッコミつつ進むことに。このpoorカードが街に4~5枚たまるとその街は滅びてしまうので、みんなで日本各地を守るためにコマを進めて街に向かいます。ダイスの目の条件をクリアしたら良い魔法使いを呼べるので、そこからは全員で「kenpoバリアー!」と掛け声。すると無事、憲法によって街が守られる、というわけです。

poorカードが溜まり始めると「あ、もう2枚溜まってきているから東京に向かおう」「ここでダイスの目をふっておいたら、すぐに魔法使い呼べるかも!」みんなでアイデアを出し合います。無事にkenpoバリアを張れると、例えば「東京:好きなことを話し、みんなで集まれる、知る権利もあるよ」=『憲法21条表現の自由』が守られるのです。「(憲法21条があるから)自由に表現できる権利が守られていたんだ」と知ることに。

「こんな世界嫌だな」と思える=すでに憲法が身についている証拠

進めていくうちにどんどんゲーム自体がとても楽しくなってきました。子どもたちもpoorカードを引きながら「テレビのチャンネルは1番組しかありません、とかこんな世界やだ」理不尽な世界を体感している様子。実はこの「イヤだな」と思うことが、すでに憲法のスタンダードが身についている証拠なのだとか。今、当たり前の様に守られている社会、実はこれが憲法によって守られていることを知らなかった、意識していなかっただけなのです。

前回、武井弁護士のお話にもありましたが

「憲法の恩恵を受けてきているのに、気づいていないだけ。ただ、全ての人が恩恵を受けられていないので、みんなの生活が守られないといけない、という感覚を大事にしないといけないのです。」

その言葉の意味が、このゲームを通じてより一層深く響きました。

各テーブル盛り上がりがすごい!気づいたら勝利していた!

大人3人、小学生1人で、気づいたら1時間ほどゲームに熱中していました。後半戦になるとpoorカードを2枚ずつ引いていくので、追い討ちをかける様に不幸が押し寄せてきます。最後はスピード感が増しつつも、無事、日本を守ることができたのです!!

歓喜に悲鳴、落胆の声にハイタッチ…!各テーブル、一喜一憂しつつボードゲームを楽しんでいる様子。想像以上に盛り上がっていました。ゲームとしても、のめり込んでしまうほど面白いんです。

ゲームが終了した後、武井弁護士による「プチ憲法カフェ」が行われ、小学生にも伝わりやすい紙芝居形式で憲法についての基本の考え方を教えてくださいました。ゲームの後に、振り返りとしてこの「憲法カフェ」があるのもありがたい。(あすわかHPではこの紙芝居なども見ることができますよ)

「難しい」「ややこしい」「政治的」と思って足が遠のいていた憲法。

まさか親子でこんな形で触れることができるなんて、考えもしていませんでした。本当に身近にあった憲法。今日の出会いはほんの入り口にすぎませんが、これからもっと知っていきたい、と思いました。子どものお友達が来た時や、「知りたい」「やってみたい」と思っている同世代の友人たちとも遊びながら学びたいと思います。

クラウドファンディングは終わりましたが、通常販売も予定されていますので、ぜひ興味のある方はチェックしてくださいね。

あすわかHPhttp://www.asuno-jiyuu.com/

憲法ボードゲームFBhttps://www.facebook.com/kenpogame/

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Writer Profile

飯田りえ

ライター

Rie Iida

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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