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お金のプロの「保険」と「教育費」

現役FPに聞く!保険と教育費、どう選んでいますか? vol. 3

  • LEE編集部

2019.03.17

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家計の中でも気になるのが、保険と教育費のやりくりについて。そこで、子育て中の現役FP(ファイナンシャルプランナー)に、自身が選んだ保険&教育費の貯め方、選び方を直撃取材!
プロが考えるとっておきのコツとテクをたっぷりお見せします。

この記事は2018年10月7日発売LEE11月号の再掲載です。


お金のプロのリアルな選択vol. 3
学資保険なら親の死亡時に保険料の支払いが免除に

保険代理業
池田裕子さん〈仮名〉(37歳・夫38歳・娘7歳)
1 年前にFP資格を取得。保険会社の販売業務を経て、現在は、各社の保険の見直しや比較について、個人カウンセリングを行う保険代理店に勤務。それぞれの状況に合った保険の選択のアドバイスを行う。7 歳の子どもの母。

 

収入

世帯年収 約 500万円(手取り)
 介護福祉士(正社員)/手取り月収:26万円、ボーナスの年間手取り額:40万円
 保険代理業(正社員)/手取り月収:10万円(成果報酬あり)、ボーナスの年間手取り額:6万円

総貯蓄額 約 400万円(保険含む)
学資保険 全期前納で200万円、普通預金200万円

さまざまな職を経て、昨年FP資格を取得した池田さん。資格取得後の36歳で、これまでの保険内容を大きく見直したそうです。

「まず、社会保障制度で、医療費が一定額を超えると払い戻される『高額療養費制度』などをしっかりと把握して、そのうえで保障内容を選ぶことが必要だと考えました。
高額療養費は、一般的な収入なら月8万円程度の負担でOK。会社によっては補助の上乗せがある場合もあるので、一度調べてみるのがおすすめ。そのうえで、掛け捨てに入りすぎるよりもなるべく老後にお金を積み立てておきたいと思い、保障は最低限に。
介護保障はつけず、メニエール病などの女性がかかりやすい病気のような、自分に該当しやすく、なったら困る生活障害保障を手厚く。年齢や条件で必要な保障を見極めることが大切だと思います」(保険代理業 池田さん)

 


死亡保険
(死亡時2000万円、生活障害保障200万円、就業不能保障120万円× 5 年、保険料払い込み免除特約など)35歳加入

医療保険
(入院日額6000円、がん入院日額1 万5000円、入院見舞金の一時金6 万円、先進医療2000万円まで実費保障、がん特約実費保障など)35歳加入

» 両方合わせて保険料 13000円 /月掛け捨て

 


生命保険
(死亡時500万円、就業不能特約年50万円× 5 回、生活障害保障100万円、保険料払込免除特約など)36歳加入

医療保険
(入院日額6000円、がん入院日額10000円、入院見舞の一時金6 万円、先進医療2000万円まで実費保障、がん特約実費保障など)36歳加入

» 両方合わせて保険料 9000円 /月掛け捨て(Point 1、2)

 

学資保険Point 3)
» 200万円 ×2本に加入、18歳・22歳で受け取り
(保険料9000円/月と、全期前納した200万円の2本)

 

「学資保険」も払い方がいろいろある!?
毎月一定額の保険料を支払うのが一般的ですが、保険が適用される全期間分を一括で払う「全期前納」という支払い方もあり。割引の適用や月払いよりも返戻率がよくなるなど、お得になるケースも。

「更新型保険」のメリット&デメリットは?
更新型は更新時に保険料が上がってしまうという点が一番の懸念点。とはいえ、10年や15年など、体調も環境も変わるタイミングで保障内容を見直せるのは更新型ならではのメリット。

「高額療養費制度」って何?
1 カ月以内に医療費の自己負担が高額になる場合、一定額を超えた金額が払い戻される制度。一般的な医療保険制度に加入していれば誰でも適用され、8 万100円程度の自己負担でOK。勤務先によっては補助の上乗せがあり、負担がもっと少なくなることも。

» Point 1 医療保険は高額療養費制度を確認して自分に近い将来必要そうな保障を厳選

自分の適正に合った医療保険を考える初めの一歩として池田さんが重要視するのが「高額療養費制度」の存在。一定額を超えると医療費の払い戻しができる制度です。

「一般的な所得であれば、8 万100円程度の自己負担で高額治療が受けられるはずです。会社、所得、保険組合の種類などによっては自己負担金額がより少なくなることもあるので、自分の場合はいくらになるのか、勤務先に問い合わせることが先決。そのうえで、じゃあほかにはどんな保障が必要なのか、という目線で保険を選ぶといいですよ」(保険代理業 池田さん)

 

» Point 2 保険を10年更新にしていること

FP資格を取得後に保険内容を見直し、10年の更新型に。

「若い頃とは違い、これからの10年は社会の変化が大きく自分の健康状態も変わるだろうなと。結婚後最初に加入した保険も15年更新でしたが、今回は10年とさらに短いスパンに。ただ更新時に保険料が上がったり、80歳までの保障しかないなどリスクもあるので、今後は終身も検討したいです」(保険代理業 池田さん)

 

» Point 3 学資保険を全期前納で納めていること

子どもの出産後、すぐに加入した1 本目の学資保険は月払い。昨年2 本目にも加入し、そちらは全期前納で支払ったそう。

「2017年4 月に、契約先の保険会社の予定利率が変わったので、その直前に独身時代から貯蓄で定期預金に置いていた200万円を使って前納しました。もちろん定期預金の利率がいいときは置いたままのほうがいいのですが、低金利が続いていたこともあり、定期預金に置いておくよりもいいと判断したためです」(保険代理業 池田さん)

池田さん経歴

18歳 就職後、簿記の資格を取得
26歳 結婚
結婚してまもなく、15年更新の保険に加入。この頃は高額療養費制度のことも知らず、担当者にすすめられるまま保障内容をあまり意識せずに選択。結婚後しばらくは、子どもがいないこともあって夫婦のお財布は別々、貯蓄や保険にも無頓着な日々が続く。
28歳 銀行に転職。融資担当に
住宅ローンの融資、金利の相談などを担当し、お金に興味がわく。
30歳 出産。学資保険加入(1本目)
切迫早産で入院した際、保険会社の担当者に親身にサポートしてもらい、保険の仕事に興味がわく。産後すぐに、学資保険に加入。
35歳 保険会社に転職
FPの資格に興味が出てきた。子どもを寝かしつけた後、毎晩1~2時間勉強の時間を確保。
36歳 FP資格を取得。保険内容を見直す
保険業にFPの知識を生かせるということで資格を取得。結婚した当初の26歳で加入したままになっていた、保険の保障内容を大幅に見直す。引き続き更新型保険を選ぶが、年数を10年に変更。
37歳 学資保険(2本目)を全期前納で支払う
保険会社の予定利率が変わる直前に、全期前納で200万円支払い。利率がいいうちに契約すると、戻り率がよくなるため決断。

 

学費については学資保険を活用。

「地域的にも小中校は公立で大丈夫だろうということで、大学入学時の費用を手厚く準備。低金利が続く今のご時世では、学資保険を敬遠する方もいますが、支払いの途中で親が死亡しても保険料の払い込みが免除されて受け取りはできるという点は安心
うちは学資保険に2本加入しています。1本は昨年全期前納で支払いを。保険会社の予定利率が変わる前年に支払ったので、満期でもらえるお金が10万円以上増える予定です」(保険代理業 池田さん)


イラストレーション/macco. 取材・原文/野々山 幸
この記事は2018年10月7日発売LEE11月号『お金のプロの「保険」と「教育費」大公開!』の再掲載です。

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LEE編集部 LEE Editors

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