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飯田りえ

これぞ真のアクティブラーニング!小学生が地域とコラボした「落ち葉ひろい」

  • 飯田りえ

2018.12.02

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本当の意味でのアクティブラーニング(主体的・対話的で深い学び)ってなんでしょうか。

私も「自発的に考え、行動できる子どもになってほしい!」と願っている親の一人です。しかし、これって学校で用意されたプログラムだけでなく、生活の様々な場面で体験できるのではないでしょうか?

そう思っていた頃、Social Kids Action Project(以下SKAP )という活動を立ち上げた女性と知り合いました。活動内容としては、自分たちが住む街の課題を探り解決策を相談し、それを行政や企業に向けて発表。最終的には大人たちを巻き込んで、実際に提案を実行する!というのです。小学4〜6年生が夏休みに丸々5日間かけて取り組む、この壮大なワークショップ。渋谷区とも連携を取っているので、まさに小学生が街を変える日が来る、かもしれないのです。「私が求めていたのはこれだ!」と感銘を受け、昨年、原宿で開催された第一回目のSKAP全5日間を密着させて頂きました。

今年の夏休みに開催されたSocial Kids Action Projectの様子

最初から自分の意見を言える子もいれば、言い出せない子もいる、なかなか考えつかない子もいる。それでも5日間みっちり意見を出し合い、街にいる人の声を集め、考えをまとめプレゼンして…そして最終日。渋谷区長をはじめ大人100名以上の前で自分の意見を提案する姿と言ったら!ひと皮もふた皮もむけ、それぞれが自信に満ち溢れて輝いていました。その姿をわが子の成長のように見守り、感動したのを今でも覚えています。

原宿で世代間の交流が増えるイベントを!と小4女児の企画

前置きが長くなりましたが、その時に「世代間の交流がもっと増えるイベントをしたい!」と提案した当時小学4年生の女の子がいました。表参道を中心に歩行者天国や夏祭り、ゴミ拾いなどのイベントを定期的に開催して、若者だけでなく、子どもからお年寄りまで世代を超えた交流の場を作ろう、という企画でした。なんと、その年の秋から着実に実行しているのです!!(これがSKAPのすごいところ)どのプロジェクトも言いっ放しでは終わらずに、実現に向けて一歩ずつ踏み出し、叶えるのが最終目的。実際にいくつものプロジェクトが稼働しています。

昨年秋に表参道で開催し、今年で2回目となりました。どんな活動でどうやって実現させているのでしょうか?私も子どもたちを連れて参加してきました。

去年参加したSKAPでこのイベントを提案したひなこちゃんも5年生。手書きのポスターは去年の反省から目立つように作成し、小学校を始め、商店街などに自分で交渉して貼らせてもらっているそう

保育園児〜お仕事途中の会社員まで70名が大集合!

開催にあたっては、原宿表参道欅(けやき)会へ相談し、表参道発の清掃活動団体グリーンバードと一緒に活動するという形で実現しています。しかも全て一人でアポどりをして、一人で打ち合わせも行き、チラシも作っているそうです。(親御さんの付き添いもないそうです!)ここまで徹底して子どもを信じて実行させる、大人たちの見守り力がすごいです。私ならあれこれ言ってしまいそう…。

前回、子どもの参加が少なかったという反省点から、今年は保育園へ参加を呼びかけたり、小学校内でもクラスで宣伝したり…(これも自主的)。すると当日は大人と子どもあわせて70人もの人が集まっていました。予定ではチームを作って落ち葉を拾った量で競い合うつもりが、今年は暖冬で落ち葉の数が少なく…チーム制ではなく、とにかくみんなで拾うことになりました。グリーンバードが用意してくれた軍手とゴミ袋を持っていざ表参道へ! 夕方だったので、人の往来も多い中、落ち葉拾いスタートです。

わが家のボーイズたちは初めての落ち葉拾いだったので、大はりきり。一見きれいな表参道も、植え込みの奥に行くとプラスチックのゴミやらタバコの吸殻やらペッットボトルのゴミやら…。集めた落ち葉はコンポストで堆肥にするのでゴミと分別して集めます。

いつもお買い物やイルミネーションを楽しませてもらっている表参道も、こうして落ち葉拾いや清掃活動をしてみると、一気に自分との距離が近くなりますね。参加したことで子どもたちの意識にも変化があり「あ、あそこにもゴミだ」と、街を見る目が変わってきました。

終了時間になると、集めた落ち葉とゴミを回収先へ。すると欅会の方が用意してくださったお茶とお菓子をいただきました。やる気満々で来たので「もっと拾いたい〜!」と子どもたち。調べるとこの時期、各地で落ち葉拾いを開催しているので、週末にでも再チャレンジしてこようと思います。落ち葉焚きや焼き芋などもしているそうなので、子連れでも楽しく参加できて、地域への社会貢献へも繋がる良いイベントだと思いました。

今回のこの落ち葉拾いの様に「自分で考えた企画を大人が真剣に受け止め、賛同して本気で協力してくれた」こんな経験が小学生のうちにできるなんて!何事にもかえ難い、大きな自信につながると思います。

どうしても普通に暮らしていると子どもたちにとって、地域や社会のことは大人の出来事でしかありません。しかしこのSKAPなどの経験を通して、地域を自分ごとに感じることができたら…この意識の差ははかり知れません。そしてこの活動にかかわった地域の人や企業の大人たちも、子どもたちの自由な発想と成長に刺激を受けますし、大人も一緒に自分ごと化されます。この様な活動が各地で広がれば…日本の未来は明るいはず!と、落ち葉を拾いながら思いました。

来年の夏の活動及び、その他ワークショップについてはSocial Kids Action Project  を参照ください。昨年は告知後、すぐに定員いっぱいになったそうなので、来年参加されたい方は要チェックですよ!

飯田りえ Rie Iida

ライター

1978年、兵庫県生まれ。女性誌&MOOK編集者を経て上京後、フリーランスに。雑誌・WEBなどで子育てや教育、食や旅などのテーマを中心に編執筆を手がける。「幼少期はとことん家族で遊ぶ!」を信条に、夫とボーイズ2人とアクティブに過ごす日々。

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