普段のごはんも、もてなし料理も格段にあか抜ける。そんな「木の器」が今再び注目されています。
LEE11月号では、器の目利きたちに、普段使っているキッチンツールや盛りつけアイデアを徹底取材。その魅力をうかがいました。
第1回目は、食まわりのスタイリングを中心に、雑誌や書籍で活躍中のスタイリスト、城 素穂さん。カトラリーからカッティングボードまで、様々なアイテムを揃える城さん。どんな風に選んできたのでしょうか?
スタイリスト 城 素穂さん
「食にまつわる器はすべてが興味深く、木の器もその一つ」と言う城さん。旅先や好きな作家の個展などで、コツコツと集めてきた木の器は、どれも存在感と木の持つ美しさを感じさせるものばかり。

「木の器を買うときは、フォルムがきれいなことはもちろん、木目や節がきれいかをチェックします。また、なるべく主張が強すぎないのも大切ですね」
家のテーブルセッティングでも思わず手がのびるのは、木の器やカトラリー。
「和洋問わず、どんな料理にも合いますが、なるべく手を加えすぎていない、素材に近い料理や、自然に近い色みのものがよく合うと思います。油じみやナイフの跡などもあまり気にせず、それも味と思ってけっこう自由に使っていますよ」

友人を招いた秋のおもてなしテーブル。
メインの豚肉のハーブ焼きは、どっしりとした厚みがユニークなデンマーク作家のカッティングボードに。サラダやフルーツは、大らかなフォルムが印象的な須田二郎さんのボウルにたっぷりと。チーズとドライフルーツは曲線が美しい小山剛さんのトレイに盛って。グラスとカトラリーを入れた器は佃眞吾さん作。
市販品やすぐにできる料理も、木の器にスタイリングすることで、テーブルが何倍も華やかに。
「木の器を手にとるとあれこれ妄想が膨らみます」
城さんのキッチンやダイニングルームには、旅先で見つけた木のボウルやカッティングボード、個展で一目惚れした作家の皿など、たくさんの木の器が並び、暮らしの中にすっと溶け込んでいます。
そのどれもが魅力的なのは、一つ一つにストーリーがあり、城さんが愛でているから。器のできた背景を思い、料理を盛り、まるで育てるように大切に使っている姿が印象的です。

キッチンの窓に並べられていたまな板や鍋敷き。作家ものや旅先で見つけたものなど。カッティングボードは器代わりにもなるので、いくつあってもうれしいもの。

城さんお気に入りのカトラリーいろいろ。ほとんどが須田二郎さんの作品。デザイン、使い勝手とともに優れていて、使い込むほど味が出てくるのだそう。

城さんと夫のコレクションが置かれたキャビネットの上。小さな木のトレイは小山剛さんのもの。さりげなく、ペーパーナイフやピンが添えられていて、絵になります。

キッチンの作業テーブルの下に重ねて置かれていた木のボウル。どれも使い込んだ味わいのあるものばかり。木だけで分類することで見た目にも美しく、取り出しやすさも抜群。

リビングに飾られていたカッティングボードは、なんとある日気づいたら虫に食われて穴があいてしまったもの。使えない道具をアートにして楽しむ発想転換は城さんならでは。
「木の器は奥が深くおもしろい!昔から好きな世界です」
※φは直径または口径のサイズです。
撮影/松村隆史 取材・原文/岸山沙代子
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