Prime originalドラマシリーズ『クロエマ』杉咲花さん×多部未華子さんインタビュー
【杉咲花さん×多部未華子さん】実は初共演。思い出だらけの『クロエマ』撮影を語り尽くす
2026.06.13 更新日:2026.06.14

杉咲花さん×多部未華子さんダブル主演のドラマ『クロエマ』が6月12日(金)よりPrime originalドラマシリーズとして世界独占配信されます。原作は『逃げるは恥だが役に立つ』の漫画家・海野つなみさんの同名人気漫画、監督は映画『愛がなんだ』『街の上で』等を手がけ、ドラマ『冬のなんかさ、春のなんかね』で杉咲さんとタッグを組んだ今泉力哉監督。全5話構成、3週にわたって配信されます。
実は初共演という杉咲さんと多部さん、おふたりにインタビュー。互いの印象や演じた役の魅力、今泉監督との撮影秘話を聞きました。またドラマの中で登場する占いにちなんで未来のためにやっていること、人間関係で大切にしていることも明かしてくれました。
『クロエマ』は、恋も仕事も家もなくした30歳のエマが大きな屋敷に住む32歳の占い好きクロエと偶然出会い、ひょんなことから同居生活を始めることに。クロエの趣味だった占い店をオープンすると不安や悩みを抱えた人が訪れ、小さな事件を巻き起こします。事件が解決してもしなくともエピソードの最後には美しくておいしいパフェが登場し、心をほんのりゆるませてくれる極上の占いミステリー。脚本は、今泉力哉監督の妻でPrime Videoにて配信されたドラマ『1122 いいふうふ』で初タッグを組んだ今泉かおりさん。パフェ監修には「パティスリー ビヤンネートル」のオーナーシェフ馬場麻衣子さん、料理はフードスタイリストの飯島奈美さんが担当。エマを演じるのが杉咲さん、クロエを演じるのが多部さんです。
2人で一緒に画に入って作っていく作業は、刺激的で良い時間
初共演ですが共演した印象やこれまでの出演作で好きだった作品があれば教えてください。
多部「杉咲さんの出演作は『花のち晴れ~花男 Next Season~』『アンメット』、映画も含めてたくさんの作品を観させていただいています。お芝居が上手であることはもちろんのことひとつひとつの作品で杉咲さんにしか出せない存在感が印象に残っています。一緒にお芝居できる機会があったらきっとたくさんの刺激を受けるだろうなと思っていたので、今回ご一緒させてもらえると知ってとても嬉しかったです。杉咲さんと密な関係と会話で画を作っていくことが楽しみでした。実際にご一緒させてもらって2人で一緒に画に入って作っていく作業は刺激的で良い時間でした」
杉咲「小さい頃からドラマっ子だったので、多部さんの出演作はもちろんたくさん拝見してきました。特に『山田太郎ものがたり』『デカワンコ』が大好きな作品で、今回ご一緒できることがすごく楽しみでした。多部さんの佇まいや声、画の中にいらっしゃることで温度がぱっと上がって、見ているこちらも明るい気持ちにさせてもらえるような存在感に、ずっと魅了されていました。現場ではどっしりと立たれている姿が印象的で現場から離れるとメイクさんたちと楽しそうに笑ってらっしゃる姿が、また快活で。ご自身のリズムがあるところもかっこいいなと思いました」

占い好きのミステリアスなクロエ、家も仕事も無くした孤独なエマ。演じた役の魅力を教えてください。
多部「クロエは愛想が悪いというか言い方が少しきついところがあるのですが、実はすごく思いやりがあってひとつのことを多方面から俯瞰的に見られる人。自分の価値観だけではなくいろいろな価値観から成り立っています。クロエの背景はあまり描かれていませんが、言葉の端々から人間味にあふれる部分と初めのきつい印象とは違ういいギャップがある魅力的なキャラクターだと思いました」
杉咲「エマは想像の斜め上をいくような、エキセントリックな思考を持っている人で、脚本を読んだ時におかしくて笑ってしまう瞬間がたくさんありました。逆境も文句を言いながらなんとか乗り越えていけそうな強さ、生きていく力を感じさせてくれるところが好きです」

画に映るすべてのものに神経を注ぎ1ミリ単位で微調整を繰り返して撮影する今泉監督
多部さんは『アイネクライネナハトムジーク』(2019)、杉咲さんは『杉咲花の撮休』(2023)『冬のなんかさ、春のなんかね』(2026)で今泉力哉監督と一緒に仕事をされています。
多部「前回ご一緒させていただいたのは7年前でオールロケの作品でした。今回は原作が漫画なので、ある程度世界観がしっかりある中でやらせていただいたのですが、今泉さんが持つ空気感、見せたい世界観みたいなものはあまり変わっていないのかなと感じました。今泉さんの世界観って言葉にするのが難しいのですが私はすごく好みです。台本を読んでいる時からそれが伝わってきましたし、かつ漫画の世界観もあるのでそれぞれを大事に演じていけたらと思いました」
杉咲「撮影は『冬のなんかさ、春のなんかね』の前だったので長期間の撮影をご一緒するのはこの作品が初めてでした。今泉監督はお芝居や演出、画に映るすべてのものに神経を注ぎ1ミリ単位で微調整を繰り返して撮影をされる方でした。こだわりを重ねて撮影をしていく姿が新鮮で、衝撃も受けました。自分の描く世界を美しいものにしたいという並々ならぬ気概を感じましたし、本当に、文字通りすべてを背負って現場にいらっしゃるような心意気にひたすらついていきたい気持ちでした。ある意味、常軌を逸した細やかな演出に応えることは根気が必要な場面もありましたが、OKをいただけるまでの道のりに大きな価値を感じるような、唯一無二の現場でした」

エマとクロエ、2人の間に流れるシニカルさとユーモアのあるゆったりとした空気感や会話劇が唯一無二だと感じました。監督から事前にお願いされたことはありましたか。
多部「事前の本読み(台本読み)の時に、セリフのスピード感を何度かおっしゃっていました。杉咲さんと読みながら“もっとゆっくりでもいいのかも”“セリフの間をもう少し空けますか”とか。空気感とかリズム感を気にされていたことを覚えています。2人の掛け合い、テンポですね。クロエとエマで話すシーンが多かったのですが、会話のテンポを大切にしていらしたんだと思います」
杉咲「“ゆっくり話してほしい”というのは、私にとってもこれまであまり受けたことのない指示だったので印象的でした。それから、ある人物の話を聞いているシーンの撮影時、無意識で相槌を打っていた時があったのですが“相槌を無くしてほしい”と言われたことも印象に残っています。このドラマはリアリティがあるかどうかだけでは成り立たない面白さや魅力がある作品だと思うのですが、その塩梅を今泉監督は探り続けてくださっていたのかなと思います。私が演じたエマという、独特な思考の飛躍を持つ人物と一緒に、作品を観てくださる方々がジャンプしていけるような絶妙なバランスをとることは、自分にとっても課題のひとつでした」



人付き合いをする時に大切にしていること、自分の中で決めているルール
エマとクロエは一緒にいるけれど友達ではない。さりげなく気にかけて相手を思いやっている空気感も感じつつ絶妙な距離感を保っています。2人の関係性についてどう感じましたか。
多部「お互いのことを否定せず、だけど“私はこう思っている”と言い分をちゃんと言い合える居心地の良い関係だなと思いました」
杉咲「慣れ合わない関係性ですよね。意見が分かれたらそれぞれがはっきりと主張をしつつ、自分の心に余裕ができた時は相手のことを想像したり、力になろうとしたり。年齢や職業、生活環境では差がある2人ですが、精神的にはすごくフェアで健やかな関係性だと思いました」



生きてきた世界や思想が違っても相手を尊重する。人間関係は近いほど良いわけじゃない、距離感があってもちょうど良い人間関係が築くことができると感じるドラマでもありました。人付き合いをする時に大切にしていること、自分の中で決めているルールはありますか。
多部「私は良くも悪くもあまり人と関係性を縮めようとしないタイプです。誰とでも距離を縮めたいと思うタイプではなくて、たまにぐっと縮めたい相手がいてそんな相手とは毎日電話するような近い関係性になります。両極端で、すごく縮まるかまったく縮まらないかのどちらかが多いですね。縮まらない相手とは、無理して縮めていかなくていいのかなと思っています」
杉咲「私はどちらかといえば、みんなと仲間になれたら嬉しいと思うタイプなので、相手のリズムをキャッチできたらいいなという意識があるかもしれません。無理のないように心がけつつですが、相手への尊敬、敵ではないという気持ちを伝えられたらいいな、と思っています」
未来の自分のためにやっている行動、ふだんから心がけていること
ドラマの中では占いで迷える相談者を導くシーンが出てきます。占いは好きですか。ふだん占いをすることはありますか。
杉咲「占いはあまりご縁がなくて。一度友達と中華街にごはんを食べにいった時に占い店がたくさん並んでいたので、行ったことがあるくらいです」
多部「良い占い師さんがいるよ、と言われるとつい行きたくなっちゃうタイプです。回数は多くありませんが何度か行ったことがあります。あまり言われたことを引きずったりすることがなくて、聞いて満足して“ああ、そうなんだ”と納得して忘れちゃいます。都合良く解釈してしまうんですよね。だから“あの時言われたことがこれか……”と思い出すこともなく忘れちゃうんですよ」

劇中にあった“占いでは過去や未来は確定しているから当たるけど未来はそんなに当たらない。未来はこれからの行動で変わっていくから”という言葉が印象的でした。おふたりは未来の自分のためにやっている行動、ふだんから心がけていることはありますか。
杉咲「月並みですが、人を大切にしたいと思っています。けれど、なかなか冷静な判断ができない時や自分に余裕が無い時もやっぱりあって。そういう時こそ自分自身との対話を心がけつつ、矢印を外側に向けて、周囲のことも考えたいなと思ったり。最近は、自分の中での目標をメモに書いているのですが、毎朝家を出る前にそれを読み返すようにしています。整体のように自分自身のマインドを意識的に矯正していくことで変われることがあったらいいなと思って」
多部「すごい! 私は何か未来のためにしていることはあるかな。基本いつも心が平和なんですよね。嫌なことを翌日に持ち越さないことですかね。何かあれば親友にしゃべります。会える時には会って、会えない時は電話で。しゃべることで自分を整理します。もちろん必ずしも良い答えが返ってくるわけではないですが“だからそういう言葉を言われたんじゃないか”とかアドバイスをもらうと自分が見えていなかった視点が見えて“ここがいけなかったのかもしれない”と気づいたり。しゃべることで発散と反省を繰り返すので、あまりため込まないんです」
劇中に登場する芸術品のようなパフェ。スタッフさんたちと食べた時間も幸せでした
エピソードの最後に出てくるパフェがおいしそうで眼福でした。チョコバナナクランチパフェ、大人のかりんとうパフェ、パチパチキャンディパフェ、スパイシーパフェ……パフェシーンで思い出があれば教えてください。



杉咲「思い出だらけですが、撮影は夏の盛りの時期だったので、暑さとの戦いでしたよね。アイスが溶けないように、とか」
多部「そうそう。かりんとうパフェのかりんとうの太さ、ラスクの穴の開き方とか、前のシーンとのつながりもあり監督のこだわりもいろいろありました。パフェは全部おいしかったです、芸術品のようなパフェでした」
杉咲「撮影が終わった後に、馬場さんが余った食材で小さなパフェをたくさん作ってくださって。スタッフさんたちと食べた時間も幸せでした」
Prime originalドラマシリーズ『クロエマ』

出演:杉咲花、多部未華子
岩瀬洋志、井之脇海、河合青葉、野添義弘、諏訪太朗、光石研
原作:『クロエマ』(海野つなみ、講談社『Kiss』連載)
監督:今泉力哉
脚本:今泉かおり
音楽:池永正二
主題歌:LAUSBUB『sign(サイン)』
2026 年 6 ⽉ 12 ⽇(⾦)より 毎週金曜日3週にわたり配信
©海野つなみ/講談社 ©2026 WOWWOW
Staff Credit
撮影/山崎ユミ ヘア&メイク/中野明海(杉咲さん) 赤松絵利(ESPER)(多部さん) スタイリスト/中澤咲希(杉咲さん) 岡村春輝(FJYM inc.)(多部さん) 取材・文/武田由紀子
衣装協力
(杉咲さん)シャツ¥22,000/リノ(エンライトニング)https://lenoandco.com/contact/、ジャンプスーツ¥25,300/シティショップ 03-6696-2332、その他は私物
(多部さん)ドレス ¥94,000、靴 ¥76,000(ともにトーガ プルラ) ベルト ¥43,000 (トーガ トゥ/ すべてTOGA 青山店)03-5962-7875 イヤリング ¥10,780(HUI)、左手のリング¥27,500(KEIR.)、右手のリング¥23,100(hidaka kanawaru/全てロードス) 03-6416-1995 右手につけたブレスレット¥20,900(ディーゼル/ディーゼル ジャパン)0120-55-1978 手につけたブレスレット¥890,000(2A Diamonds)03-4500-9965
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