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私の脳内図

デビュー歌集『水上バス浅草行き』は、発売から4年が過ぎた今も重版を重ねるロングセラーに

歌人・岡本真帆さんの【脳内図】「環境が変われば自分も変わる。今いる場所の中だけで、自分のことを決めつけなくていい」

2026.05.18

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マルチタスク時代の頭の中は忙しい!

私の脳内図

今月号でお話を伺ったのは、歌人の岡本真帆さん。コロナ禍中は故郷の高知県と東京都の二拠点生活を経験し、昨年秋からは、東京を中心とした暮らしにシフト。軽やかに生きる、彼女の頭の中は?

岡本真帆さん〈歌人〉

環境が変われば自分も変わる。今いる場所の中だけで、自分のことを決めつけなくていい

岡本真帆さん

おかもと・まほ●1989年生まれ。歌人。2022年に出版した第一歌集『水上バス浅草行き』が話題に。ほか、第2歌集『あかるい花束』、『落雷と祝福 「好き」に生かされる短歌とエッセイ』などがある。

Instagram:mhpokmt
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公式サイト:https://arrow-avatar-0f6.notion.site/Maho-Okamoto-1b26e200a66b4f1ea7f449818a3857a6

岡本真帆さんの脳内図

作家業は自分の核になるもの。でも仕事、遊び、健やかな生活と、すべてがつながって「私」がいる!

岡本真帆さんの脳内図

「心身が健やかであることを大事にしたいので、ジムで筋トレする=攻、よく眠る=守など、休息は攻守二方面でとるように。おいしいごはんを食べる、映画館に行く、旅行など、オフも楽しみたいですね。会社員としての自分も好きですし、そのすべてがグラデーションになって、短歌を詠んだりエッセイを書く“作家の私”へとつながっているイメージです」

岡本真帆さん

日常の中にある幸せや喜びを「五・七・五・七・七」の31文字に読み、さまざまな世代から支持を得ている、歌人の岡本真帆さん。会社勤めをしながら出版したデビュー歌集『水上バス浅草行き』は、発売から4年が過ぎた今も重版を重ねるロングセラーに。現在も、会社員と作家業を両立させる日々。創作活動は「毎日、少しでもいいから続ける」のを目標にし、自分なりのルーティンを作っていったのだとか。

「朝は5時半に起床。会社が始業する10時前に2時間程度、カフェや自宅で短歌やエッセイの執筆を。19時までは会社の仕事に集中し、帰宅したら夕飯やお風呂を済ませ、22時半には寝ます。個人の仕事と会社の仕事、そして健やかな日々を過ごすためには、早めに寝るのが一番、と今のスケジュールに落ち着きました」

コロナ禍で会社がフルリモートだった2022年から昨年の秋頃は、生まれ故郷の高知県と会社のある東京を行き来する、二拠点生活を送っていたんだそう!

「田舎と都会、まったく違う場所を行き来してみて思ったのは、“人の生き方は、環境によって作られるものが大きい”ということ。例えば私は映画を観に行くのが好きなのですが、地元は最寄りの映画館へ行くのに片道約2時間かかるので、代わりに配信で観たり本を読んだりする時間が増えました。東京に拠点を戻した今は、また映画館へと足を運ぶように。そんなふうに、環境が変われば自分も変わるので、その中で起こることをポジティブに受け入れてみよう、と思って暮らしていました。自分のことを今の環境だけで決めつけたり諦めたりせず、時には、いつもいる場所から離れてみると気づけることもあるかもしれません」

歌集を出す何年か前から、SNSを通じて短歌を発表し、それがバズるなど、歌人としては知られる存在だった岡本さん。やりたいことを実現させていくパワーは、どこからくるのでしょうか?

「私はテンションがすごく高いわけじゃないし、性格もおとなしめだと思うんですが……。根っこの部分で、自分の未来は明るくなる!と思っているところがあって。仕事と自宅の往復生活だけでは満足していなかったので、おもしろそうなこと、楽しそうだと感じる方向へ微調整していったら、今の自分になった気がします」

とはいえ、急に何かを変えるのではなくて「少しずつ、自分のやり方を整えるのが好き」とも。

「朝、2時間の創作も、『5分~10分でもできたらいいかな』と思って始めたもの。私は、物事を習慣化するのが好きなのですが、始めるときのハードルは低いほうがいいと思っていて。これならできそう、ということを小さくクリアして、やった自分をしっかり褒めることが大事。朝の2時間もずっと集中しているわけではなくて。“45分やったら20分休む”など、無理がないように工夫を重ねて、今のバランスにたどり着きました」

家庭、子育て、仕事と忙しいLEE世代。“充実はしているが、いっぱいいっぱい”になってしまったときは、どうすればいい?

「私も、今のところ会社を辞めるつもりはなく、仕事も同僚のことも大好きなんですけれども。それでも、創作時間との両立などで、パンクしかけることはありますね。そんなときはアナログのノートや、『Workflowy』という思考の整理ができるアプリに、思っていることを書いています。『もう無理~!』とか(笑)。何行かでも書き出すと気持ちが落ち着くんですよ。誰に見せるわけでもないので、自分と対話する感じで書いていますね。短歌は一瞬の心の動きを言葉にする表現。日々の中で『なんか心がざわざわしていたな』『あのとき、楽しかったな』といった出来事を思い出し、歌にすることが多いので。だから何も起こらない毎日よりも、せわしなくても何か起こる日々のほうが、おもしろいんじゃないかなと思っています」


Staff Credit

撮影/浜村菜月 ヘア&メイク/杉山えみ イラストレーション/オザキエミ 取材・文/石井絵里
こちらは2026年LEE6月号(5/7発売)「私の脳内図」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。

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