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LEE DAYS club clara

〜五感を研ぎ澄まし心地よく暮らすvol.83〜

「芸術の秋」到来!アートと美食の女子会。没後50年を迎えた版画家「棟方志功展」@民藝館に行ってきました【LEE DAYS club clara】

  • LEE DAYS リーデイズ

2025.09.22

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9月も半ばを過ぎました。朝の空気に心なしか秋の気配を感じられるようになり、季節がまた移りゆくことにホッとするような少し寂しいような、そんな気持ちのこの頃です。

jitsuのカレンダー 藤井風prema
jitsuさんのカレンダーも秋仕様に。芸術の秋、音楽も楽しみたいです!(藤井風さんの『Prema』がだんぜん最近のお気に入りです♪サイン会当たっちゃうかな~♡)

さて不定期に開催している実家の母と妹とで集まる女子会。今回はお彼岸前の少し早い時期でしたがお墓参りをしてからランチ、その後母も行きたがっていた、日本民藝館で開催中の棟方志功展を見に行ってきました。

旬の鮎をお目当てに。「天竜」@清澄白河

清澄白河にある母方の祖父母が眠るお墓を訪れ、近況報告を終えた後はランチへ。この日は清澄白河にある「愛游割烹(あゆかっぽう)天竜」さんをお目当てに向かいました(※お写真撮影許可いただいてます)。この時期限定の天然鮎を使った鮎飯せいろがいただけるのです。これを目当てにわざわざ行きたいくらい、とっても美味しい♡

清澄白河 天竜のランチ
清澄庭園からもほど近い場所にあります。

混み合うと行列になることもあり、この日は開店時間に間に合うよう、早めに並んでスタンバイしました。

カウンターとテーブルが数席のこじんりとしたお店ですが、隅々までお掃除が行き届き清潔感のある居心地の良い雰囲気で、感じの良いご主人と女将さんで切り盛りされているのも◎。

メインの鮎せいろは、ふっくらと蒸し上がり、鮎は食べやすくほぐし身にしてあります。鮎の旨味や香りが存分に味わえ、美味しい!を連呼しながらいただきました。

鮎せいろ御前
他に天ぷらと汁物、お漬物が付きます。お漬物も、汁物も品のあるお味で、丁寧な仕事ぶりが伺えます。

注文を受けてから揚げる天ぷらには嬉しいことに鮎も2匹ついていました。今年は鮎が小さめとのことでしたが、小ぶりながら香り高い鮎の風味を味わうには充分すぎるほどでした♡

母が頼んだお刺身と天ぷらの御膳セットも、とても美味しそうでした。他にも「幕の内弁当」が人気のようで、オーダーされている方をちらほらお見受けしました。

大満足のランチの後は今日の最終目的地の日本民藝館に移動しました。

棟方板画大規模公開の特別展・第2章 「棟方志功展Ⅱ 敬愛のしるし」

今年は棟方志功没後50周年の記念にあたるため、各地で棟方志功の展覧会が開かれています。こちら日本民芸館でも棟方板画大規模公開の特別展が3期にわたって開催されています。今回はその第二弾。棟方とゆかりのある人物との関りを経て制作された作品を中心に展示されていました。

春に訪れた富山で棟方志功の記念館や美術館を訪れ、ますます好きになった棟方作品。今回の特別展も訪れるのを楽しみにしていました。

日本民藝館は数年前に芹沢銈介さんの展覧会にお邪魔して以来でしたが、相変わらず素敵な佇まいに見惚れてしまいます。※写真撮影許可いただいております。

日本民藝館 棟方志功展

日本民藝館の受付小窓
愛らしい小さな小窓の受付。電子決済もできました。

小さな小窓の受付に心躍りながら引き戸を開けて館内に一歩足を踏み入れると、大らかな大谷石の床、磨き抜かれた階段、広々とした吹き抜けが贅沢な空間に、棟方志功の作品が正面に大きく出迎えてくれました。

趣きのある建物の中に様々な民藝品が整然と飾られ、きっとこちらも貴重な工芸品であろう重厚感ある木製の椅子があちこちに置かれ、ゆっくり作品と向き合う工夫が随所に施されています。

日本や世界の民藝品が不思議と調和する空間は、春に訪れた松本民芸館にも通じるものを感じました。↓松本民芸館を訪れた記事、こちらでご紹介しています。

日本民藝館 棟方志功展

日本民藝館のコンセプトとして、創設者である柳宗悦が大切にしていた想いに準じ、全体的に説明文はほとんどありません。すなわち美の本性に触れるには、何よりも「直観」の力、人間が本来持っている美を感受する本能的な力であり、知識や先入観によるのではなく、囚われのない自由な心と眼によって純に対象物を観ることを基本としているそう。

何が描かれているのか、何を感じるのかは、観る人に委ねられているということですね。正直解釈が難しい作品もありましたが、不思議と心惹かれる作品もありました。

日本民芸館 棟方志功展
唯一撮影可だった『いろは版画柵』。屏風一扇に4文字ずつ貼り交ぜた作品。背景の地には12カ月の花札模様が施された細かな手仕事に感激。じっくり時間をかけて眺めました。※撮影許可いただいております。

優しい眼差しは何を見ているのだろう、と空想してみた作品「鐘溪頌 倭桜の柵」。戦後の作品ということもあり、鮮やかな色使いが目を引く作品が多い中でも、とりわけこの暖色の慈愛に満ちた作品がわたしは気に入りました。

棟方志功のポストカード
左が「鐘溪頌 倭桜の柵」、お土産にポストカードを買いました。力強さと優しさとが混在する、何とも言えない神々しい雰囲気に惹かれます。

平日ということでそれほど混雑もしていなかつたので、心ゆくまでじっくりと鑑賞に浸る時間を楽しむことができました。

夕方から雷雨予報だったこの日、いつの間にか曇天が広がり、あれよという間に館内にも雨音が響くほどの豪雨になってしまいました。しばらく外には出られないほどの大雨に、落ち着くまで待機することに。

窓から見える外の景色は一転し、木々を揺らす風は段々と強くなり、雨樋から溢れ出す雨水の勢いを増すばかり。しかし建物の中のこちら側は静寂に包まれ、対比的な景色はむしろ作品の世界観を惹き立てるようにさえ感じる、そんな印象的な滞在となりました。

ミュージアムショップでお土産を見て、少し雨が落ち着いたタイミングで退館しました。

櫨の和蝋燭
現在、世界で作り手は数人という「櫨(はぜ)」を原材料にした和蝋燭も買い求めました。大切な時に灯したいと思います。

しっとり雨も似合うカフェ。日本近代文学館内の『BUNDAN』COFEE&BEERへ

近くの日本文学館内に、雰囲気のよいカフェがあるので、最後はそちらでお茶をすることに(※お写真撮影許可いただいております)。

歩いて数分の距離でしたが、大雨の影響であちこちが冠水し、着ていたワンピースもサンダルの足元もびしょびしょになってしまいました。

日本近代文学館内のカフェBUNDAN
駒場公園内には、洋館、和館といった重要文化財もあります。お天気が良ければゆっくり散策をたのしみたかったな。

約2万冊の蔵書を自由に閲覧できるブックカフェ。本棚は天井までぎっしりと本が並び、一人でゆっくり過ごすのにもよさそうな雰囲気です。私たちはおしゃべりに花を咲かせました(笑)。

日本近代文学館内のカフェBUNDAN
カフェの入口。小さな図書館を併設したようなカフェは居心地がよく、ゆっくり過ごされている方が多くいらっしゃいました。

静かなヴォリュームでクラシックが流れる店内は、照明も控えめで落ち着いた雰囲気がとても素敵でした。ソファ席やテラス席、大きな窓に面した席など、訪れた人が思い思いに過ごすことが出来る造りになっているのが好ましい。

そしてメニューがまた秀逸!文学作品や、文豪に由来のある遊び心ある内容を眺めているだけでワクワクです。



ブックカフェらしいメニュー名が楽しい♪

文豪にあやかったネーミングのメニューが楽しくて!

コーヒーに至っては「芥川」「寺山」「鴎外」といった具合。わたしは写真を見て気になっていたスコーンをいただきました(こちらも「シェイクスピアののスコーン」というネーミング♡)。ジャムは数種類ある中から選べ、わたしはミックスベリーと生クリームをセレクトしました。

日本近代文学館内のカフェBUNDAN
大きくサクふわな食感のスコーン、とても美味しかったです。飲み物はロイヤルミルクティーにしました(雨で体が冷えていたもので)。

カフェを出るとまだ少し雨が残っていましたが、駅までの閑静な住宅街を歩きながら次の女子会の行先を決めました(次も芸術の秋にふさわしく、絵画を見に行く予定です)。

この秋は、ずっと行ってみたかった遠方の美術館を訪れたくて、旅行の予定を立てています。そのうちまたご紹介できればと思います。

秋暑もしばらく続きそうですが、皆さまも心地よい秋の時間をお過ごしくださいね。

LEE DAYS club clala

clara

48歳 / 埼玉県 主婦

夫と2人の子ども、猫(♂)との暮らし。自分に必要なものをその時々で取捨選択し、日々心穏やかに過ごせるよう心がけています。ひと手間かかっても五感を満たしてくれるもの、丁寧に作られたものを好みます。

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LEEとともに歩んできて、子育てが一段落。自分に目を向ける余裕の出てきたLEEの姉世代の方に、日々の“ほんとうに好きなものと心ときめく時間”をお届けします。

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