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【ミラノデザインウィーク 2025】 イタリアのキッチン家電メーカー「SMEG」&アートみたいな照明の数々に感動!

  • 神原サリー

2025.05.16

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Vol. #

106

神原サリーさんミラノデザインウィーク2025年レポート

2025年4月8日~4月13日に、今年も「ミラノデザインウィーク(MDW)」が開催されました。
日本では「ミラノサローネ」が有名ですが、これは大きな展示会場で開催される家具の国際見本市のこと。「ミラノサローネ」の期間中、ミラノの街中で同時開催されるのがミラノデザインウィークです。
今年は過去最大の出展数となり、大盛況でした。特に目立ったのが照明の数々。今回はイタリアのキッチン家電メーカー「SMEG」のショールームの様子と、印象に残った「Moorgen」「TIME&STYLE」「FLOS」「moooi」の照明についてレポートします。

Index
  1. 「SMEG」のショールームで出会った美しい家電。ドルチェ&ガッバーナのコラボモデルも
  2. 香港の「Moorgen」の高度な照明システム
  3. 北海道旭川市近郊の東川町を拠点とする「TIME&STYLE」の伝統美
  4. イタリアを代表する照明ブランド「FLOS」ではスヌーピーランプの新作も!
  5. オランダのラグジュアリーブランド「moooi」の華やかな照明たち
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「SMEG」のショールームで出会った美しい家電。ドルチェ&ガッバーナのコラボモデルも

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」2025年レポート 「SMEG」ショールーム
「SMEG」ショールームの窓際の棚には日本でもおなじみのレトロなデザインのキッチン家電が並んでいました

「SMEG」は1948年イタリアで創立された伝統的なキッチン家電メーカー。
少し丸みを帯びたカラフルな家電で知られています。日本でも蔦屋家電やインテリアショップなどで見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。創業から 70 年以上経った現在ではヨーロッパ各国をはじめ、アメリカやオースト ラリア、ロシア、南アフリカ共和国、アジア諸国など世界120か国以上で展開を続けているといいますから、素晴らしいですよね。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク2025」レポート  「SMEG」ショールーム
「SMEG」のショールームの入ってすぐの目立つところに、ビルトインの調理器具の数々が並びます

「SMEG」はキッチンを”人々が集う場所の中心”と考えて、そこで使用される製品はデザイン、パフォーマンス、ディテールを完璧に組み合わせ、「イタリアスタイル」を実現させているといいます。
レトロなデザインが象徴的ではありますが、現在はビルトインのオーブンなどの調理器具にも力を入れています。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」2025年レポート 「SMEG」の展示
「Design Holds Memories」のコンテストで第2位となったマリアナ・プレステスの「The Art of Nature」

今年のMDWでは、ミラノにあるショールームで「Design Holds Memories(デザインには思い出が残る)」と題したプロジェクトによる展示が行われていました。
これは1950年代風のデザインを備えた 「FAB28 冷蔵庫」をもとに、若手のデザイナーたちが、子供時代の思い出、家族の伝統、文化的ルーツを織り交ぜた視覚的な物語で飾り、それを人気投票したもの。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」2025年レポート 「SMEG」のドルチェ&ガッバーナのコラボシリーズ
「SMEG」がドルチェ&ガッバーナとのコラボした「ブルー」シリーズ
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」2025年レポート 「SMEG」ドルチェ&ガッバーナのコラボシリーズ2
こちらもドルチェ&ガッバーナとコラボした「Sicily is my love」シリーズ。これは日本でも販売されています

そのほか、カラフルで独創的なデザインのドルチェ&ガッバーナとのコラボモデルのキッチン家電が並び、訪れる人の目を引いていたのが印象的でした

香港の「Moorgen」の高度な照明システム

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」2025年レポート Moorgen(モーゲン)のショールーム
朝の遅いミラノでも比較的早くからオープンしていた「Moorgen(モーゲン)」のショールーム

ミラノの中心部に位置する“芸術と文化の拠点”ブレラ地区にあった香港の「Moorgen (モーゲン)」のショールームは、今回の視察で最初に訪れた場所でした。
「モーゲン」の照明システムには、スマートホーム向けに設計された高度な照明制御技術が使われていて、壁に掛けてある照明の角度や調光調色も、スマートフォンのアプリや音声コントロール、リモコンなどを使って思いのままに操れます。

照明の明るさを0%から100%まで無段階で調整できるというのですからすごいですよね。手をかざすと明かりが点き、息を吹きかけると消えるランプのほか、まるで岩石のように見えるデザインや和紙を使った照明もありました。

北海道旭川市近郊の東川町を拠点とする「TIME&STYLE」の伝統美

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「TIME&STYLE」のショールーム
通りからの採光が抜群の「TIME&STYLE」のショールーム

「モーゲン」と同じくブレラ地区のまさに中央部にあるのが、北海道旭川市近郊の東川町に拠点を持つ日本の家具ブランド「TIME&STYLE」のショールームです。
ここでは、椅子を中心とした家具の新作をまるでミュージアムのように飾り、奥に進むと様々な居住空間での美しいインテリアの提案がされていて、照明も和をイメージしたものが多く、世界各国からミラノを訪れた人の関心を集めていました。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「TIME&STYLE」照明
雪洞(ぼんぼり)のようなデザインの照明は、ペンダントライトのほか、スタンドにも
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」TIME&STYLE 照明2
少し歪みをもたせたデザインが印象的


イタリアを代表する照明ブランド「FLOS」ではスヌーピーランプの新作も!

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」 「FROS」ショールーム
ブレラ地区からドゥオーモ広場を経由して徒歩20分ほどのところにある「FLOS(フロス)」のショールーム

続いては、世界のモダンインテリア照明の古典的存在にもなっているイタリアの照明ブランド「FLOS(フロス)」のショールームへ行ってみましょう。
1962年、イタリアを代表する建築家でありデザイナーでもあるカスティリオーニ兄弟を中心に創設されたフロスは、照明器具のディフューザーとして『COCOON(コクーン)』という当時の新素材に着目しすばらしい拡散光を生み出すことに成功しました。今回のMDW中、本会場では新作を披露していたようですが、ショールームにも数々の名作や人気の照明が並んでいました。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」 「FROS]照明1
傘の内側が印象的なデザインのスカイガーデン ペンダントライト
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」FROS照明3
2022年に発表された「Skynest」。チューブ型のLEDを24本使用している画期的なもの。一部のLEDに不具合が生じても1本単位で交換できるサステナブルさも魅力
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」 FROS照明2
「NOCTAMBLUE」は別荘や邸宅、高級マンションのエントランスなどで使われている人気の照明

伝説的なスヌーピーランプの新作となる、『SNOOPY NAVY BLUE』があったのに気づけたのは実は帰国後に写真をチェックしていた時なのですが、これは日本でも6月5日から発売されるそうなので要チェックです。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」 「FROS」のスヌーピーランプ
「FLOS」のスヌーピーランプたち。右端が「SNOOPY NAVY BLUE」

「え?スヌーピーランプって何?」という方のために説明すると、1967年にアッキーレ&ピエル・ジャコモ・カスティリオーニによってデザインされたアイコニックなテーブルランプのことで、その特徴的なフォルムは、漫画『ピーナッツ』のスヌーピーの横顔にインスパイアされているのです。
今回、新色としてネイビーブルーが発表されたのですが、このカラーは、1966年にカスティリオーニ兄弟が発表したSciukoランプの豊かな色彩パレットからインスピレーションを得ているとのこと。インテリアのアクセントになるスタイリッシュかつ可愛らしさも感じられるデザインが素敵ですよね。

オランダのラグジュアリーブランド「moooi」の華やかな照明たち

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「moooi」ショールーム
「moooi」のショールームにて。甘く優美なベッドルームにふさわしい華麗な照明に心躍ります。右奥にあるソファは一昨年発表されたもので、座り心地が抜群!

最後にオランダの「moooi(モーイ)」の照明で締めくくることにしましょう。
ブランド名の「moooi」は、オランダ語で「美しい」を意味する「mooi」に「o」を一つ加えたもので、さらなる美しさとオリジナリティを追求するという意味が込められています。大胆で遊び心のあるデザインと、時代を超えた美しさと現代の斬新さの融合を特徴としていて、毎年ミラノでチェックするのを楽しみにしています。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「moooi」の照明1
まるでアートのような照明も
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「moooi」の照明2
2022年に発表された「サーペンタインライト」。紙をひねったり回したりして出来上がった、まるで蝶の羽が組み合わさったようなデザインが素敵です

家具、壁紙などインテリアアイテムを展開していますが、それと合わせた華やかな照明も「モーイ」ならではの世界観だなと思います。

神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「moooi」の照明3
たくさんの照明を組み合わせただけでインスタレーションになります
神原サリーさん「ミラノデザインウィーク」「moooi」の照明4
鳥をモチーフにした「パーチライトテーブル」。スウィングするのも人気の理由

素晴らしい家具と照明が展示された2025年の「ミラノデザインウィーク(MDW)」レポートでした!


「神原サリーの愛しの家電語り」は、毎月2回更新。次回もお楽しみに!

●Info●
公式YouTubeチャンネル「神原サリーの家電アトリエchannel」好評配信中。

神原サリー Sally Kamihara

家電ライフスタイルプロデューサー

新聞社勤務、フリーランスライターを経て、家電ライフスタイルプロデューサーとして独立。「企業の思いを生活者に伝え、生活者の願いを企業に伝える」べく、東京・広尾の「家電アトリエ」をベースにテレビやラジオ、雑誌やウェブなどさまざまなメディアで情報発信中。商品企画やコンサルティングの仕事も多数。

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