「雨だとなんか調子が出ない」そんなあなたは【気象病】かも?その主な症状と3つの原因
2025.05.11 更新日:2025.05.17
どうしようもないと、あきらめてませんか?
「雨の日不調」、自分で治せます

「雨だとなんか調子が出ない」「頭が痛くて仕事にならない」……天気による不調は仕方のないこと? いいえ、そんなことありません! 天気は変えられないけれど、自分の体は変えられる。「雨の日不調」の原因と対策を正しく知れば、自分で治すこともできるんです!
1つでも当てはまれば、あなたも「気象病」かも!

雨の日やその前から頭痛が起こる

雨が降る前に眠気やめまい、肩が痛くなる

「もうすぐ雨が降りそう」と体で感じられる

天気によって気分の浮き沈みがある
LEE100人隊の約8割が天候の変化で体調に異変がありました!!
雨の日など体調や気分が悪くなるときがある?

9割弱の人が、天気によって体調が左右されていると感じていることが判明。不調の種類は頭痛が最多、次いで倦怠感。吐き気や腹痛の人も。
※2025年2月15日~21日 LEE100人隊にアンケートを実施 44人が回答

日本初の気象病の専門家
佐藤 純さん
天気痛ドクター・医学博士
中部大学教授、愛知医科大学客員教授。2005年に愛知医科大学病院で日本初の「気象病・天気痛外来」を開設。天気痛研究・診療の第一人者として多方面で活躍。著書多数。
気象の変化で自律神経が乱れ不調が強く出るのが「気象病」
「天候には日照時間や降水量などさまざまな要素がある中で、私たちの心身に影響を与えるのは主に気圧・気温・湿度の3つ(下記参照)。これらの変化が原因となり痛みや倦怠感、気分の落ち込みなどの症状が出るのが『気象病』です。気象の変化→体がストレスを感じる→自律神経のバランスが乱れる→症状が出る、という流れです。
気象病は“それ単独の病気”ではなく、天候の影響によって、もともとある病気や不調の出やすい部分の症状がより強く出る、というのが正しいです。どんな天候のときに不調が出るのか把握し、対策をとれば、天気に左右されにくい体づくりを目指すことは誰にでもできるかと。日本は、平均して3日に一度は雨が降ります。人生の3分の1をどんより過ごすのはもったいない! ぜひ、できることから始めてみてください」
気象病の主な症状
- 頭痛
- 首や肩のこり
- めまい
- 気管支喘息
- 関節リウマチ
- うつ・不安症
- 耳鳴り
頭痛、肩こり、めまいなどの不調…
気象病はなぜ起こる?
「この不調、天気のせい……?」。自分でもハッキリしない気象と体調の関係。そこには、きちんと因果関係があるのです。
約8割はこれが原因!
①気圧
気圧の急降下で自律神経が過剰に反応
気圧が変化すると、それに対応しようと自律神経が体を調整。自律神経には体を活動モードに傾ける交感神経と、リラックスモードに傾ける副交感神経があり、気圧の変化でどちらがより強く働くかは個人差が。いずれにしても、内耳にあるセンサーが気圧の変化を感じ取り、交感神経・副交感神経のいずれかが過剰に働き、バランスが乱れて頭痛や倦怠感、めまいなどの症状が発生。気圧が大きく変わるのがトリガーとなるため、雨などの前に気圧が下がるときに不調を感じる人は多いものの、天気が回復する際に不調を感じるタイプの人も。
②気温
急な温度変化に対応しきれず自律神経のバランスが崩れる
皮膚や粘膜などにあるセンサーが、気温の変化をキャッチ。それを脳や脊髄へ伝えて体が調整を試みることで、自律神経のバランスが乱れて不調に。内耳のセンサーも過敏になり、また自律神経が乱れるというスパイラルに。
③湿度
体内に余分な水分がたまり自律神経の働きを乱す
湿度が高いと汗が蒸発しにくく、体から水分が出ていかないために体がむくみがちに。体にたまった余分な水分は内耳を刺激し、自律神経を乱して不調の引き金に。特に梅雨時期は体から水分が蒸発しづらい時期なので、要注意。
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気圧・気温・湿度の影響で内耳が過敏に反応することで自律神経が乱れやすくなる!

気圧・気温・湿度いずれにもかかわりがあるのが、耳の内部にある「内耳」。内耳の過敏さを抑えて自律神経のバランスをとることが、気象病攻略のカギ!
\さらに/
“この3つ”で自律神経がより乱れやすい!
1.スマホの使いすぎによるスマホ首

「スマホを見ている人に多いのが、猫背で首から背中の自然なS字カーブがないストレートネック=スマホ首。胸郭を狭めるので呼吸が浅くなりがちで、浅い呼吸は自律神経のバランスが乱れる原因。首こりや肩こりも、内耳の血行を悪化させて気象病の要因になります」
2.世界的な気候変動の影響による急激な気象の変化

「私たちの体は寒い・暑いといった気温や気候の変化に徐々に慣れていくようにできています。ところが、3月に初夏の陽気だったり、10月に猛暑日がきたり、1日のうちでも豪雨が急に降ったり……あまりに激烈な変化だと体が対応しきれず、不調が出やすくなります」
3.LEE世代ならではの忙しさによるストレス

「ストレスには疲労などの肉体的ストレス、忙しさや人間関係など社会的・精神的ストレスなどがあります。家事や育児、仕事など多方面に忙しいLEE世代はさまざまなストレスがたまりやすいと言えます。ストレスは自律神経のバランスを乱しやすくします」
Staff Credit
イラストレーション/オリタシュンスケ 取材・文/遊佐信子
こちらは2025年LEE6月号(5/7発売)「「雨の日不調」、自分で治せます」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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