Vol. #
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今回は3月21日に発売されたばかりの最新キッチン家電、レコルトの「ハイスチームエアーオーブン」をご紹介します。見た目はすでにおなじみの「エアーオーブン」に似ていますが、こちらは水タンク&ボイラーが搭載されていて、食材の乾燥を防ぎながら表面はカリッと仕上げるという全く新しい調理法なのです。2月に開催された発表会でも良さそうだなあと思ったのですが、一足早く試用機を使ってみたら、驚きと感動の連続! その実力のほどをお伝えしますね。
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プロの火入れのような“うるおい熱風”でおまかせなのに本格調理ができる
2019年に発売されたエアーオーブンは、コンパクトで使いやすく、1万円を切る価格なのにノンフライ調理がおいしく出来ると人気のキッチン家電でしたが、今回発売された「ハイスチームエアーオーブン」は水タンクが付いている点が異なります。500mlというたっぷりな水をボイラーで沸かし、バスケットに入れた食材に“うるおい熱風”を送り込むことができるので、熱風だけでは乾燥してしまいがちな食材の水分を保ちながら、表面はカリッと香ばしく焼き上げることができるわけ。



スチーム量や温度を調節することで、蒸し料理や低温調理もできるし、今まで通りのノンフライ調理も可能。さらにはハイスチームとエアーオーブンを自動で切り替えて調理するモードも備えているので、鯛めしやパエリアのようなごはんものやグラタンなども、これ一台で作れるのです。
ハイスチームエアーオーブンの新製品では、ウィナーズのブランド プランニングマネージャーの猿渡進悟さんから「これ一台でオーブン、フライパン、せいろ、フライヤー、お鍋の役割をしてくれます」という説明も。それなら、洗い物も少なくて済むから便利そうですよね。

まずは、看板メニューの「焦がし焼豚(チャーシュー)」に挑戦
発表会でも、その本格的な味わいに感動したのが「焦がし焼豚」。私はこれまで深めのフライパンを使って、焼き目を付けたかたまり肉を調味液で煮る…という煮豚方式で作ってきましたが、これってけっこう時間がかかるし、肉は硬くなりがちだし、調味料もけっこうたくさん使うんですよね。
ところがハイスチームエアーオーブンのレシピブック通りに作ると、豚バラ肉のブロック(約500g)に対して、しょうゆ大さじ2、みりん大さじ1、みそ大さじ2/3、砂糖大さじ1/2、にんにくひとかけ分…といった具合でものすごく調味料が少ないのです。
もみ込んで3時間以上漬け込むという下ごしらえは必要ですが、バスケットに入れたら加熱時間はハイスチームモードで「160℃ 30分」という短さ。しかも、ほったらかしでOKです。30分後にバスケットを引き出してみると、しっかりと焦げ目がついていて、いい香り! 取り出したらアルミホイルで2重に包んで15分ほど置いて、肉汁を落ち着かせてから切るのがポイントです。

いざ、切ってみると確かに中はやわらかく、口に入れるとしっとりしてとろけるような味わい。家族一同、「これはすごいじゃないか」とびっくりしたのでした。しかも、洗い物はバスケットと内アミだけで済むのですからラクチンです。

肉汁がパンパンのハンバーグやチキンステーキも楽々
続いて作ってみたのがチーズインハンバーグ。これはフライパンで作ると焦げ目が付きすぎたり、中まで火が通るようにと思ってじっくり焼くとパサついたりとけっこうハードルが高いんですよね。とはいえ、フライパンで表面を焼いてからオーブンに入れて仕上げる…という本格的な作り方はさらに面倒というかハードルが上がるもの。
ところがこれは、バスケットの内アミの上にハンバーグを入れ、隙間に野菜を入れたらハイスチームモード「180℃18分」にセットして待つだけ。バスケットを開けてみると1つだけチーズがあふれていたものの、肉汁を中に抱き込んでパンパンに膨れたおいしそうなハンバーグが焼き上がっているではないですか。焦げ目もいい感じです。


いざナイフを入れてみると中からジューっと肉汁が出てきて、中はふんわりやわらかく、ソースをかけなくてもどんどん食べられる逸品となっていました。「焦げ目がちゃんとついて、中までしっかりと火が通り、でも硬くない」――これってハンバーグの正義ですよね。きっとお子さんも大喜びのハンバーグができること請け合いのハイスチームエアーオーブンです。
ほかにも、あり合わせの野菜をバスケットに敷いて、下味をつけたチキンを入れてハイスチームモードで加熱しただけのチキンステーキも何もしたくない日にぴったり。エアーオーブンモードを使えば、塩サバを使ってたった12分で竜田揚げができてしまうのも便利でしょう?



そうそう、エアーオーブンやオーブン(レンジ)だと予熱が必要ですが、このハイスチームエアーオーブンは予熱の必要がないこともうれしいポイントかなと思います。
材料を次々に入れるだけで茹でる⇒焼くまでノンストップで仕上げるパスタグラタン
ハイスチームエアーオーブンにはバスケットの中に入れて使うインナーポットが付属しています。これを使うことで冒頭でもご紹介したようにごはんものやグラタン、さらにはケーキなども焼けるのですが、今回試した中でのイチオシとも言えるくらい簡単でおいしかったのが「なすのボロネーゼ・パスタグラタン」でした。
これはインナーポットに水、半分に折ったパスタ(1.6mm)、市販のミートソース1人分(今回は「青の洞窟」のを使用)、1cmに輪切りにしたなす、モッツァレラチーズの順に入れ、ハイスチームモード160℃20分→エアーオーブン180℃10分のコンボモードで加熱します。つまり、ハイスチームでパスタを茹でてから、エアーオーブンで焼き上げるということですね。30分後にはこんがりとした焦げ目とチーズの香りが食欲をそそる見事な仕上がりの「なすのボロネーゼ・パスタグラタン」が出来上がって、これまた家族一同「おいしい! すごい!」と感動。



わが家では週末の食卓を「パスタの日」と決めていて、同時進行で何種類ものパスタを次々に仕上げるのがけっこう大変だったのですが、そのうちの一品をハイスチームエアーオーブンにおまかせできるのはありがたいことだなと思います。取り分けるときにチーズがトローッとするのもいいんですよね。
面倒な低温調理もバスケットに入れるだけ!
2月に開催された新製品発表会ではゲストとして、テレビでもおなじみの「中国菜 エスサワダ」総料理長・澤田州平シェフが登場。下ごしらえした鶏むね肉をバスケットに入れて、ハイスチームモード「65℃50分」の低温調理で加熱した蒸し鶏を使った「よだれ鶏」の実演がありました。



澤田シェフいわく「これが70℃になっただけで仕上がりが変わってしまう。普通は低温調理器を使って調理するけれど、調理袋にいれた鶏肉の空気を抜いたり、面倒なことも多い。バスケットに入れるだけで、温度コントロールをしっかりやってくれるこのハイスチームエアーオーブンはすごい」と。
いわゆるサラダチキンとは全く異なる、プリプリに膨らんだ鶏むね肉のしっとりジューシーな味わいと言ったら! 特製のタレとトマトやキュウリ、そして山椒の香りが聞いた「よだれ鶏」はまさにお店で食べる本格派の味でした。
このほか、プリンや茶わん蒸しも得意だというハイスチームエアーオーブン。まだ試せていないのでぜひ近いうちにと思っています。いわゆるスチームオーブンレンジのように筐体が大きくないので扱いやすく、次々にいろいろなお料理にチャレンジしたくなるのが不思議。全く新しい調理家電と言ってもいいのではないでしょうか。
手間はかけたくないけれど、せっかく作るなら失敗なくおいしいものを…そう考えている方にぜひおすすめしたい一台です。
製品DATA
- ブランド:レコルト
- 商品名:ハイスチームエアーオーブン
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