不登校になってから“その後”の歩み方を経験者ママにインタビュー
【不登校とその後:体験談】「学習支援塾」で相性のいい先生と出会って…現在の居場所を見つけた経緯は?
2024.09.25
“その後”の歩み方を経験者ママに聞きました
学校以外の居場所、なぜそこを選びましたか?
不登校になってからの親としての思いや葛藤、現在の居場所を見つけた経緯は? 高校生の経験者ママにインタビューしました。
りんさん&お母さん(中1から不登校、現在高校1年生)
学習支援塾が安心できる居場所に
りんさんは中学1年生から不登校に。中学校にはほぼ通わず、現在は都立チャレンジスクール校の1年生。お母さんは雑誌や書籍などのデザイナーで、仕事の合間を縫ってりんさんをサポート。
相性のいい先生と出会って変化。塾で対策をして、高校に進学
小学生の頃から友達を作るのが苦手だったというりんさん。環境を変えたいと私立受験をしたものの、中1の夏から教室には行かず保健室登校をするようになり、秋には不登校になりました。
「当初は親である自分を責めてしまい、どうしたらいいかわからなくて。りんはクラスメイトとうまくかかわれず学校になじめないタイプなのですが、人に興味はあるし、家族や親友には止まらないほどおしゃべりになることも。そんな娘に合う対策や場所がわからず、関連する本を読みあさったり、検索したりと探し続ける日々でした」
その中で、中1の終わり頃に見つけたのが、不登校や勉強嫌いに悩む子どもに向けた学習支援塾「ビーンズ」です。
「サイトを読むと、勉強自体を教えるというよりも、子ども自身が自立に向けて育っていけるような仕組みだと感じました。私自身も集団の中や特定の場所で話せない経験があり、うっすら考えていたことが言語化されていて『ここだ!』とピンときて。ただ、当時のりんは何事にもやる気がなくて、『どうせ行っても無駄だ』と。先生たちは、そんな子どもの後ろ向きな態度も教えてほしいと言ってくれるので、逐一報告。また、『家庭は絶対的に安心できる居場所に』と助言をもらい、娘の話をたくさん聞いて寄り添うように心がけました。ネガティブな話を2時間も3時間も聞くのは大変でしたが、だんだんと娘とのコミュニケーションがとりやすくなっていくのを実感。親の私が『ビーンズ』なら信頼して任せられると思ったので『オンラインで1週間に1回、30分でいいから』と続けてみました」
担任の変更が2回あり、相性の合う先生と出会ってから、りんさんは大きく変化。
「絵を描くことが好きで『先生とオンラインでお絵描きゲームをしたらすごく楽しかった!』と。一度ハマると展開が速くて、塾が作ってくれるオンラインの居場所に参加して、ほかの同年代の子たちと話したり遊んだり。人前で自分の意見をしゃべりすぎて落ち込んだりもしつつ、それもいい経験だなと。中2になると、実際に対面で塾にも通い出しました。電車好きになり地下鉄のスタンプラリーに行くからと一人で出かけたりと、外にも意識が向くように。あるとき、りんが塾の帰りに『私、幸せかも』とつぶやいていて。学校に行くか行かないかというより、私は子どもにこういう気持ちを感じてほしかったんだと思い、うれしくて号泣しました」
中3になると、りんさん自身が進路のリサーチを。不登校経験者を支援する東京都の取り組みである“チャレンジスクール校”を受験することに決めました。
「その頃には自分で考えて動けるようになっていたので本人に任せて、塾で受験対策をしてもらい合格。無事高校に入学できましたが、友達はまだできていなくて、実は不登校前と状況はあまり変わっていないんですね。『今日も話せなかった』と帰ってくるのですが、翌日は気持ちを切り替えてまた学校へ。今はダメでも、いつかできるようになるはずだと自分を信じられるようになったのが、いちばんの成長なのかなと感じています」
History
りんさんのこれまで
小5
小学生から友達ができにくく、唯一の親友が引っ越してしまう
小6
周りが自分を知らないところでイチから頑張りたいと、夏から受験勉強を開始。猛勉強して、私立中学に合格
中1の春
友達を作ろうとするが思うようにできず、勉強のレベルが高くプレッシャーに。期末テストは受けず、休みがちに
中1の夏
夏休みまではとりあえず学校に行こうと説得し、保健室登校を
中1の秋
夏休み明けも保健室登校するが、だんだんと休む日が多くなり、学校に行かなくなる
中1の終わり
母がインターネットで「学習支援塾ビーンズ」を知り、まずはオンラインで参加。最初は反発してなじまない
中2
相性のいい先生と出会う。オンラインから通塾も開始
中3
自分で進路を調べて、都立のチャレンジスクールを知る。塾で受験対策をして、合格
まとめ
- わが子のタイプに合いそうな場所をとことんリサーチ
- 子どもにやる気がなくても親が信頼できるなら続けてみる
- 自分で動き出したら口を出さずに見守って
利用していたのはココ
「学習支援塾ビーンズ」
「ビーンズ」ではさまざまなチャレンジを。中でも、りんさんが熱中したのが、巨大な“アリジゴク”作りだそう。みんなで協力して紙を折り組み立てて、約5カ月かけて完成!
Staff Credit
イラストレーション/pum 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE10月号(9/6発売)「「行き渋り」「不登校」その後の選択」に掲載の記事です。
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