LIFE

「行き渋り」「不登校」その後の選択

何に悩んで、どの居場所を選んだ?を継続取材

子どもの“学校に行きたくない”に対して親はどうすればいい?【不登校・行き渋り】

2024.09.11

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声のかけ方、親が仕事のときの対応、この先への不安も…

わが子が行き渋ったら、親はどうすればいい?

突然わが子が行き渋りをしたら、親はどうしたらいいかわからず戸惑ってしまうはず。読者の疑問や心配の声に、専門家が回答します。

不登校ジャーナリスト 石井しこうさん

教えてくれたのは

石井しこうさん

不登校ジャーナリスト

これまでNPO法人で、不登校の子どもやその親など約400人に取材。著書に『「学校に行きたくない」と子どもが言ったとき親ができること』(ポプラ社)。

認定NPO法人カタリバ不登校支援スタッフ 池田隆史さん

教えてくれたのは

池田隆史さん

認定NPO法人カタリバ不登校支援スタッフ

中学校の教員から、認定NPO法人カタリバの不登校支援スタッフに。島根県雲南市の教育支援センター「おんせんキャンパス」で、不登校の子どもたちを支援している。

学校に行きたくないと言ったら、どう声をかける?

学校に行きたくないと言ったら、どう声をかける?


子どもの「学校に行きたくない」に対してかけるべき、親の第一声は?

「へぇ」「そっか」など“生返事”で様子を見て、問い詰めない

「同調でも否定でもなく『へぇ、そうなんだ』といった生返事で様子見を。必要以上に驚いたり問い詰めたりするのは避けましょう。ただ、行きたくないと言い出すときはすでに深刻な状態であることが多いので、早めに一度休むことを検討して」(石井さん)、「言いにくいことを言える親子関係は大事。『そっか、そっか』などでいいので、子どもの気持ちを受け止める言葉を」(池田さん)

「おなかが痛い」と言うので休ませても、家ではケロッとしているのはなぜ?

ストレスから離れて症状が緩和。学校に不安があることの表れかも

「子どもに取材で聞くと、腹痛は本当で嘘はついていない。身体症状が出るのは、学校との間に何か問題あることの証とも考えられます」(石井さん)、「ストレスから離れて症状が緩和するのはありえること。葛藤の表れでもあると思います」(池田さん)

「おなかが痛い」と言うので休ませても、家ではケロッとしているのはなぜ?

「どうして学校に行きたくないの?」と理由を聞いてもいい?

SOSを拒絶されたと感じがちなので注意。理由は本人もわからないことが多い

「まだ休んでいないときに理由を聞くと、子どもが『学校に行きたくない』というSOSを拒絶されたと受け取ることもあるので注意」(石井さん)、「理由を聞いてもいいのですが『学校は疲れる』など、本人もはっきりわからないことが多いよう」(池田さん)

子どもに私の意見を聞かれて、つい「ママは学校に行ってほしい」と言ってしまいました。親の希望や本音は、正直に伝えないほうがいい?

親への試し行動の一つ。気持ちは伝えつつ配慮を

「自分が大切に思われているか、試す行動といえます。親の希望は伝えていいのですが『こう思うけど、あなたのつらい気持ちは教えてね』など配慮を」(池田さん)、「なぜ子どもに学校に行ってほしいのか、親自身が向き合う機会にしても」(石井さん)

Staff Credit

イラストレーション/pum 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE10月号(9/6発売)「「行き渋り」「不登校」その後の選択」に掲載の記事です。

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