マルチタスク世代の頭の中は忙しい!
私の脳内図
今回お話を聞いたのは、俳優の松本まりかさん。話題作への出演が続き、撮影で多忙な松本さんの頭の中とは? 主演として携わる作品への思い、下積み時代のことなど、これまでの道のりについても伺いました。
松本まりかさん〈俳優〉
頭の中の95%は仕事のこと! 39歳の今、作品を背負う立場に。その責任をまっとうしたいです
まつもと・まりか●1984年9月12日、東京都生まれ。2000年にドラマ『六番目の小夜子』でデビュー。2018年ドラマ『ホリデイラブ』で注目を浴びる。数多くのドラマ、映画などで活躍中。
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公式サイト:https://www.ken-on.co.jp/artists/matsumoto/
ドラマ『ミス・ターゲット』
結婚詐欺師が婚活に奮闘するドラマ『ミス・ターゲット』(テレビ朝日系)は毎週日曜22時〜放送中。
映画『湖の女たち』
吉田修一の同名小説を映画化したヒューマンミステリー『湖の女たち』は5月17日から全国公開。
松本まりかさんの脳内図
主演ドラマ撮影中の今は、仕事一色! 読書や人間関係、家事などすべてが学び。吸収して、演じることにつなげたい
「特にドラマや映画の撮影期間中は、頭の中のほとんどが仕事のことに。つらいことや失敗も役に生かせるように、しっかりキャッチして吸収したいなと思っています。ファッションや旅も大好きだし、食はインナービューティにこだわりが。運動や腸活でしっかりデトックスして、体にいい食材を適度にとると、体調が整うと実感しています」
俳優として数多くの役柄を演じてきた松本まりかさん。現在は主演ドラマ『ミス・ターゲット』の撮影中で「仕事で頭がいっぱいの時期」なのだとか。
「仕事のことが脳内の95%ぐらいを占めていると思います。ドラマは結婚詐欺師が婚活をして本当の恋愛を知っていくというお話。大人なんだけどピュアで、心が洗われるような素敵な作品です。役を演じる間だけでなく、帰宅してから台本を読解していると『あれ、この役ってもっとこうなんじゃないかな』などと深掘りが始まったりして、考えることが止まらなくて。また、主演というのはとても責任あるポジションだと感じています。作品を背負うということを意識しますし、現場で困っている人がいないか、みんなが楽しんで仕事に向かえているか気づける視野を持ちながら、やるべきことをきちんとやり遂げたい。39歳にして、ようやく巡り会えたこの機会に、背筋が伸びる思いでいます」
10代で仕事を始め、思うようにはいかないことも多く、18年ほど苦しい時期が。そんな中でも、自分を磨く努力は、絶えず続けていたと言います。
「これまで憧れてきた役者さんたちと同じぐらいのキャパシティや人間力、実力を持てるようになりたいとずっと思ってきました。そういう役者さんの立ち居振る舞いを観察したりもしましたし、読書も常に大きな学びになっています。実用書やビジネス書、心理学や哲学の本を読んだことも。中でも『媚びない人生』(ジョン・キム著)という本は、自分が変わるきっかけに。
初めはタイトルに強くひかれて手に取ったのですが、私は見た目もしゃべり方も媚びていると思われることが多くて、媚びない女性に憧れていたんです。当時は撮影などで『かわいい』と褒めてもらえても屈辱のように感じることもあったりして……。とはいえ、もともとかっこいいタイプではないし、それは仕方のないことで。褒めていただけるなんてありがたいことだと受け入れるようになってから、より強くなれた気がします。その後、ドラマ『ホリデイラブ』で注目していただけたのも、そういった考え方ができるようになったからなのかもしれません」
また、人間関係、家事など、これまでのあらゆる経験や失敗が成長の糧になっているとも。
「人とかかわる中で、理不尽に思うことがあったり、失恋して苦しかったり。つらいことも、すべてが仕事に生きるのを知っているので、感覚を鋭くしてキャッチしていきたいなと。苦手なことも同じで、私はお風呂の排水口のドロドロが大嫌いだったのですが、それならきれいなうちにやればいいんだと、毎日お風呂上がりに掃除をするようになったんです。毎日使う場所をきれいにするとこんなに爽快な気分になるんだ、ということも、学びになっています」
さらに、最近ではこんな楽しみもあるそう。
「コーヒーが好きで、浅煎りのアイスコーヒーにハマり中。ロケの合間などにも楽しめるものなので、お店で買っては研究しています」
最新映画『湖の女たち』では、湖畔に建つ介護施設で起きた殺人事件で、容疑者となる介護士を熱演。松本さんの新たな一面が見られる作品になっています。
「人間の裏側のようだけど本質的な、名前のつけようがないけれど確かに存在する愛の形を描いたお話です。それなりに場数を踏んできて、ちょっとやそっとのことじゃへこたれないと思っていたのですが、この映画の撮影では、考えても考えても行き着く先が見えないことがたびたびあって。自分の限界を何度も突きつけられました。でも、この経験を次につなげられるかどうかも自分次第。超えられなかった難題や失敗は、これからの自分の行動でしか書き換えられないんですよね。挑戦し続けたいし、あきらめなければいい方向に向かうと信じて、進んでいきたいと思います」
Staff Credit
撮影/森脇裕介 ヘア&メイク/福岡玲衣(TRON) スタイリスト/コギソマナ(io) イラストレーション/オザキエミ 取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2024年LEE6月号(5/7発売)「私の脳内図」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(掲載当時)です。
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