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【SNS型投資詐欺にご注意を!】有名人のなりすまし広告、被害にあわないために知っておきたいこと

  • 松崎のり子

2024.05.14

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「著名人が」「無料で」儲かる方法を教えてくれる、なんてない

フェイスブックなどのSNSで、著名人の画像を勝手に使って投資に誘う「なりすまし詐欺」が社会問題になっています。

悪用されているのは、池上彰さん、荻原博子さん、堀江貴文さん、前澤友作さん、森永卓郎さんなどメディアでおなじみの方ばかり。無料で投資を教えますなどとうたって、LINEの投資グループに誘導するのです。

報道によると、投資用資金を振り込ませ、最初は儲けが出ているように見せかけて、さらに追加で入金したお金をだまし取る手口のよう。投資グループには“サクラ”も参加し、投資したおかげで海外旅行や高級グルメを毎日楽しんでいるという、華やかな様子を投稿しているとか。

ちょっと考えてみれば、多忙な著名人がわざわざ「会ったこともないあなたのために」「無料」で儲かる銘柄を教えてくれるなんてあり得ないとわかるはずですが、それを信じ込ませる仕掛けが巧妙にちりばめられているのでしょう。

警察庁の発表によると、2023年の被害は2271件、約2800億円に上るとのこと。しかし、この金額は警察に被害を届けた人だけでしょうから、氷山の一角ではないでしょうか。

お金を預かって投資の助言をするには、法律に基づく登録が必要

そもそも個人からお金を預かって投資する行為は、勝手にできるわけではありません。金融商品取引法によって定められた取引業務の登録が必要です。その登録がない者が勝手にやると法律違反で罰則対象となります。

それを大原則として覚えておきましょう。

また、先にも書いたように、全く見ず知らずの人に儲かる銘柄を無料で教える、なんてことをするメリットが有名人にあるでしょうか? 

お金の世界では「無料と聞いたら気をつけろ」と言われるもの。入り口に「無料」と書いてある場合、必ずその先ではお金を払う羽目になるからです。どんなことにもコストはかかるのですから、最後まで無料のはずはないのです。

生成AIを使えば有名人のフェイク画像もフェイク音声も簡単に作れる今の時代、だまされないためには『常識』しかないと思います。

忙しい有名人が広告を出してまで、無料で投資教室なんてするだろうか? これだけ相場は上下するのに、必ず儲かる株なんてなぜわかるのか? 常識で考えれば、おかしいですよね。

「楽して・簡単に・必ず・儲かる」との誘い文句は、200%詐欺だと思いましょう。

このような詐欺広告を放置しているとしか思えないSNSプラットフォーム運営企業にも大いに問題があります。日本政府も運営企業側に取り組みを促しているようですが、国民の大事な金融資産を守るため、もっと厳しい義務を求めるように期待します。

松崎のり子 Noriko Matsuzaki

消費経済ジャーナリスト

消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。

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