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子どもの【落書き・シール貼り】…新学期前に一掃したい! その落とし方・はがし方は?

  • 藤原千秋

2024.03.17

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落書き 掃除

落書きやシール貼り。大人にとっては単なるイタズラですが、子どもの心になってみれば絶対楽しいクリエイティブ!

でも家の目立つ場所にやられてしまうと困ってしまいます。できることなら、なかったことにしたいもの。ときしも新年度、入学や進級のタイミングで、おうちから落書きやシールを一掃してしまいたい!という方も少なくないことでしょう。



とはいえ何で描かれたか、何を貼られたか、それがどんな素材のどんな場所か、付着してからの経過時間等……個々のケースで除去に適した方法は異なりますし、場合によっては汚れが落ちきらないことも。元の素材が傷んだり変色したりするリスクとトレードオフの作業にはなりますので、その点はご承知おきください。

「落書き」汚れの落とし方

落書き 掃除

・鉛筆、色鉛筆

付着しているのは、基本的に顔料のこまかい「粉」。場所を問わずオーソドックスに「消しゴム」で擦るだけでもおおむね落とせますが、顔料にプラスチックを混ぜたタイプの芯を使っている場合は、少量の水を含ませたメラミンスポンジで擦らないとうまく落とせないことがあります。

・クレヨン

従来の、顔料にワックスを用いた油性のクレヨンの場合は、手近な「クレンジングオイル」を少量化粧用コットンに取って、クレヨンを溶かしながら拭き取っていきます。

溶かして拭き取るのには「マニキュアリムーバー」も使えます。常にコットンのきれいな部分で、汚れが広がらないように拭いていくのがコツです。

最近の「水で落とせる」と謳っているタイプのクレヨンなら、水拭き、例えば「おしり拭きシート」のようなウエットシートで拭くだけでもおおむね落とすことができます。

落書き 掃除

・ペン

一言で「ペン」と言っても、サインペンなのか? ボールペンなのか? 水性なのか? 油性なのか? ゲルタイプなのか? ペンは種類が多すぎますし、大人自身が何を使っているのかよくわからない場合もあり悩ましいですよね。そこで、
まず以下の順で試してみて。

ウエットシートで拭く(ツルツルした素材の上の水性ペン汚れ)

住居用中性洗剤を含ませたシートで拭く(ツルツルした素材の上の水性ペン汚れ)
③少量の水を含ませたメラミンスポンジで擦る(ツルツルした素材の上の油性ペン汚れ)

マニキュアリムーバーを少量含ませたコットンで擦る(ツルツルした素材の上の油性ペン汚れ)



上記の方法で落ちない場合は、市販のアルコール系溶剤などのマルチ洗浄剤を試してみましょう。
ただし元の素材が傷む可能性はありますので、よく考えて。


シール汚れの落とし方

落書き シール 掃除 はがし方

・ドライヤーで温め、糊をゆるめて剥がす

広域ではなく小さい部分を、水や油を用いず丁寧に剥がしていくなら物理的に温め、糊を緩めて剥がします。温める時間は長くて10秒程度に、火傷にはくれぐれも気をつけてください。水を使いたくない紙や木材部分のシール剥がしに適した方法です。

・クエン酸水で糊をゆるめて剥がす

強い薬剤などを使いたくない場合、小さな子どもの面倒を見ながらの作業などの場合は、口に入っても大丈夫なクエン酸を用いるのが安心です。

100円ショップなどで売られている掃除用のクエン酸を5%程度の溶液にして、シールの上に塗り、同じ溶液で濡らしたティッシュペーパーで湿布して20分ほど置きます。粘着剤が緩んだところで、掃除用のヘラや使用済キャッシュカードのようなプラスチックカードを使ってヘリから剥がしていきます。

クエン酸がなければ食用の食酢(原液)も使えますが、においます。表面がツルツルして水を弾く素材、樹脂コーティングされたもの、プラスチックやガラスなどに適した方法です。



・食器用洗剤の界面活性剤を利用して剥がす


食器用洗剤を原液のままシールに塗り付け、上からラップをして湿布し成分が染み込んだところでヘラなどを使い剥がします。ヌルヌルするので、しっかりしたすすぎ拭きの手間は必須ではありますが、周囲の掃除を兼ねられると思えば一石二鳥かも。プラスチックや金属面などに適しています。

・市販の「シール剥がし」を用いて剥がす

有機溶剤を主原料にした「シール剥がし」は100円ショップでも取り扱われています。強いにおいが気になったり、プラスチック、樹脂等の素材を傷める可能性はありますが、手っ取り早く作業したい場合には便利です。

問題は、“どこ”に描かれているか? 貼られているか?

落書き 掃除

とはいえ落書きも、シール貼りも、問題は「どこにやられたか?」 
描かれたり、貼られたりしている場所は、机? テーブル? 椅子? ソファ? 窓? 壁? ふすま? 床? 畳?

いずれにせよ、できるだけ元の塗装や素材を剥がしたり、傷めたりしないようにしたいものですが、そこが「水が吸い込む」布や紙、漆喰や石材などの場合は元通りにできない可能性があります。というか、ほぼできません。何度も洗ったり、あるいは削ったり貼り直したり塗り直したりといった「洗浄」のみならず「修繕」が必要になることもある、ということです。

また落書き汚れでは、やってみると「メラミンスポンジ」がかなり万能に感じられるかもしれませんが、微細な傷を残す(白い曇りになって残り、元に戻らない)ことが多いので、あまり一気に行わず注意しながら使うようにしてください。

また、落書き落とし、シール剥がしともに、仕上げの水拭きで薬剤等の成分を残さないようにしてくださいね。

――新築マンションで三人の娘を育て、22年目のわが家。
実は寝室に使っている和室の「白木の柱」や「ふすま紙」「和紙の壁紙」には、十数年来の作品たちがいまだに残されています。要は落としようがなかったものですが、頭から手足が生えている、いわゆる子どもの絵特有の「頭足人(とうそくじん)」の落書きは、いつ見てもほほえましく、娘たちが幼かった日々を振り返らせてくれます。

いずれ修繕する日まで落書きを楽しんでしまうのも一興。そういう考え方もあるということで。


LEE本誌や、LEEwebでも大活躍中の家事スペシャリスト、藤原千秋さん。早目に知っておくと安心な“おそうじ”の豆知識や実践テクを、季節先取りでお届けします。次回もお楽しみに!



藤原千秋 Chiaki Fujiwara

住生活ジャーナリスト、ライター

掃除、暮らしまわりの記事を執筆。企業のアドバイザー、広告などにも携わる。3女の母。著監修書に『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など多数。LEEweb「暮らしのヒント」でも育児や趣味のコラムを公開。

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