遊びでの悪ふざけも許さない! 大人の価値観のアップデートが急務
スカートめくりやカンチョーもNG。SHELLYさんに聞く!子どもに「性的同意」を教える大切さ
2024.01.11
NOと言える&相手のNOを尊重できる人になるため大切な考え方
「性的同意」を子どもにどう教えればいい?
性的な行為で心と体を傷つけないため、子どもに必ず教えておきたいのが〝性的同意〞。
男女どちらにも大切なこの考え方を伝えるポイントを、SHELLYさんに聞きました。
教えてくれたのは?
SHELLYさん
1984年、神奈川県生まれ。YouTubeの性教育チャンネル『SHELLYのお風呂場』では、若い世代に向けて性の情報を配信。性的同意年齢について語った「13歳の君たちへ」(’21年)も話題に(刑法改正で同意年齢は16歳に)。
YouTubeで性的同意年齢について発信
国会で参考人として性的同意について意見を
今年の5月、性犯罪の成立要件を見直す刑法改正案の審議に参加。「日本特有の『嫌よ嫌よも〜』なんて言葉で被害者を傷つけたり、増やすことはもうやめよう」と訴えました。
「やめて」には力があることを知ると、いざというときに意思表示ができるはず
遊びでの悪ふざけも許さない。 大人の意識のアップデートが急務
性教育の情報発信に力を入れ、6月に成立した刑法改正の審議では、参考人として国会にも招かれたSHELLYさん。長年伝え続けているのが“性的同意”の大切さについてです。
キス、ハグ、タッチなど性行為全般において、今、ここで、お互いにその行為がしたいかを確認することが“性的同意”。自分の心と体は自分だけのものであり、自分の体に関して嫌なことは嫌だと言っていい。『No means No』 はもちろん、最近は『Yes means Yes』の理解が進み、積極的な同意のみが性的同意だととらえられています。
同意は人間関係のすべての場面で必要ですが、特に性的同意が大事なのは、性のことはデリケートで、何かあったときに圧倒的に傷が深いから。どんなにお互いに好意があっても、性的なところでどちらかが強引に進めたら、準備ができていない側はやっぱり傷つく。お互いに歩幅を合わせることが大切なんですね。
日本はドラマやマンガで恋愛が暴力的に描かれることが多く“壁ドン”も“あごクイ”も相手に逃げ場を与えず、気持ちを押しつける行為。そうではなく、気持ちを確認して、しっかりコミュニケーションをとることこそが愛情表現なんだという感覚を持ってほしいなと思います
3人の娘の母であるSHELLYさんは、性的同意についてどのように教えているのでしょうか?
うちでは、2歳半ぐらいからお風呂でプライベートパーツについて教えていて、あなただけの大切なものだから、人に見せたり触らせちゃダメ、他人のプライベートパーツも勝手に見たり触っちゃいけないんだよと、口酸っぱく伝えています。その流れで、ふざけて私の胸をタッチしたら『ここはマミーのプライベートパーツだからやめて』と親である私も線引きを。
あとは、遊びの延長でくすぐったり追いかけたりしたときに子どもに『やめて』と言われたら絶対にやめること! 自分の『やめて』には力があると身をもって知ることで、いざというときにも意思表示ができるんですね。
わが家では親子でも姉妹の間でも 『やめては2回言わせない』が絶対的なルールです。被害者だけでなく、わが子を加害者にしないためにも大切なことで、嫌でもNOと言えない人もいること、必ず相手の顔を見て表情で嫌かどうかを感じ取ることも必要だと一緒に伝えています。
スカートめくりやカンチョーなど、大人が子どものかわいい悪ふざけとして許してしまっている行為も、実は立派な性暴力なんです。まずは大人の価値観をアップデートすることが、急務だと思っています。そして、万が一、子どもの性的同意が尊重されず被害にあってしまっても、性犯罪は加害者が100%悪いのであって、被害者は何も悪くない。この意識はもっと社会で定着してほしい。子どもを疑わずに、責めずに、話を聞いて守ってあげてほしいですね
SHELLYさん
「性的同意」とは?
セックスだけでなく、キス、ハグなどの
性行為全般において「今、ここで、お互いにその行為がしたいか」を 確認すること
夫婦、カップル、初対面の相手でも関係性にかかわらず、毎回必ず「嫌かどうか」ではなく「積極的にしたいかどうか」の確認をとらなければいけない。積極的な同意のない性行為は、性暴力に当たります。
次回は「『性的同意』の考え方がますます重視されるように。News&Topic」をご紹介。
Staff Credit
取材・文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE11月号(10/6発売)「女の子ママが知りたい! 『心と体の性教育』」に掲載の記事です。
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