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舞台『キャメロット』に出演

【桐山照史さんインタビュー】言葉にし続けてついに叶った憧れの先輩との共演

2023.10.13

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数年前、ラジオを聴いていた桐山照史さんは耳を疑った。大先輩の坂本昌行さんが、自分の名を「ライバル」として挙げてくれていたのだ。

言葉にし続けてついに叶った憧れの先輩との共演

桐山照史さん(ジャニーズWEST)

桐山照史さん(ジャニーズWEST)
ジャケット¥33000・シャツ¥22000・パンツ¥24200/GARDEN TOKYO(THE CRIMIE) Tシャツ¥9350/ユナイト ナイン(レミ レリーフ) ネックレス・ピアス/スタイリスト私物

「当時はまだ舞台への出演経験が少なかったのに、僕の存在を知ってくれていることがすごくうれしくて。いつか坂本くんと同じ舞台に出ることが夢だと、いろいろなメディアで言い続けてきました。やっと念願が叶って感慨深いですね」

共演を果たすのは、中世イングランドの都キャメロットを舞台にしたブロードウェイミュージカル『キャメロット』。桐山さんは優れた騎士道精神を持つ円卓の騎士ランスロットに扮し、坂本さん演じるアーサー王への忠誠と、その妻グィネヴィアへの抑えられない愛に葛藤する難しい役どころに挑戦する。さらに今回は、登場シーンからいきなり歌を披露することになるため、「本番初日は多分、めちゃくちゃ緊張してるやろうなあ」と苦笑いを浮かべた。

「ただ、チビの頃(関西ジャニーズJr.時代)からよく立たせてもらっていた日生劇場と松竹座での公演なので、そこはすごく心強いんです。日生劇場は大道具さんたちもみんな知っているくらい仲がいいし、僕にとっては帰る場所。そこでお芝居ができることは純粋にうれしいです」

裏方スタッフとのエピソードがさらりと出てくることからも、桐山さんが“人”を大切にしていることが伝わってくる。周りの仲間から相談を受けることも多いそうで、「実生活では次男やけど、なぜか兄貴っぽいキャラになっちゃう(笑)」とのこと。

「チームで一緒に仕事をするうえで心がけているのは、極力みんなで食事をとること。座長を任せてもらった舞台の稽古場には、絶対に差し入れにごはんを用意しました。おなかが空くと人間ってピリピリするじゃないですか。でも食べ物があればみんなで会話する機会も生まれるし、そうやってコミュニケーションがとれれば、仕事のうえでも相手の言葉を受け入れやすくなると思うんです」

2017年に出演した舞台『アマデウス』の上演中には、共演した歌舞伎の重鎮との驚きのエピソードも。

「僕から松本幸四郎(現・白鸚)さんに『ごはん行きましょう』とお誘いしていました。声をかけたら絶対に顔を出してくださるんですよ。カンパニーのみんなは、まさか幸四郎さんが一緒に食事に行ってくれるとは思っていなかったみたいで。中間管理職みたいなことをしてました(笑)」

コミュニケーション能力に長けた、気遣いの人。さらにDIYや料理、ダイビングや動画編集までできてしまう器用なオールラウンダーだが、苦手なことはあるのだろうか。

「もちろんありますよ、“集合体”とか。同じものが集まってるのって怖くないですか?(笑) あと、30歳を過ぎた頃からわちゃわちゃした場所も苦手になりました。DIYやダイビング、バイクのツーリングも好きなんですけど、全部言葉が必要ないじゃないですか。自分の世界に没頭できる趣味が多いことに、最近気づきました。普段は意外に静かなんです」

モットーは、「何事にも全力に」。

「仕事も遊びも、行動せずに後悔するのがめっちゃ嫌なんです。振り返って『昨日やっておけばよかった』と思うのはもったいないし、いつ死ぬかわからへんじゃないですか。だからやりたいと思ったことは全力でやる。思い立ったら、即行動です」

Profile

きりやま・あきと●1989年生まれ、大阪府出身。アイドルグループ、ジャニーズWESTのメンバーとして2014年にCDデビュー。ドラマ『ごくせん』、NHK連続テレビ小説『あさが来た』など俳優としても活動。近年の主な出演作はドラマ『ゲキカラドウ』、舞台『泣くロミオと怒るジュリエット』『赤シャツ』など。
公式サイト:https://www.johnnys-net.jp/page?id=profile&artist=29

舞台『キャメロット』

アーサー王(坂本昌行)はグィネヴィア(唯月ふうか)を王妃として迎え、武力ではなく法による統治を目指す。円卓会議を発案し、フランス人騎士ランスロット(桐山照史)をその一員に迎えるが、裏で二人が密かに愛し合っていることを知り、苦悩することに。●10月7日〜28日 日生劇場 問い合わせ=☎0570・07・3355(チケットホン松竹) 大阪松竹座での公演あり

Staff Credit

撮影/木村 敦 ヘア&メイク/井上ゆか スタイリスト/内田あゆみ(creative GUILD) 取材・文/松山 梢
こちらは2023年LEE11月号(10/6発売)『カルチャーナビ』に掲載の記事です。

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