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「好き」に囲まれたパリの暮らし

【パリ暮らし】イラストレーター 下山真鈴さん「古きものと自分らしさを融合。インテリアは今も進化中」

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2023.07.21

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【イラストレーター 下山真鈴さんのパリ暮らし】バラバラの家具、見せる収納…“未完成を楽しんでいます”

LEEが憧れるライフスタイルのお手本は、いつもパリから! パリに移住したイラストレーター 下山真鈴さんの「好き」に囲まれた暮らし〝さじ加減〟、まねしたい!

コロナ禍を経て久々に海外へ目が向く今、最新のパリから学びたい、暮らしのエッセンスをレポートします!

「完成形じゃなくても統一しなくてもいい。好きなものがミックスされたわが家が心地よい」
イラストレーター 下山真鈴さん

下山真鈴さん

Marine Shimoyama

日本のアパレル企業のプレスを経て、2007年渡仏。パリでグラフィックを学び、現在はアパレルやコスメ関連のイラスト、出版物やウェブサイトを手がけている。Instagram(marineillustration

古きものと自分らしさを融合。インテリアは今も進化中

下山さん家族は、パリ20区に友人たちと共同で古いビルを購入して敷地を分配。骨組みだけ残し、1階はLDK、2階は寝室や個室という間取りにスケルトンリノベーションしました。天井は梁とコンクリートでモダンに仕上げた一方で、床には古材を再利用。新旧のエレメントが見事に調和した空間が、2年前完成しました。

「以前は、白壁に白い家具の清潔感あるインテリアが好みでしたが、パリで暮らすうちにウッドなど素朴な味わいに惹かれるように。蚤の市で見つけた古い雑貨を、新しいものと組み合わせることで、今のテイストにたどり着きましたね。

そして、もうひとつフランス人から学んだのは“完成形じゃないインテリア”の楽しさ。例えば日本だと新居にはひと揃いのダイニングチェアを、と考えがちですが、住みながら少しずつ家具を集めていったり、変えたいところはDIYもしたり……より自由にお部屋を更新できるようになりました」

また、本棚に並ぶ花器や、階段横にずらりと飾られたアートなど、好きなものを寄せ集めたコーナー作りも、下山さん宅ならでは。

「ものが多くてしまう場所がない、しまうと忘れちゃう、というのもあるんですけど(笑)。出して見せることを心がけると、花器なら花を生けるのが習慣になったり、大切なものを眺められて幸せだったり、暮らしも潤うと思います」(下山真鈴さん)



STORAGE花器やピッチャーは、使っていないときもあえてずらりと並べて“出しっぱなし”に

「〝隠す収納〞が苦手なんです(笑)。好きで集めた雑貨は目に入る棚などに置いて、並べた姿ごとディスプレイにしています」。

本棚

花器やピッチャーは、階段下の造り付け本棚の一画に。いただいたお花も眺め続けたくて、飾ったままドライフラワーにすることが多いそう。

アクセサリー収納

アクセサリーもしまい込まず、玄関わきのジュエリーボックスに。出かける直前にチョイスするのが日課。

自宅のテラスで摘んだグリーン

花器に生けるのは、市場で買ったお花が多いそう。自宅のテラスで摘んだグリーンをまじえることも。

FURNITURE家具はバラバラになっても少しずつ集めたり、DIYしたり…“未完成を楽しむ”のがフランス流

「〝ファーマーズテーブル〞と呼ばれる19世紀中頃の農家で使われていた大きな食卓を中心に、1脚ずつ違う椅子を配して完璧すぎない抜け感を楽しんでいます」。

周りのキャビネットも、木の種類や色は揃えず1点ずつピンときた家具をミックスして。

食卓

イルマリ・タピオヴァーラのチェアや「Merci」で購入した椅子などをミックス。娘の杏菜ちゃんはいつもここで本を読んだり、お絵描きを。

WALLPAPER柄の壁紙を部分的に取り入れると個性的なアクセントに

以前から憧れていた柄の壁紙を、新居で採用。

「広いコーナーだとインパクトがありすぎるので、部分的に取り入れました。娘の部屋は一面だけウィリアム・モリスの壁紙を。仕事机の前には「Antoinette Poisson」の小さな壁紙を貼ってインスピレーション源にしています」

子ども部屋

子ども部屋の可愛い花柄の壁紙は、ロンドン郊外のウィリアム・モリスのギャラリーで惹かれたものに近いモチーフを探して購入。柄のおかげで収納扉が目立たなくなる効果も。

デスク

寒色系の柄の壁紙とギリシャ人作家によるシャンデリアで、デスクをときめく空間に。

LIVING ROOM家族が集うリビングは、ものが多くても素敵に見える収納をたっぷり

「散らかったものも、さっとしまえばインテリアとして気にならないよう、周りに大きな造作棚と収納を設けました。おもちゃなどを常にすっきり片付けるのは無理なので、気にならない程度にかごにまとめたり。完璧ではなく、ちょっと適当!くらいゆとりがあるほうが家族みんなの機嫌がいい(笑)」

リビングルーム
家族の本や愛用品がぎっしり詰まった大きな造作棚と、夫の夢で作った暖炉がリビングの顔。スペイン製のラグに、イームズやヴィンテージなどさまざまな椅子を組み合わせて。

KITCHENキッチンに作業台兼ミニテーブルがあれば家族みんなで料理を楽しめる

ダイニングとは別に、キッチン内にも軽食を食べられる作業テーブルが。欧米ではよく見られますが、

「ここがあることで家族も料理に参加しやすく。イタリア料理が得意な夫が腕を振るったり、娘がお手伝いしたり、友人とアペロをすることも。笑顔が絶えない憩いの場です」

キッチン

飲食業を営む夫アレクシさんの希望で調理台は〝ピアノ・ドゥ・キュイッソン〞と呼ばれるプロ仕様に。5つ並べた照明はパリの人気陶芸家、アリックス・デ・レニスのもの。

子どもとキッチン

杏菜ちゃんのおままごとキッチンも。イケアのものにゴールドのハンドルを付けてリメイク。

ARTフレームアートは床置きしたり…家の随所に無造作に並べて

「夫の家族から譲り受けた絵画やお気に入りの映画のポスター、旅先の風景写真、そして長女の描いた絵など作風が異なるアートも臆せず自由に飾っています。好きなものを組み合わせているから、意外と統一感が出て、家のリズミカルなアクセントになっているかも」

写真やポスターが飾られた階段の壁

写真やポスターが飾られた階段の壁。

天井の間にも直置きしたアートが並ぶ

天井の間にも直置きしたアートが並ぶ

階段上部と天井の間にも直置きしたアートが並ぶ。黒がメインのフレームは画材屋さんで購入。


次回は、【料理教室主宰・テーブルコーディネーター 萩原加奈子さんのパリ暮らし】料理の味や花の香り…風通しがいいからこそ五感が刺激されるシンプルな住まいをご紹介します。

撮影/篠 あゆみ 取材・文/鈴木ひろこ

こちらは2023年8・9月合併号(7/7発売)「「好き」に囲まれたパリの暮らし」に掲載の記事です。
※商品価格は消費税込みの総額表示(2023年8・9月合併号現在)です。

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