子どもにも大人と同じように片頭痛や緊張型頭痛があります。
成長への影響や緩和の仕方、頭痛薬や受診の目安など、気になるポイントをまとめました!
わが子の頭痛が気になる!
子どもが頭痛を訴えてきたら?受診の目安、ケアを知りたい!
教えてくれたのは… 医師 五十嵐久佳さん
日本頭痛学会理事。頭痛専門医。富士通クリニック(神奈川県)、東京クリニック(東京都)にて頭痛外来を担当。監修に『頭痛女子バイブル』(世界文化社)などがある。
不規則な生活やストレスなど頭痛の要因はいろいろある!
「幼児のうちから片頭痛がある子はいますし、腹痛や嘔吐を繰り返す症状が将来片頭痛になる場合もあります。
子どもの片頭痛は小学校までは比較的持続時間が短く、大人が4時間以上続くのに比べて2時間程度でよくなることが多いよう。ですが思春期になると、さまざまなストレスから頭痛が慢性化する『慢性片頭痛』に移行したり、女子なら生理が始まることで片頭痛が重くなる場合も。近年はスマホやタブレットを見る際の悪い姿勢で、頭痛になる子も増えているようです。
子どもの頭痛の原因もさまざまで、姿勢の悪さや不規則な生活のほか、習い事や塾などによる忙しさ、親子関係のストレスなど心因性のものもあります。
子どもがよく頭痛を訴えるようなら、生活リズムが乱れていないか、子どもにストレスがかかりすぎていないかなどを一度見直してみるといいでしょう。何か病気が隠れている可能性もあるため、一度きちんと受診することをおすすめします」(医師 五十嵐久佳さん)
知っておきたい!子どもの頭痛の特徴5つ
1 片頭痛、緊張型頭痛の両方がある
2 片頭痛の場合は2時間程度でおさまることが多い
3 緊張型頭痛は姿勢の悪さからくることも
4 女の子は生理がくるとホルモンバランスの関係で片頭痛の割合が増える
5 小学生以降は人付き合い、学業やスポーツによるプレッシャーなどの精神的なストレスで慢性化することも
子どもの頭痛Q&A_1
私も頭痛持ちで、どうやら娘も。頭痛は遺伝するのでしょうか?
(LEEメンバー aoiroさん)
A 片頭痛は親から遺伝する場合も多い
「片頭痛は家族性因子があるといわれます。母親が片頭痛持ちである割合が高いですが父親の場合も。子どもが幼く頭痛の訴えがわかりにくい場合に、親がそうであるなら片頭痛の可能性も考えられます」(医師 五十嵐久佳さん)
子どもの頭痛Q&A_2
お医者さんに行くべきか、様子見をすべきか、見極めるラインを知りたい
(LEEメンバー さなみんさん)
A 頻度が高かったりいつもと違う様子なら受診を
「片頭痛の場合、頭痛が長引いたり頭痛の日数が多いと感じたら受診すべき。今まで嘔吐がなかったのに急に嘔吐した、などいつもと違う場合も要受診です」(医師 五十嵐久佳さん)
子どもの頭痛Q&A_3
子どもが飲んでも大丈夫な頭痛薬は?
(LEEメンバー こち丸さん)
A アセトアミノフェン、イブプロフェンが安心です
「子どもの頭痛や熱で病院に行くと『カロナール』という薬を出されることが多いですね。これは最も安全性の高い『アセトアミノフェン』という鎮痛成分を使っていて、用法・容量を守れば成長に悪影響はありません。イブプロフェンも有効性が高く、処方薬であれば小児にもおすすめされています」(医師 五十嵐久佳さん)
子どもの頭痛Q&A_4
生活習慣と頭痛は関係あるの?
(LEEメンバー N美さん)
A 関係あり!生活リズムの見直しから始めよう
「朝きちんと起きて朝日を浴び、朝食を食べる。夜遅くまでスマホやテレビを見ないで早く寝る。人間本来の体のリズムに沿った生活で自律神経を整えることで、子どもの頭痛は改善することも多いです」(医師 五十嵐久佳さん)
頭痛ともっとうまく付き合いたい!イラストレーション/松元まり子 取材・原文/遊佐信子
こちらは2023年LEE5月号(4/7発売)『頭痛ともっとうまく付き合いたい!』に掲載の記事です。
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