凸凹がある子の苦手なことに着目し、楽しく解決法を提案する『でこぼこポン!』。この画期的な番組はどのように生まれたのか、プロデューサーの岩田大輔さんに聞きました。
『でこぼこポン!』とは?
発達に凸凹がある子どもを、ドラマやゲーム、歌、ダンスで楽しくサポート。レギュラー出演している鳥居みゆきさんも話題に。Eテレにて火曜午前8時35分から放送中。
Q
『でこぼこポン!』制作の経緯を教えてください。
A
数年前にNHKで「発達障害って何だろう?」というキャンペーンを行いました。認知は高まったと感じた一方で、当事者の子どもに対する支援はもっと必要だと感じ、番組を企画しました。
Q
凸凹に困る子へのサポートという内容になった理由は?
A
「当事者のための番組にしたい」というのが最も大きな理由でした。取材をもとにありがちなシチュエーションを取り上げ、当事者である子どもにとって“共感できる”ことを重要視しています。また“役に立つ”ということも大事にしていて、具体的なサポート方法を紹介することで、ひとつでもふたつでも実生活で役に立ち、困りごとが減ればいいなと思っています。
Q
専門家への聞き取りの中で、視聴者に伝えたいところは?
A
凸凹があると周りから“困った子”だと言われがちですが「一番困っているのは当事者本人ですよね」と専門家の方々と話しています。時には「しつけがなっていない」などと保護者や家族にも厳しい視線が向けられますが、番組を通して、当事者の行動にどういう背景や理由があるのかについても、理解が深まればいいなと思います。
Q
当事者への取材で、印象的だったことはありますか?
A
取材をすると、頭の中の想像では出てこないような、リアルな気持ちや行動がわかります。例えば“読字障害”をテーマにした回では「読もうとすればするほど、文字がバラバラになって逃げていく! 私はこの本に嫌われている!」といったセリフを入れたのですが、これは当事者の言葉がベースにあります。そういった生の言葉を聞くと、当事者はこんなに困っているということがよくわかります。
Q
番組を見た視聴者からの声、感想でうれしかったものは?
A
「発達が気になる子の特徴や、その支援の方法が楽しくわかりやすく描かれていて役に立つ」といった好意的な意見が多数届いています。当事者や保護者から「発達凸凹について話せる人が周りにいないので、番組に共感してもらっている気持ちに」という声もあります。当事者以外の方からの「発達凸凹が大きい人との接し方のヒントになる」という感想もありがたいです。こうした反響は、番組制作の大きな力になっています。
「本当にいい番組なのかな?」という不安も常にあるので、好評の声のおかげで「作ってよかった!」と感じられ、やる気が湧いてきます。これからも、視聴者の方の期待にこたえられるよう頑張ります!
【特集】本音で語る、発達凸凹(でこぼこ)な子どもとの暮らし
取材・原文/野々山 幸(TAPE)
こちらは2023年LEE3月号(2/7発売)「本音で語る、発達凸凹(でこぼこ)な子どもとの暮らし」に掲載の記事です。
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。