モデルとしての集大成になったファースト写真集が発売
俳優として次々と話題作に出演しながら、雑誌『メンズノンノ』の専属モデルとしても活躍している宮沢氷魚さん。
初めての写真集が、2023年1月20日(金)に発売になりました。
宮沢さんは、2023年3月をもってメンズノンノモデルを卒業することも決定しており、この写真集は、2015年から7年以上もの間、誌面を盛り上げてきた、“メンズノンノモデル宮沢氷魚の集大成”であり、メモリアルな1冊となっているそうです。
そこで、これからも大注目の宮沢さんに、写真集の撮影エピソードや、ご自身についてのお話を聞いてきました。
宮沢氷魚 Hio Miyazawa
1994年4月24日生まれ。アメリカ合衆国出身。第30回メンズノンノ専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、2015年10月号よりメンズノンノモデルとして誌面デビュー。2017年には、ドラマ『コウノドリ』で俳優デビュー。以後、ドラマ『偽装不倫』(’19)、連続テレビ小説『エール』(’20)などに出演。初主演映画『his』(’20)にて数々の新人賞を受賞、映画『騙し絵の牙』(’21)では、第45回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞した。 2022 年には、NHK 連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演。2023年には、映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』、映画『エゴイスト』の公開が控えている。
宮沢氷魚 公式サイト
今の自分のベストがつまってる一冊
──初めての写真集。出来上がった時の感想は?
「感動がすごかったです(笑)。
モデル1年目は、ポージングとかめちゃくちゃダサいし、編集部の人はよく使ってくれているなと思うぐらい、何もできなくて。その時期を考えると、この7年間でモデルとしての仕事はもちろん、お芝居などいろんなことを経験して、成長した今の自分のベストがすべてここにつまっているなという感じがしますね。
メンズノンノモデルになった頃から、表紙を飾ること、連載を持つこと、そして写真集を出すことが、夢というか目標だったんです。その目標を何がなんでも成し遂げたい気持ちを持っていて。だから、専属モデルは今年で卒業するんですけど、自分の節目のタイミングでこのような素晴らしい写真集ができたことが本当に夢のようです。
撮影している時も、間違いなく良い物になるという確信はあったんですけど、実際に出来上がった写真集を手に取ってみると、想像以上の仕上がりになっていて、“一日でも早くみんなに見てほしい!”と思える写真集になりました」
──撮影した場所は、京都と沖縄。この2カ所を選んだ理由は?
「自分にゆかりのある土地に行きたいなと思ったから。アメリカ生まれでもあるので、最初はアメリカに行きたいなと思っていたんですけど、やはりこのご時世、なかなか海外には行くのは難しいということで国内での撮影になったんです。
国内で撮影するなら……と考えた時に、映画の撮影を京都でしていたタイミングでもあったし、朝ドラの『ちむどんどん』で沖縄にはたくさんお世話になったので、この2つのエリアで撮影したいなと思いました。
この2カ所を選んで、とても満足しています。普段では行けない場所にたくさん行かせてもらいました。
京都だったら、早朝のお寺を貸切状態で撮影させてもらったり、プライベートでは選ばないような場所に行ったり。沖縄も、今まで15回以上は行っていて馴染みのある場所なんですけど、どんどん変化しているので、今回の写真集の撮影でも新しい発見がたくさんありました。
京都も沖縄も、自分が知っている場所ではあるんですけど、新しい発見があったからこそ、新鮮でフレッシュな表情の写真がたくさん撮れたと思います」
──宮沢さんのナチュラルな表情がとても印象的でした。
「キメキメのファッション誌っぽい写真集にもできたと思うんですけど、『メンズノンノ』でも他の媒体さんでも、そういう撮影は多いので、あえて旅をしているような、オフの自分をこの一冊に収めたいなという思いがありまして。
だから現場も、“撮るぞっ”というテンションじゃなくて、なんとなく始まって、気がついたら写真を撮っていて……みたいな、写真集の撮影をしている意識はあまりなくのぞんでました。そういう環境にしてくれたのもスタッフさんたちのおかげです。
今回、カメラマンさんやスタイリストさん、ヘア&メイクさん、編集さんと、何年もお世話になっている方々が揃ってくれたからこそ、自分のオフの表情がたくさん出たと思います。
あと、ここ数年、気軽に旅行をしにくいご時世ですよね。今はだいぶ旅がしやすくなりましたけど、この一冊を見るだけで、僕と一緒に旅をしている感覚になってくれればうれしいです」
──写真集の中で、とくにお気に入りの写真は?
「全部お気に入りです(笑)。写真集のことで取材を受けると、いつも聞かれるんですけど、その日の気分で好きな写真が変わるんですよね。
でも、常に僕が好きなシリーズが、喫茶店でコーヒーを飲みながら本を読んでるカット。衣装とこの空間と、外から入ってる光が絶妙なバランスなんです。
この日は晴れてはいたけど、快晴ではなくて、少し雲がある感じだったので、影もいい感じの雰囲気で出ていて。僕の理想の休日を撮ってもらったようなカットです」
「写真集の中には、すごく笑顔ではじけているカットもありますし、京都で撮影した着物姿などの大人っぽいカットもあります。僕も今年で29歳と自分的にも立派な大人と感じる年齢になるので、大人っぽさも意識しながら撮影することもありました」
──京都と沖縄、6日間で撮影したと伺いました。撮影中の裏話を聞かせてください。
「ヒヤッとしたことがありました。
最初に京都で撮影をしていて、もう1日京都に滞在して沖縄へ移動って日に、台風が接近していたんです。あと半日経つと飛行機も飛ばないかもという状況。京都での撮影はすでにいいカットがたくさん撮れていたこともあって、急遽、翌朝の便で沖縄へ移動することになりました。
編集さんがすぐにチケットを変更してくれて無事移動できましたが、その便を逃していたら、他の時間帯や次の日もチケットが取れなかったかもしれない。あの決断がなければ、沖縄では豊富に撮影ができていなかったと思います。
沖縄は台風の通過後だったので、すごくいい天気でした。もしかしたら、沖縄が“早くおいでー”って僕を引き寄せたのかもしれないですね(笑)」
“もっといろんな景色が見たい”欲は高いです
──写真集のタイトルに“ Journey”とついていることにちなんで、思い出に残ってる旅のお話を聞きたいです。
「19歳の頃かな。僕がアメリカ留学をしている時に、中古の安い車を買って、友達と二人でロードトリップをしたことが、自分の中で一番刺激的な旅でした。
西海岸のグランドキャニオンやセドナに行ったり、ラスベガス、そして北のサンフランシスコのほうへと、1カ月くらいかけて車で移動しながら、転々と回っていました。
壮大できれいな景色を見られるのはもちろん、お金もない学生だったので、安いモーテルに泊まったり、山の方へ行った時は寝袋で寝たり、車の中で寝たことも。アメリカは車で1、2時間走っただけで、街から急に砂漠地帯になってる土地もあるんです。“ここで車が止まったらどうなるんだろう……”という場所にも行ったので、“生きてるってすごいな”って思えたんですよね。
そういう体験が自分の中で結構ターニングポイントだったというか、“もっといろんな景色が見たい”っていう気持ちになれた旅でした。
その旅をするまでは、自分の慣れている場所で過ごすことに満足していたんです。旅行も好きでしたけど、基本的に安全な場所や、自分が知っている場所の方へ行ってました。
でも、このロードトリップを経験してからは、知らない国や街にも行ってみたいと思えるようになったし、何よりいろんな人に出会うきっかけになったので、もっと自分から人とどんどんコミュニケーションをとって、交友関係の幅を広げていきたいなと思えました。
旅に出て、いろいろな景色を見ていると、自分の悩み事とかがどうでもいいことばっかりだなと思えて、また頑張ろうって気にもなるんですよね」
──では、“Next Journey”はどこがいいかは決めてるんですか?
「若いうちは、アジアの国に行きたいですね。インフラがまだ整備されていないところも多くありそうですし、自分の足でいろいろ回らないといけないというところで、年を重ねてからだと行きにくいだろうし……。体力があるうちに、ベトナムやタイあたりは行きたいです。
あとは、アイルランド。僕の母方のルーツがアイルランドにあって、血の繋がる親族がいるらしいので。どうたどり着けばいいのかはわからないですけど、会えなくても自分のルーツのある場所には行ってみたいな。
アイルランドの国自体も、いまいち自分の中でイメージしきれていないです。自然が多くて演劇が盛んだということは誰かから聞いたので、お仕事にも刺激がありそう。すごく興味のある国なので、近いうちに行きたいです」
メンズノンノモデルの卒業は自分の自信につながる
──写真集は、メンズノンノモデルだった期間の集大成ということで、この7年で一番ご自身が変わったと思う部分は?
「少し自信がついたところ。メンノンの活動で言うと、今回写真集を出させていただいたり、表紙も何度かやったりと、“自分がこうやりたい、こうでありたい”と思ったモデルになれているような気がします。その自分が歩んできた道や、選んできた判断が正しかったと自信が持てているので、その部分は7年前と変わったと思います」
──逆にここは変わってないなと思うことは?
「メンノンの現場に行くことが毎回楽しみということかな。メンノンってすごく特殊な場所だと思っているんです。編集部のみなさんとも仲が良いし、カメラマンさんやスタイリストさん、メイクさんとも仲が良い。同じモデルたちも兄弟のようで、ファミリー感が強いです。
だから、撮影する時はいつも楽しい。ただ、モデル仲間は、みんなライバルでもあるので、みんなの活躍を見ながら“負けてらんないな”と自分を高めていきたいと思える環境でもあります」
──同世代の人たちがこんなに集まれる現場って、そんなに多くないですよね。
「なかなかないです。ドラマや映画の現場でも、3〜4カ月のつき合いというか、朝ドラはもっと長いですけど、撮影が終わったら、その場限りの人も多いんですよね。僕は、7年以上メンズノンノモデルとしてやらせていただいて、そんな長い間をともに仕事をする人もいないので、このメンノンの現場で培ったものは、この先も活きていくんじゃないかなと思ってます」
──メンズノンノモデル卒業前の今の心境は?
「まだ実感がわかなくて……。自分がメンズノンノモデルとして掲載される最後の号が発売されてから初めて実感するんじゃないかな。
7年間お世話になっていて、ここに甘えているつもりはないんですけど、帰る場所というか、心地がいい場所なんですよね。
だけど、そろそろ“メンズノンノモデル”という肩書きを外して、自立して先に進むタイミングなんじゃないかなと思い、卒業を決めました。
自分のホームから離れる経験は、高校を卒業して、大学の時にひとりで2年間アメリカに留学した以来。その時は、実家ももちろん離れたし、日本からも離れたので、かなり不安や恐怖があったんですけど、でも行ってみると、その決断をしてよかったなと最終的には思ったんです。
だから今回も、メンズノンノの卒業は必ず自分のプラスになると思うし、30歳目前のこのタイミングで卒業するのも自分にとってはベストなんじゃないかなと思ってるので、寂しさもありつつも、これからの楽しみの方が大きいです」
2023年は少し違う覚悟を持って、仕事に挑みたい
──NHK 連続テレビ小説『ちむどんどん』に出演し、より世間の注目が集まった2022年。宮沢さんにとって、どんな年でした?
「あっという間に終わりました。2021年の年末から2022年の年始まで、映画『THE LEGEND & BUTTERFLY』の撮影を京都でしていて、終わるとすぐに東京へ戻ってきて、『ちむどんどん』の撮影が始まったんです。ずっと作品を撮影していて、とにかく走り続けた1年でしたね。
気がついたら2022年が終わっていて、新しい年が始まってました(笑)。今年は楽しくお仕事をしたいですね。毎年楽しくできてるんですけど、また改めてその楽しさを感じながらお仕事したいです。
メンノンを卒業をする年でもあるし、自分の中でひとつ上のステップに行く年だと思うので、いつもの年とは少し違う覚悟を持って、仕事に挑みたいなって思っています。でも、気がついたら今年も終わってて、多分来年も同じようなこと言ってるんだろうな(笑)」
──忙しい毎日は、どのように過ごしていたんですか?
「『ちむどんどん』の撮影中は、朝8時くらいにはNHKに到着して、撮影が終わる頃にはもう外が暗くなってる。その生活を月曜から金曜、長い時は土曜日まで、日曜日はその週に撮影するセリフを覚えるという日々を過ごしていました。
なので、基本的に家にいるかNHKにいるかというルーティンがあったから、ある意味楽な部分もあって。毎日同じ時間に起きて、朝ご飯を作って食べて、現場へ行って夜に家に戻って、お風呂に入って寝るみたいな。だから体的にはすごく健康的な1年でした。
ただ、その生活に慣れると、他の現場が大変でしたね。現場ごとに違う入り時間なので、そのリズムに戻るのに少し時間がかかりました」
──忙しい中でも自炊をされているって素敵ですね。料理はよくするんですか?
「料理はします。上手いわけではないんですけど、もともと料理をするのが好きで、自分が満足するレベルでやってます。自分で食べる分にはあまり見栄えも気にならないので、すぐできて、おいしければいいやという感じです(笑)。
一応、作ろうと思えばなんでも作れます。ただ、作りながらビールやワインを飲んで、時々つまみ食いをしたり、別でおつまみを作って食べたりもするので、料理ができた頃にはもうお腹いっぱいなんです(笑)。だから、作ったものはラップして、次の日に食べることが結構あります。
料理にハマったのはひとり暮らしをしたタイミングですけど、自分で作り始めたのはアメリカ留学の2年目ぐらい。薄味のものが食べたくなって、味噌汁を作ったり、魚を焼いて食べてました。学校内にあるアパートに住んでいて6人部屋だったんですけど、立派なキッチンがあったので、料理意欲もわいて、その頃はよく日本食を作ってました」
──小さい頃から親の手伝いをされていたりも?
「母親の手伝いはたまにしていました。野菜を切ったり、炒めたり。教えてもらうというより、親が作っているところを見て、なんとなく覚えた感じかな。料理をするようになると、“自分だったらもう少しこう味つけしたいな”と思って、自分なりの味つけで母の料理を再現してる感じです。
僕はやる気モードになれば、結構とことんやるタイプ。掃除とかも朝起きて、“今日は掃除をやりたい”と思ったら、もう家中とことんやります。でも、そうじゃない時は何もしない。ずっとソファーにゴロゴロしていて一日が終わります。気まぐれなんです(笑)」
自分の子どもができたらちゃんと叱りたい
──LEE読者は子育てをしている方が多いです。宮沢さんは、小さい頃、親に影響を受けた出来事はありますか?
「親には、僕が間違ったことをやると、人前であろうが、家であろうがちゃんとその場で怒られてました。電車の中とかで良くないことをしたら怒られて、僕が泣いたりしても、“泣くんじゃない!”と言われたので、一生懸命涙をこらえた記憶があります(笑)。
間違ったことは間違ってると言ってくれたし、いいことはいいと言ってくれた。小さい頃から社会で生きて行く上での最低限のマナーは教えてくれました。それが小さい頃にできてないと、もっと成長してから教えてもらっても、なかなか自分のものにはならないだろうし。教育をちゃんとしてくれたと思いますね。
親の存在は怖かったですけど、自分も子どもができたら、ちゃんと叱りたい。叱らなくてもいい子どもだといいんですけど、そんな子はいないと思うし。間違ったことは間違ってると伝えていきたいなと思います」
──子育てでバタバタしてるLEE読者にメッセージをお願いします!
「僕は、どんなに忙しくても自分の時間をちゃんと確保したほうがいいと思っていて。僕自身も、すごく忙しい時期は自分のことを考えられなくなって、自分自身を大事にできなくなる時があるんです。そうなると、絶対仕事がうまくいかないなくなるので、子育ても同じかなと思います。 自分のことを大事にする時間を、数分でもいいので持っていただきたいですね。
その時間がないと頑張れないし、僕の親も、僕が小さい時は子育てがすごく大変だったと思うんです。だけど、ちゃんと自分の時間を大事にしていたから、子どもとしても罪悪感がないというか…。自分のせいで親がつらかったり、自分の時間がなくて苦しんでいる姿を見ると、子どもも幼いながら罪悪感みたいなものを持つと思うんですよね。僕の親は、あえてだと思うけど、僕には見せなかった。それってすごく大事なことだと思います。ちゃんと自分の時間を大事にしてほしいです」
──ちなみに、宮沢さん自身は、今は自分の時間を大事にできてますか?
「できてると思います。今は、本を読んだり、散歩をしたり。あと、やっと友達とも会ってご飯に行ったりすることもできるようになったので、友達と会って、時には愚痴を言ったり、愚痴を聞いたりしてますね(笑)。
でも、自分の中で理想の休日を過ごすことができるようになったのは、昨年末から今年にかけてから。もともと読書はあまり好きではなかったんですけど、いい作品に巡り合えるとどっぷりハマれるんですよね。最近も、いい作品に2冊ぐらい巡り合えたので、読書にハマれることができてます」
ひとつひとつの質問に、ゆっくりと真摯に回答していく宮沢さん。そこには穏やかな時間が流れていて、いい経験を重ねてきた佇まいを感じ取ることができました。
宮沢氷魚ファースト写真集 『Next Journey』発売中!
書名 :宮沢氷魚 1st 写真集『Next Journey』
発売日 : 2023 年1月20日(金)
予価 : ¥2970
版型 :120P/A4 判
集英社刊
撮影/北浦敦子 スタイリスト/松川総 ヘア&メイク/石川ユウキ[Three PEACE] 取材・文/宮平なつき
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