洗うたびに買ったばかりの白さが失われるのが白Tシャツの宿命だと思っていませんか?
家庭での洗濯でも、プロの技を学ぶことで白さを保つことが可能になるんです! 目からウロコのクリーニングの名店メソッドがたっぷり! 今回は、漂白のプロ技をご紹介します。
自宅でできる!
黄ばみ、くすみ、油汚れ、泥汚れを落とす漂白のプロ技をマスター!
ガンコな汚れがついてしまっても諦めないで! 自宅でもできる漂白を行うことで、スッキリきれいに落とせるかも!
#01
「黄ばみ」は部分洗いでスッキリ!
衿まわりやわきの下あたりに黄ばみができてしまう原因は、洗濯で落とし切れなかった汗や皮脂の成分! 酸素系漂白剤での部分漂白が効果ありです。コーヒーやしょうゆなどの水溶性のシミにも!
用意するもの
・45℃前後のお湯
・歯ブラシまたはブラシ
・過炭酸ナトリウムが入った酸素系漂白剤(今回はオキシクリーンを使用)
Step_01
酸素系漂白剤ペーストはシュワシュワと泡立つのが理想!
45℃前後のお湯1:過炭酸ナトリウム入りの酸素系漂白剤2の割合で混ぜ、粉が消えるまで溶かします。
「お好み焼きの生地のようなドロッと感が目安です」(向山さん)
Step_02
シミが気になる部分に泡をたっぷりのせる
「シュワシュワ泡立つのが過炭酸ナトリウムが反応している証拠です」(向山さん)。
ブラシを使って、黄色っぽいシミが気になる箇所に泡を表・裏にのせていきます。そのまま1時間ほど放置したら、通常どおりの洗剤量で洗濯します。
#02
全体的な「くすみや黄ばみ」はつけおき洗いで除去!
洗濯時の逆汚染による衣類全体のくすみ、黄ばみにはつけおき洗いで対処。液体の酸素系漂白剤(過酸化水素が主成分)は、重曹を一緒に溶かすと過炭酸ナトリウム入り酸素系漂白剤と似た働きに。
用意するもの
・45℃前後のお湯
・酵素入り粉洗剤
・過炭酸ナトリウムが入った酸素系漂白剤(今回はオキシクリーンを使用)
・つけおきできるサイズの容器2つ(タテ型洗濯機の場合はそのままつけおきでもOK)
Step_01
水温45℃前後が最も漂白剤が働きやすい
容器にお湯と水を混ぜて水温が45℃前後になるよう調節し、パッケージに書かれた量を参考に酸素系漂白剤と粉洗剤を溶かします。粉っぽさがなくなるまで溶かし切って。
Step_02
衣類全体がお湯の中に沈むようにつけ込む
つけおきしたい衣類を容器の中に沈めます。衣類全体が水の中に入るように押さえていって。手が荒れやすい人は、ゴム手袋を着用するのがおすすめです。
Step_03
まんべんなく漂白するために重しを
衣類が空気に触れると漂白作用にムラができるため、上から似た容量の容器をのせ、水を入れて重しにして30分以上おく。
「容器がなければ浴槽でつけおきをしても」(向山さん)
#03
「油汚れ」は食器洗い用洗剤で予洗い→部分洗い!
食べこぼしによる油汚れを落とすのは、食器洗い用洗剤!
「ファンデーションなど化粧品がついてしまったときはクレンジングを使うなど、洗濯用洗剤以外が役立つ汚れもあるんですよ」(向山さん)
用意するもの
・食器洗い用洗剤
・45℃前後のお湯
・過炭酸ナトリウムが入った酸素系漂白剤
(今回はオキシクリーンを使用)
・歯ブラシまたはブラシ
Step_01
汚れに食器洗い用洗剤をつけてもみ洗い
汚れがついてしまった部分に食器洗い用洗剤を垂らし、少量の水をつけてもみ洗いをします。
「この段階では主に、汚れの油分を洗剤で溶かして落とすイメージです」(向山さん)
Step_02
シミが気になる部分に泡をたっぷりのせる
カレーやミートソースなど1で落とせなかった手ごわい油汚れは、酸素系漂白剤ペースト(作り方は上記の「黄ばみ」の部分洗いプロセス1に)の出番です。
Step_03
1時間程度塗りおきしたらいつもどおりに洗濯
汚れにブラシでペーストを塗って1時間程度おき、通常どおり洗濯。
「一度洗濯してまだ汚れが残っていたら再度部分漂白を。洗濯も45℃前後のお湯で行うのが理想です」(向山さん)
#04
「泥汚れ」はつけ込み&ブラッシングで洗い流す!
「泥やサビ、墨汁などは不溶性の汚れなので、漂白剤などで溶かし出すことができません」(向山さん)。
これが泥汚れが落ちにくい理由! 繊維の間に入り込んでしまった汚れをどう取り出すかが勝負に。
用意するもの
・重曹
・45℃前後のお湯
・酵素入り粉洗剤
・歯ブラシまたはブラシ
Step_01
つけおき前の重曹水で汚れが落ちやすくなる
パッケージに書かれた量を参考に重曹を水に溶かし、泥汚れが目立つ部分にスプレー。
「重曹の研磨効果が洗剤と合わさることで相乗効果を生むので、 洗濯前にスプレーすると泥汚れが落ちやすくなります」(向山さん)
Step_02
泥の粒子をかき出すため、酵素の効果で繊維をゆるめる
45℃前後のお湯に酵素入りの粉洗剤を溶かして、30分ほどつけおきします。
「酵素は40℃以上のお湯でないと働きません。酵素の働きで繊維がゆるんだところでブラッシングをして、泥の粒子をかき出しましょう」(向山さん)
▼
▼
ブラッシングしてから洗濯機へ投入
教えてくれたのは?
クリーニング カラキヤ
向山正幸さん
創業100年を超え、全国から次々に依頼が届くクリーニングの名店「カラキヤ」で品質管理の責任者を務める洗濯の大ベテラン。クリーニング歴40年を迎えてなお、シミ落としの研究に余念がない。
113年の歴史がある名店クリーニング カラキヤ
●Instagram:karakiya1909
●公式サイト:www.karakiya.com
東京都港区高輪2の7の8
☎03・3445・0974
他にも「Tシャツを真っ白に洗いたい」を公開中!
次回は、「夏の洗濯悩みをスッキリ解消Q&A」をご紹介。詳しい内容は2022年LEE8月号(7/7発売)に掲載中です。
撮影/露木聡子 伊藤奈穂実(店舗写真)イラストレーション/鈴木あり 取材・文/古川はる香
※商品価格は消費税込みの総額表示(2022年7/7発売LEE8月号現)です。
▼「洗濯」関連記事はこちらもチェック!
この記事へのコメント( 0 )
※ コメントにはメンバー登録が必要です。