ポイント還元率が続々変更に
相次ぐ値上げへの対策として、ポイントを効率よく貯める「ポイ活」が人気です。
そのために現金ではなくカード払いを多用している人も多いはず。
ところが、その還元率が変更になったり、ポイント対象外になってしまうケースが起きています。これまで通りポイントが付くと思っていたら、ある月から条件が変わっていた――ということも起きているのです。
2021年には楽天カードが、電気・ガス・水道等の公共料金、税金、国民年金保険料の支払いについてのポイント還元率を変更、それまでの1%から0.2%に引き下げました。固定費のカード払いは、毎月自然にポイントが貯まるので効率がいい方法とされていただけにショックです。
今年の4月からはタカシマヤプラチナデビットカードが、やはり公共料金・税金・ふるさと納税・NHK受信料・国民年金保険料や国民健康保険料の還元率を引き下げました。
また、振込用紙をスマホで読み取り、コード決済で支払う「請求書払い」でもポイント変更が。これまでポイント還元の対象にしていたPayPayが、4月から対象外としたのです。
固定費の支払いは今後もポイント改悪か
新たな買い物をしなくてもポイントが稼げる公共料金などの支払いは、利用者にとってメリットが大きいのですが、カード会社側の立場に立てばありがたくないのでしょう。
そもそもカード加盟店でどんどん使ってくれることで、その決済手数料が利益になるのですから、それが期待できない固定費についてはポイント還元もそれに見合うだけにしたいというのが本音ではないでしょうか。そう考えると、現在は還元率を変えていないカードも、遅かれ早かれもらえるポイントが少なくなる日が来そうです。
給料が上がらず、未だ節約志向が強まる中、ポイント還元は利用者を惹きつける大きな武器なのですが、新規のお客(利用者)がしっかり確保できたところで徐々にその還元率を下げていく――という戦略なのかもしれません。
利用者側も、ポイ活を目的としてカード払いを選んだのなら、今の還元率がいつまでも続くと期待せず、引き下げのお知らせが来ていないかをしっかりチェックすることが必要でしょう。
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松崎のり子 Noriko Matsuzaki
消費経済ジャーナリスト
消費経済ジャーナリスト。雑誌編集者として20年以上、貯まる家計・貯まらない家計を取材。「消費者にとって有意義で幸せなお金の使い方」をテーマに、各メディアで情報発信を行っている。
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