3月3日の雛まつりも過ぎると、日差しも春らしくなってきますね。みなさまにはいかがお過ごしでしょうか。前回の星がたりでも取り上げた話題ですが、「運がいい悪い」って何だろう? と考えると、意外と答えられないと思いませんか。
西洋占星術の基本にあるのはマクロコスモス(大きな宇宙)とミクロコスモス(小さな宇宙)は相似形であるという考えかた。太陽系の惑星が12星座を通るとある形やエネルギーが生まれる。地球も太陽系の一部なのだから、宇宙で起こっていることは地球にも起こるということです。宇宙の動きが地上の私たちのバイオリズムとなるように私は思っています(バイオリズムとは心身の波を表すものですが、科学的なエビデンスはないとされています)。
つまり太陽系で土星と天王星が喧嘩していたら、地上でも土星的な人と天王星的な人がぶつかるし、土星的な事象と天王星的な事象が二極化する。そうした世界観にもとづいています。星たちは絶えず動いていて、形やエネルギーも流動的なもの。人間関係も流動的で、絶対というものはないし、だからこそ植物を育てるように、人間関係にも光や栄養、風などを与えて、育てていかないと簡単に枯れてしまうものです。
運がよい=調和、
運が悪い=不調和の状態と覚えておく
一方、自分が生まれたときの地上から見た太陽系の状態は形状記憶のYシャツみたいにインプリントされたもの。自分の誕生の一瞬は自分にとって特別なもので、その形やエネルギーは、一生自分についてくる運命です。運命と、現在の星まわりが調和するときもあれば、不調和が起こるときもある。一般に占星術で言われる「運がよい」は調和の状態だし、「運が悪い」は不調和の状態なのです。
太陽系の惑星が調和の状態にあるときに生まれた人は、生まれつき「運がよい」とされるかもしれませんが、太陽系の状態が流動的であり、星たちの進み方が止まらないものである以上、ずっと「運がよい」人はいません。不調和になる=「運が悪い」ときも絶対来るのです。
そう考えていくと、「運のいい悪い」をいちいち気にするより、いつが調和で、いつが不調和なのか、そのバイオリズムを把握するほうが合理的だと思いませんか。調和の時期にはそれにふさわしい過ごし方、ゆっくり休んだり充電したり遊んだり。そんな時間をたくさん取れるかもしれません。逆に、不調和の時期は、地上の人間関係も混乱したり、ぶつかったりしやすいので、それをあらかじめ折り込み済みで動いてみると、慌てたり怒ったりする場面はだいぶ減ってくるでしょう。
星占いはどうしても、「運のいい悪い」に寄って行きがちですが、占星術は本来、そうしたバイオリズムを把握するための「暦」の性質も強いんですね。LEEwebの毎月の「星ごよみ」も、そんな「暦」を把握する性質が強めですが、LEE本誌で書かせていただいた「星と暮らしのカレンダー」も、占星術の難しいテクニックや仕組みを知らなくても、月や星のリズムを体感できるように書いたものです。
こちらは加筆して、今年のお正月からLEEwebの「星と暮らしの毎日占いカレンダー」で毎日配信もしていますので、まずは毎朝、見に来ていただけたらなあと思っています。「わからないけど、なんとなく心当たりがあるかも」くらいで最初はOK。自分の中に占星術の暦がしっかり根付くと、星まわりにも不思議と振りまわされなくなりますから、まずは毎朝のカレンダーチェックをルーティンにしていただければ嬉しいです。
星と暮らしの毎日占いカレンダーセルフネグレクト状態になると
「運の悪さ」を引き寄せる
運がよい=調和、運が悪い=不調和の状態と理解して、不調和の時期がいつなのかを把握するのが第一段階として、「運のいい悪い」より、不調和の状態をどう切り抜けていくかに頭をシフトする。それが第二段階です。つまり、不調和の惑星たちに巻き込まれ、自分も混乱して、些細なことに怒ったり、自分のコンプレックスを投影して、必要以上に罪悪感を覚えて相手を責めてみたり。地上に生きている以上、誰もがやりがちですが、そんな状態から抜けていくことが大切なのです。
自分の運命、生まれたときの星まわりを知らないとしても、現在の星まわりが不調和な状態にいつあるかは、「星ごよみ」や「星と暮らしのカレンダー」で把握できます。そんな不調和な状態ではカオスに巻き込まれないために自分の軸を普段以上にしっかり持つことが大切になります。これまでも書いているので、「耳タコ」状態の方もいると思いますけど、睡眠、食事、運動、自然との触れ合いをしっかりするのが大事だなと思っています。つまり、宇宙が嵐の状態にあるときほど、吹き飛ばされないように地に足を着ける。グラウンディングが必要なんですね。
LEE読者の方たちはむしろ私以上にライフスタイルを充実させていると思うので、あまり心配はしていないのですが、仕事や趣味に夢中になりすぎて、そうしたセルフケアが後まわしになる、つまり「セルフネグレクト」状態になると、不調和な星まわりに反応しすぎて、おかしくなるものです。つまり「運が悪い」状態にまっしぐらなんですね。すると、どんどん悪いことを引き寄せ、忘れ物や落とし物が多くなったり、体調もおかしくなったり、小さな怪我をしたりするかもしれません。ネガティヴな星まわりにも反応しやすくなります。
「風の時代」になったところで、人間が身体をもった生き物であり、地球に重力がある事実は変わりません。私たちの食べ物の多くが土から生まれること、それには水、風、太陽の光が必要なことも変わりません。自分の心や身体を大切にすることは忘れたくないですね。
バイオリズム手帳を作り、
自分の調子を把握する
ここで、天文暦やソフトがなくて、生まれたときの詳しいホロスコープを知らなくても、自分のバイオリズムを把握できる簡単なやり方をご紹介したいと思います。蘭のフラワーエッセンスのプラクティショナーの資格を取り、オンラインセッションなどでも取り入れるようになって(フラワーエッセンスのカードがあるので、オンラインでも合うものを選べるのです)、顧客の方を見ていると、やはり、春分、夏至、秋分、冬至のタイミングでエネルギーダウンする方がとても多いんです。
季節の移ろいとともに、自分の心や身体もスイッチしていかないと、私たちはエネルギー的にも簡単に調子を崩すものなのだということがよくわかってきました。昨今のライフスタイル雑誌で、「自分を整える」特集が大流行りなのも、それらをみんな本能で把握しているからですよね。
まずは、余白のある手帳を用意してください。それに、自分のメンタルの状態を記していきましょう。数字でもいいし、マークでも、シールでもいい。自分が毎年2月には調子を崩しているけれど、5月には元気である。そんなバイオリズムを把握することが目的です。3年日記、5年日記でもいいかもしれません。
これを2、3年続けると、自分のバイオリズムにパターンがあることが分かってくるはずです。私なら、夏至から冬至くらいは割といつも調子がいいのですが、秋分から立春くらいまでは星占いの執筆のかきいれ時で、2月、3月は疲れからダウンしていることが多いのです。でも、それを把握すると、「疲れて不機嫌になる前」「不満が多くなる前」に自分で自分を癒すことができます。もし自分ではできないなと思ったら、専門家にお願いしてもいいですね。
この冬は、京都でゴッドハンドのアロマセラピー・トリートメントを見つけて、月に1回は通うように。疲れが溜まる1月~2月は月に2回行くようにしたら、だいぶ調子がよくなっています。ケアする方法は何でもいいのですが、調子が悪くなる時期は自分にご褒美をたっぷりあげる。つまり畑で言えば、水や肥料をいっぱいあげるべき時期を把握するんですね。
私たちはみんな太陽や月からの、つまり宇宙のエネルギーを受け取って、日々暮らしています。アンテナとしての自分がダウンする時期を知って、しっかりケアをしてこそ、いつも運のよい、心満たされた日々が送れるものです。
それ以外、簡単なところでは自分の太陽星座の満月の前も、見ているとみんな調子を崩しやすくなります。2022年2月17日はしし座の満月だったこともあり、1月18日のかに座の満月のあと、1月後半から2月前半はしし座に太陽星座のある人がメンタルの調子を崩しやすくなっていました(とくに、しし座さんは現在、対角に土星という現実化とルールの星があるので、なかなかご苦労が多いようです)。3月は、18日におとめ座の満月があるので、おとめ座に太陽星座がある私も春分までは気をつけなくてはと思いますね。自分の星座の満月は、「星ごよみ」でも「星と暮らしの毎日カレンダー」でも確認できますので、ほかの星座の方もぜひ参考にしてみてくださいね。
さて、2018年4月7日から4年間、毎月書かせていただいた「星がたり」も今回で終了することとなりました。素敵なクッキーを作ってくださったand Bakeさん、占星術業界の常識を打ち破るような、斬新な提案を毎月してくだった編集のHT子さん、本当にありがとうございました。引き続きLEEwebでは毎月の「星ごよみ」、毎日の「星と暮らしの毎日占いカレンダー」を更新していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
「星ごよみ」は、今月の春分の更新からは二十四節気についても触れ、パワーアップ。より暮らしに密着し、LEEwebの読者のみなさんが喜んでくださり、生活に取り入れられるようなものを書いていきたいと思っています。
cookies/and Bake text/Saya
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。
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