イラストレーター・作家のしまおまほさんに聞く、母との「ちょうどいい距離感」の保ち方
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LEE編集部
2021.12.31
LEE世代のイラストレーター・作家のしまおまほさんに、これまでの母親との距離感の変遷、現在行き着いた“ほどよい距離感”の保ち方について伺いました。自分と母との関係のヒントに!
この記事は2021年6月7日発売LEE7月号の再掲載です。
お話を伺ったのは
イラストレーター・作家 しまおまほさん
雑誌や文芸誌でのエッセイ、小説執筆のほか、ラジオのパーソナリティの顔も。著書に父母についても書いたエッセイ『家族って』(河出書房新社)などが。
Instagram:mahomahowar
Twitter:mahomahowar
公式サイト:http://mahomahowar.com/
親から教えられるのではなく自分で答えを知りたかった
ひとりっ子なこともあり、「父母とは三位一体のチーム感があります」と語るしまおまほさん。ところが、現在5歳になる息子さんの妊娠・出産を機に、母親との距離感が変わりました。
「母は昭和15年生まれということもあって、産後ケアや子育てについての考え方にズレがありました。産後のメンタルが不安定なことも理解がなく、産後うつも都市伝説くらいに思っていたようで(笑)。息子が大泣きしているのに対して“あなたはこんなんじゃなかった”と言われるとイラッとしますよね」(しまおまほさん)
当時は幼い頃に母親に言われてイヤだったことまでよみがえり「私がこうなったのは、お母さんに押さえつけられてきたから」とまで考えてしまうように。
「子どもの頃からずっとショートカットにされてたんですけど、あれってハラスメントじゃ?と考えたり(笑)。ただ、今もロングヘアに憧れはあるけど、髪を伸ばしてみるとやっぱりショートカットがしっくりくる。それも悔しいんです。その答えに自分でたどり着きたかったなって」(しまおまほさん)
ずっと実家で生活していたしまおさんですが、出産後に実家を離れたことで、いい距離感ができたといいます。今も週に1、2回は実家を訪問。
「今思うと、子育てについてのあれこれも親は自分基準で言ってるだけなんだから受け流せばよかったんですよね。ただ、うちの場合、ほぼ同業者だから、仕事に対して的を射た意見やアドバイスが飛んでくる。そうなると親には抗えない。今も“この仕事はお母さん、どう思うかな”と気にしているところが。
ラジオやイベントの仕事も、母は“いつまでも文化祭みたいなことして”と苦笑いなようですが、そこは自分が楽しんでいるから気にならない。つまりは、母に言われて受け流せないのって、自信が持てないことだったりして、最終的には自分の問題なのかなと」(しまおまほさん)
母親と娘の関係以上に、母親と父親の夫婦関係が強固なこともしまおさんの家族の特徴。
「母の相談や悩み事は、父に話して解消しているようです。それはいいことですよね。以前二人のケンカを止めたら、“うちはこれでやってきたから口出しするな”と言われたことも(笑)」(しまおまほさん)
最後に、母親とのいい距離感を保つため、しまおさん流の心がけを聞いてみました。
「母に言いすぎてしまいそうなときは、未来の自分ならどう思うかを想像します。親が生きているだけでありがたいと考えると、スルーできることも多いので」(しまおまほさん)
しまおさんが幼い頃。
距離感のとり方MYルール
- 物理的に離れてみる
- 母も自分基準なのだと受け止める
- 連絡はほどほどに。でも近況報告も大切に
- 親がいなくなった未来のことを想像して付き合う
撮影/名和真紀子 取材・原文/古川はる香
この記事は2021年6月7日発売LEE7月号『ありがたい! でも時々しんどい「母親との距離感」』の再掲載です。
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