壁は、どこよりも自分を表現できる場所。手軽に自由に12カ月を彩ります。今回は、いつもにも増して簡単。手持ちの紙類を素敵に飾るアイデアです。
石井佳苗さん Kanae Ishii
雑誌や書籍、広告など他分野にわたって活躍。初心者にもわかりやすいオンラインレッスンも好評。「紙は小さなアート。気軽に飾ってみて」 https://www.kanaeishii-stylist.com/
デザインに惹かれて手に入れたポストカード、飾ろうと思っていたのに、なんとなくタイミングを逃したポスター。誰の家にも、きっとお気に入りの紙類が、1枚や2枚は眠っているのでは?
「軽やかなアイテムだからこそ、飾り方のひと工夫で、受ける印象に大きく差がつきます。きっちり並べるか、ランダムに散らすか。ピンで留めるか、マスキングテープを使うか。"どう見せたいか"を少し考えるだけで、たとえ同じポストカードでも、印象をそれぞれ変えられます。手軽なうえに、幾通りもの表情を楽しめるのが紙類の魅力。壁を飾る気軽な第一歩として、最適だと思います」
文字を飾る
きっちり並んだ活字は、知的で静かな印象
アンティークショップで手に入れた海外の古本のページを整然と並べれば、花を引き立てる小さな壁紙のような背景に。
「隙間なくきっちり貼ればいいだけなので、余白を考えて飾るより初心者でも簡単。端がほどよくめくれた感じを出したいので、粘着剤は少し内側につけてください。古本ならではの紙のヤケも味わいに。ポストカードをこのように貼ってもおもしろいですよ」
マステ込みで世界を作る
色選び、貼り方ひとつで印象ががらりと変化
モノクロの街並みに合わせるように、シルバーのマスキングテープを。
「今回は作品になじませるカラーを選んだけれど、鮮やかなピンクなどを選ぶと作品の見え方がぐっとモダンに変わります。細いタイプのマステを長めに使うのもかっこいいですよね」。
ポスターはスウェーデンのブランド「ファイン・リトル・デイ」のもの。
額で、1枚をクローズアップ
額をラフに重ねるだけで意味ありげな表情に
ポストカードをランダムに貼る。ここまでは、よくあるワザ。
「その上に額をひとつ掛けるだけで、アート感が漂います。この場合は余白が大切。目立たせたい1枚が中心から少しずれた場所にくるバランスで、ほかのポストカードの端が入っても構いません。あくまで、"無造作にさらっと切り取った"くらいのラフさが心地いいのです」
傷つけたくないポスターには
クリップ+ピンの重ねワザ
ピンで穴を開けたくないポスターは、クリップを使って貼るのがおすすめ。まずポスターの四隅にクリップを留め、金具にうまくヘッドが引っ掛かる位置にピンを打てばOK。
「大きいポスターは下側が重みでめくり上がりがちですが、重し代わりにもなって一石二鳥」
合成ゴムでできた粘着剤は
紙を飾る際の必需品
壁にも紙にも穴を開けたくないときに活躍。
「貼るものに合わせてちぎって大きさを変えられ、きれいにはがせて繰り返し使えます。右ページのように、たくさんの紙を貼りたい場合に便利。今回はあえてやや内側につけましたが、端につければピシッとくっつきます」
●スタイリスト石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る
撮影/宮濱祐美子 取材・文/福山雅美
LEE2021年7月号『スタイリスト 石井佳苗さんのインテリアレッスン 12カ月の「壁」を飾る』より
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