そもそも「Clubhouse」って何?
招待制&音声でコミュニケーションするSNS
この数日で大ブームとなっているアメリカ発の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」、皆さんはもう試されましたか?
「音声版Twitter」とも呼ばれているように音声でコミュニケーションする新たな形のプラットフォームで、1人あたり2人までの招待制であることなどから話題を集めており、この記事を書いている2月3日現在も日本のApp Storeでは「無料App」の1位と一気に関心が高まっています。
私自身は1月29日に招待いただきスタート。登録方法や、実際に数日間使ってみて感じたことなどリアルな感想を通して、話題の「Clubhouse」の魅力を探ってみたいと思います!
参加者が音声で話す「room」
まずはどんな場所なのかを簡単に説明していきます。
Clubhouseにはたくさんの「room」という場所があります。roomとは参加者が音声で話しているチャットルームみたいなもので、アプリを開くと今開かれているroomが表示され、タップすると入ることができます。
「moderator(モデレーター)」と呼ばれるroomを主催する司会者のような立場の人を中心に会話が展開し、挙手ボタンを押して承認されたり指名されたりすると、その場で発言できる権利のある「speaker(スピーカー)」になることができます。
もちろんその場で話を聴くだけでもOK、音声のみのアプリなので画面をじっと見つめる必要もスクロールする必要もなく”ながら聴き”でき、好きなタイミングで自由に出入りできる気軽さも人気を集めている理由だと言われています。
登録自体はカンタン、電話番号&本名の入力が必要
招待してもらうためにはスマホの電話番号が必要で、現在はiOSアプリのみに対応。
アプリをダウンロードすると電話番号入力が求められ、送られてきた4桁コードを入力すると、プロフィールを設定するように指示があります。Twitterのプロフィールを使うことが可能で、Clubhouseのアカウントへのアクセスを許可するとインポートされました。
”繋がり”を大切にしているSNSだからこそプロフィールは実名、顔写真もきちんと自分の写真を登録することが推奨されているそうで、TwitterとInstagramのアカウントへのリンクも設定できます。
アプリを通した「雑談」、何が面白いの?
まずは、ラジオの様に聴くだけでも充分楽しめる
テーマは本当に幅広く、仕事・趣味・子育てなどはもちろん「英語の練習のために英語だけでしゃべってみよう!」など様々なroomがあります。
著名人や芸能人の方がいるroomも多く、私は最初のうちはそういった場所を回って楽しんでいました。
例えば初日から、長年のファンだった音楽プロデューサーの方が創作で大切にされている考えについてた語っているところに遭遇、思いがけず聴くことのできた素晴らしい話に感動したことをTwitterでつぶやいたところ、ご本人が「いいね」をしてくれてびっくり!なんてこともありました。
その他、タレントさんがご自身の運営しているブランドの経営についてベンチャー企業の若手社長と話していたり、キャスターの方がこれから始まる報道番組の控室から話をしていたりと、思わず耳が話せなくなってしまうことがたくさんありました。
また、「フットワークの軽い有名ベンチャーが試しにさっそく採用に活用していた」「海外では若手政治家の方が学生と国策について語っていた」といった話や、市の職員の方による「孤独になりがちな産後のママ向けに、いつでも訪れることができ、子育ての悩みなどを気軽に話せる場を作りたい」という意見などを聞くと、様々な方向に発展していきそうな予感があります。
気軽に情報交換や繋がりを作ることができる
例えば「キャンプ」など具体的な趣味について語りあうほか、「朝、散歩しながら話して1日のモチベーションを上げましょう!」といった現場感が強いroomもありました。
また「ママ限定」「ママ同士繋がろう」といったものも多く、「夜泣き」「イヤイヤ期」「仕事との両立について」など具体的なトピックスについて語り合おうというroomを覗いた時は、そのリアルだからこそ白熱したトークについ聞き入ってしまい、子どものお迎えに遅刻しそうになってしまったことも…。
仕事ならば、同業者の方々や、「フリーランス」など近しい働き方の人同士で気軽に情報交換しつつ繋がり作ることもできます。
私の場合は、接点だけ持っていた仕事の大先輩と繋がり直接お話する機会に恵まれました。また新たなサービスだからこそみんな手探りなため、「お互い慣れるためにやってみよう!」と、ちょっと目上の方と共にroomを開き、仕事への姿勢や人脈の作り方などを垣間見ることができ非常に勉強になりました。
私が面白いと感じている「Clubhouse」の魅力
最先端の話や”ぶっちゃけ話”を聴ける
Clubhouseでの会話はオフレコで、録音などは一切禁止。だからこそ本音が出やすく、興味ある分野の最先端の話やリアルな意見を聴きやすいところが面白いなと感じています。
気になる業界の裏話的な話を聴けたり、インフルエンサーの日常を垣間見ることができたりといっワクワクに加え、例えば私ならば「同じフリーランスで働くママがどうやって日々を回しているか」といったテーマについての意見やアイディア交換はとても興味深かったです。
リアルでは持てない接点を作ることができる
現時点ではほぼみんなが「初心者」で、Clubhouseの使い方についてレクチャーしあいながら、お互いフォローして盛り上げていこう!といったroomを多く見かけ、交流に対して前向きな方が多いと感じます。
普通ならば気軽に会えないような方から直接生の声を聴けたり、他のSNSで数万人のフォロワーがいるようなインフルエンサーと呼ばれる方や、有名なブランドの立ち上げに携わった方など、いわゆる”すごい人”と思いがけず繋がることができたり…といった点は、やはり大きな魅力だと思います。
自分なりの距離感を保ちつつ楽しむことがポイントかも?
翌日も仕事があるのに夜通し色々なroomを回ってしまったなんて話をよく耳にするほど、ハマっている人も多いClubhouse。
新型コロナの影響でみんな「雑談」に飢えていたからこそ、緩やかに繋がり会話を楽しめる新サービスが人気を集めているという意見には納得感があります。
この数日でもどんどん利用者増えているので、自分と近い属性の人や興味のある分野は見つかるはずで、まずはそれを「ながら聴き」するだけでも楽しめるのではないしょうか。
この1年ほど世の中的に閉塞感があっただけに、このワーッと盛り上がっている感じを見ているのは楽しくもある一方で、まだ実態がつかめないところもあると感じます。
ついつい時間を取られてしまうことからも、適度な距離感を持ちつつ新たな世界につなげて行く意識が大切かなというのが、今の私の一番正直な感想かもしれません。
佐々木はる菜 Halna Sasaki
ライター
1983年東京都生まれ。小学生兄妹の母。夫の海外転勤に伴い、ブラジル生活8か月を経て現在は家族でアルゼンチン在住。暮らし・子育てや通信社での海外ルポなど幅広く執筆中。出産離職や海外転勤など自身の経験から「女性の生き方」にまつわる発信がライフワークで著書にKindle『今こそ!フリーランスママ入門』。