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【映画『花束みたいな恋をした』】純粋に“好き”だけで突っ走れた時代から責任を負う社会人へ。青春“あるある”に落涙必至!

2021.01.13

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『花束みたいな恋をした』

花束みたいな恋をした

©2021『花束みたいな恋をした』製作委員会

ただひたすら一緒にいたかったあの頃の日々、そんな恋の行方

ドラマ『カルテット』の脚本・坂元裕二×監督・土井裕泰が再タッグを組んだ、幸福感と痛いほどの切なさが押し寄せるラブストーリー。

『東京ラブストーリー』(’91年)に始まり、『Mother』(’10年)、『最高の離婚』(’13年)など連続ドラマの金字塔を次々打ち立ててきた坂元と、現在大ヒット中の『罪の声』でますます評価を高めた土井、まさに最強タッグ。さらに菅田将暉×有村架純が、胸をグイグイ締めつけにくる!

東京・明大前駅で、終電を逃したことで出会った大学生の麦(菅田)と絹(有村)は、好きな本や作家、映画、音楽etc.……話すほど趣味が一致していることに驚く。またたく間に恋に落ちた2人は、大学卒業後、同棲を始める。麦はイラストでプロを目指し、絹はフリーターをしながら就活を続行。

川が一望できるアパートは駅から徒歩30分だけど、その道のりを日々おしゃべりして歩き、おいしいパン屋を見つけ、拾った猫に名前をつけ……。“ずっと一緒にいる”現状維持を目標に、毎日が喜びにあふれていた。しかし、一緒に暮らしていくために麦も会社に就職したことから、少しずつ2人の時間と気持ちがすれ違っていく。

21歳で出会ってから5年、他愛のない、けれどかけがえのない瞬間の連続が映し出されていく。価値観が同じ人に出会えた運命に興奮し、楽しくてうれしくて幸せではちきれんばかりな2人の姿に、ドキドキ高揚して頬がゆるんでしまうハズ。でも同時に、少しずつ漂い始める生活の影――夢と現実との折り合いや経済的なことが、あぁやっぱり……と観る者の胸を圧迫する。ただ純粋に“好き”だけで突っ走れた時代から、自立して責任を負う社会人へ。全力で恋をしたことのある人は、すれ違っていく気まずさや焦燥も含めて、まさに“あるある”満載!

幸せの記憶に負けそうになりながら、新たなステージに踏み出そうとする2人の決断に、涙ながらに共感必至。寂しさと爽快感が入り混じったラスト、これからの人生に乾杯したくなりながら、忘れがたい一作になることと確信するだろう。(1月29日より全国ロードショー)
『花束みたいな恋をした』公式サイト

 

『パリの調香師 しあわせの香りを探して』

パリの調香師 しあわせの香りを探して

© LES FILMS VELVET – FRANCE 3 CINÉMA



好奇心を刺激する、臭覚を失った天才調香師の再起ドラマ

ディオールの“ジャドール”はじめ数々の香水を作ってきた調香師のアンヌは、多忙とプレッシャーから4年前に臭覚を失う。回復はしたが、今は地味な仕事だけを引き受けている。

ある日、親権も仕事も失いそうな男ギヨームが1日運転手に雇われ、ひょんなことからアンヌは、彼に匂いを嗅ぎ分ける才能を感じとる。凸凹コンビが珍相棒として、香りを作っていく過程が刺激的かつ感動的。(1月15日よりBunkamuraル・シネマほか全国順次公開)
『パリの調香師 しあわせの香りを探して』公式サイト

※公開につきましては、各作品の公式サイトをご参照ください。


取材・原文/折田千鶴子


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