LEE特別編集の著書が発売になりました
10月になりましたね。今年も残すところ、3ヶ月足らずとなりましたが、みなさまにはいかがお過ごしですか。10月5日に、LEE特別編集の『星を味方につける生き方、暮らし方〜不安な時代に翻弄されずに私を生きる〜』が発売になりました。この本のテーマが「太陽という私を生きる」ことだとは、8月や9月の「星がたり」でもお話ししましたが、今回は、さらに掘り下げてみたいと思います。
私自身は、昔から太陽という私を生きることを模索してきたのですが、私の若い頃は、月や金星として、愛される生き方を目指す人がほとんど。早稲田の同級生たちの多くは、20代半ばで家庭に入る選択をしていました。そんな中で雑誌の仕事を続ける私はかなり変わり種だったし、仕事を続けることが太陽なのかも、そもそも太陽を生きるのが正解かどうかもわからない中、一人でジタバタしていました。
当時の自分を振り返ると、美意識は強いのですが、いろいろ中途半端というか、地方出身で国立大卒の才媛たちや頭の回転の速い、根っからマルチに優秀なタイプにはとても敵わなかった。時代的にも、「仕事をがんばる普通の女の子」という立ち位置にいる女性が今ほど多くなく、自分の居場所が社会の中になかなか見つけられなかったんだと思います。それでも、私は、人生に自己決定権のないことがどうしても嫌だったので、ロールモデルどおりに生きることなく、ハートが喜ぶ太陽を生きる道を選んできたのですが、それが万人にとってベストなのかどうかは長い間、自信がなかったのです(「太陽を生きましょう」とこれまでも言ってはきたけれど、それは、相手が私のコアな読者の方たちだったから言えたという感じでした)。
LEEスターのみなさんとの出会いで、「太陽という私を生きること」はすべての人にとってのテーマだと再確認
それが「太陽という私を生きることは、これからの風の時代、きっと大多数にもテーマなんだ」と確信できたのは、本の中でセッションさせていただいたLEEスターのみなさんとの出会いがきっかけでした。浜島直子さん、理衣さん、後藤由紀子さんという読者の憧れの方たちと星を通じて語り合うことになったのですが、彼女たちのホロスコープを見ると、自分自身を表す場所に目立つ星があったり、キャリアで輝く星があったり。「こういう星をもつ、キャリアと家庭を両立している人たちに憧れるということは、みんな、いい奥さん、いいお母さんをしているけど、やっぱり、私を生きたいんだなあ」とわかったのでした。
LEEスターのみなさんにはもうひとつの共通点もあり、時に厳しく、大事に育てられた子ども時代を過ごしていたこと。また、それが星にも現れていました。その中で、自分なりの冒険を重ねて、都度、殻を破りながら、自分らしさを育ててきたことがホロスコープを見てよくわかりました。誌面の向こうの憧れの人たちも、初めから、すべてが用意されていたわけではない。人生のどこかで、親は反対していても、やりたい道に進むとか、親とは真逆の選択をするとか、そういった自分らしい選択をしていました。
私自身、親は自動車メーカーに勤める会社員で、母は専業主婦。東京郊外の典型的な昭和の家庭の出身です。「女の子はお嫁さんになるように」という父の望みと、「女の子も自活できる手段をもって」という母の望みの間で、いつも揺れていた気がします。戦中生まれの父は特に過保護で、子ども時代は、ガスも、ナイフも、マッチも使ってはダメ。門限は、中学生でも午後5時というくらい厳しかったので、成人するまでは相当な怖がりでもありました。でも、自分らしく生きたい思いが強いから、冒険することになるのですが、毎回、とても怖くもありました。それでも、ものすごくがんばらないといけないタイミングが人生にはあるので、その度に「エイッ」と飛び込んできたのでした。
こんな風に過保護に育てられたのに、「自立すること」「自分自身を生きること」「個人で仕事をすること」を模索してきた私の本なので、どこか似た背景のある方が著名人でも引き寄せられてきたのかもしれません。でも、きっと私も、そして、LEEスターの方たちも、『LEE』という雑誌の読者像と近い位置にいるのだと思いますし、『LEE』が日本を代表する女性のライフスタイル誌であるのは間違いない点ですから、これは日本女性の今の気持ち、そして置かれている状態もきっと近いものがあるはず(少々、強引ですけど)。
慣例に流されず「自分がどうしたいか」をしっかり見つめて生きる
私は、こんな男性優位の日本社会の中でも、できるだけ競争のない、マウントされそうもない、自分が生きやすい場所を見つけて泳いできたので、別段フェミニストではないはずなのですが、それでも、2020年のジェンダーギャップ指数が参加153カ国中、日本は121位と聞くと、暗澹たる気持ちになります。
ある程度、お金と自由を得ている30代、40代の独身女性たちの個人セッションをすると、「結婚はいいけど、パートナーは欲しい」とみなさん口にされます。でも、肝心な日本男子のほうは、女性に精神的なコミットメントを求める段階に行っていない。「結婚するなら、子どもを産んでくれて、自分と親の面倒を見てくれるような女性がいい」が本音という人がまだまだ大多数だと思います。恋愛時代は、自立したおしゃれな女の子たちと付き合って、でも、いざ結婚となると、古風なタイプを選ぶ人も東京には多い。
つまり、古い形の結婚のイメージしかない日本男性と、心の交わりを求める日本女性の間に深い、深い溝があるんですね。一方、20代から30代で結婚した女性たちも、自由で楽しい独身時代を経て、いざ結婚してみると、不自由なことがたくさん。パートナーと、義理の家族と、自分の家族と、仕事での人間関係と。さまざまな人の中で揉まれ、悩みながら、なんとか自分を維持しようとしている方がすごく多いはず。
そんな様子を見るにつけ、結局、結婚している人もしていない人も、子どもがいる人もいない人も、太陽を生きる。自分で、自分のことを決める。私だけでなく、すべての人にとって、それが大事だという思いも強くなっています。男性にとってもそう。「男は社会的な生き物だから」「男はプライドが高いから」とか変わらないことを選択するのではなく、会社や地域社会と関係なく、自分がどうしたいかをしっかり見つめないと、これからの時代のサバイバルは難しいでしょう。
正しい女性像から離れて、自分にフィットする人生を作ればいい
また、男女ともに、周囲からどう思われるかを気にする人もとても多いのですが、自分の価値を決めるのは自分。社会的に高いポジションにないとしても、世界中から嫌われたとしても、自分で自分を肯定できれば、それで幸せなはずなのですが、そうなるためには自分の太陽を生きていないといけないのですね。
もちろん、「私を生きる」ことが女性たちの新たな呪いになってはいけないなとも思っています。仕事も、家事も、奥さん役も、子育ても、人間関係もぜんぶやらなきゃいけないのに、このうえ、「私を生きる」って何? となったら本末転倒ですから。以前、「星がたりスペシャル」にも書きましたが、時にはちゃぶ台をひっくり返して、自分の心を守ってくださいね。正しい女性像から離れて、自分にフィットする人生を作ればいい。それが私の一番伝えたいことです。
こんな風に書くと、すごくシリアスな本のようですね。でも、「季節感で知る12星座の性質」や「大人の人付き合いの秘訣」「2021年から2025年の星ごよみ(全体運と12星座別の運勢)」など、家族で読める星占いの本です。ただ、そのベースに流れているのが「太陽を生きる」価値観だということです。もはや私の哲学かもしれませんが、ぜひご夫婦で楽しく読んでいただき、結婚観や人生観にまで話が及んだらうれしいです。意見の違いを知るのも大事なことですから。
書籍の発売記念として、10月7日発売のLEE本誌でも、「星と暮らしのカレンダー」という綴じ込み付録を作らせていただいています。2020年10月から、2021年12月までの月や星のこよみを記し、新月と満月のレシピをワタナベマキさんが考えてくださったスペシャル版です。こんな付録をLEEで作らせていただけるなんて、と感慨深いですが、できるだけ見やすさに配慮したので、一年間、お役に立つこと間違いなし。ぜひLEE本誌もお買い上げくださいね。
(次回は、11月7日に更新)
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Saya Saya
アストロロジー・ライター
1971年生まれ。おとめ座。現在は、京都で夫とふたり暮らし。雑誌連載のほか、オンライン講座や、ホロスコープ・リーディングのセッションを行う。著書に「星を味方につける生き方、暮らし方」(集英社)など多数。
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