「宿題ルール」は、子どもの性格に合わせて決めましょう【薄井シンシアさんの「育児書を捨てよ、子どもを見よ!」第13回】

    

どうしたら、ちゃんと宿題やってくれるの!?

前回は、おもちゃを買うときのルールについて考えました。今回は、親にとって悩ましい「宿題」のときのルールづくりについてお話ししたいと思います。まずは、質問を見ていきましょう。

Q:息子は、小学3年生です。毎日、宿題をやらせるのに、苦労しています。いくら言っても、「後でやる」と言うばかり。時間があるとゲームに夢中で、宿題はそっちのけです。できるだけ、夕食後に私がついて一緒にやろうとしているのですが、集中力が切れたり、ケンカになることも。私も忙しいので、毎日見てあげることもできません。アドバイスをお願いします。(39歳 女性)

まず、無理のないスケジュールを決めましょう

A:宿題をやる、やらない。これは、親子間での定番の揉め事の一つですね。宿題は、やらなければいけない。本人もよく分かっています。翌日には提出もしなくちゃいけないし、だから後でやろうとは思っている。でも、できないんですね(笑)。この「分かっちゃいるけど、やらない」状態は、子ども自身にとって大きなストレスです。親御さんにとっても、子どもが宿題をやらないことは、ストレスです。つまり、やればわずか30分でできる宿題を巡って攻防を繰り返し、親子ともに不要なストレスを生み出している。なんと、もったいない!ならば、親子でともに協力し、そのストレス、早く解消してしまいましょう。

と言っても、「分かっちゃいるけど、できないんです」という声も聞こえてきそう。親のほうが、子どもに任せたわよと割り切って、一切口出しをしない覚悟があればいいけれど、現実は、そううまくいきません。そこで、私がおススメする次善策が、「宿題ルール」。そして、このルールをルーティーン化(習慣化)してしまうことです。

子どもと一緒にスケジュールを決める

我が家では、娘と話し合い、このように「宿題ルール」を作っていました。まず、学年(学期でもいいですね)がスタートする時期に合わせて、学習内容やボリュームを確認します。一週間のスケジュールや毎日の時間割もチェックします。帰宅時間は何時なのか、宿題を含め、いったいどのくらいの自宅学習が必要なのかなどを確認するためですね。

その上で、学校から帰宅後のスケジュールを立てました。我が家の場合、学校から帰ってくると、学校での出来事を話しながらおやつを食べて、食べ終わったら、そこからが娘の自由時間です。お風呂に入るのは毎日6時と決まっているので、それまでの約2時間をどう使うかは、娘次第。ただし、宿題は最優先です。このように、宿題をやる時間帯を決めてその時間内に済ませることが、娘の「宿題ルール」でした。ですから、最初に宿題を早くやってしまえば、後は本を読んだり、ピアノを弾いたり、大好きなごっこ遊びもできるわけです。

もちろん、親子間のルールは、子どもの合意があってこそ有効です。一方的に親が決めたルールでは命令と変わらないので、反発を招くだけ。親子でよく話し合って、子どもの事情や思いもしっかり聞き取り、子どもが「これならできる」と同意できるラインを見つけ出すことが、決め手です。

そこまでやっておけば、もし、ぐずぐずと宿題をやり渋っていたら、ルールを盾に「あなたが決めたことでしょう」と言えます(笑)。「宿題をまずやって、そこで時間が余ったら、好きなゲームもできるけど、余らなくてできなかったら、それは自業自得だよね」と、親はフェアな態度でジャッジできます。

「宿題ルール」をルーティーン化する

「ルールを守る」ということをルーティーン化(習慣化)させることも、大切です。なんとなくスケジュールを立てて、なんとなくやるという決め方では、実効性が上がらず習慣になりません。「ルール」という言葉を使って、それを「守る」という自覚を促すこと。ルール=何をすべきなのかを紙に書いて貼っておくといいでしょう。

そのくらい明確に言語化し、それを実行することが、ルールを守るということなのだと理解させ、繰り返し教え諭すことが大切です。そして、ルールが日常生活のなかに習慣として定着してくれば、子も親も余計なストレスをためずに済みます。娘も、小学生になる頃にはすでにルーティーン化(習慣化)していました。毎日、宿題のことで言い合うこともなかったし、また娘自身、時間を自分で調整し、有効に使う術を身につけていくこともできました。

Close up of mother helping her child with homework

放っておくとやらない子は、親がサポートを

もっとも、娘のこの宿題ルールは、誰にでも通用するわけではないでしょう。彼女は、スケジュールさえ決めてしまえば放っておいても自分でやる子どもでしたが、相談者の息子さんの場合は、どうやら、放っておいてやるタイプではなさそうですね。

となれば、そこは親が諦めて、30分は付きっきりで見てあげるというルールに切り替えたほうがいいのではないでしょうか。ただし、ルールという以上は、親の都合でそれを破るわけにはいきません。仕事が忙しかったからとか、疲れたからという理由で、今日は宿題を見ないというわけにはいかないのです。もし、子どもが宿題をやらなかったからといって、それを彼のせいにはできなくなります。

あるお母さんが、ご飯を作ったり仕事のメールチェックをしているうちに、どうしても子どもの宿題が後ろ倒しになると嘆いていました。でも、私から見ると、そもそもお母さんのスケジュールに無理がある。やることが多すぎるのです。家事でも仕事でもどこかで何かを諦めて、30分を削り出すしかないのではないでしょうか。

あるいは、こういう手もあります。親が自分で宿題を見てあげられないのであれば、誰か他の人にお願いするのです。私は、自分ができないことは、よく「アウトソーシング」をしていました。娘は、漢字を覚えるのが苦手だったので家庭教師に任せたし、ピアノは娘の友達のお母さんにお願いしました。

ここで大事なのは、親が勉強を見てあげられないからといって、単に塾に行かせればいいということではない、ということです。宿題をするのが目的ですから、すでにカリキュラムが決まっている塾に入れても意味がありません(今度は塾の宿題に追われることになるでしょう)。学校の宿題を見てくれる個別指導の先生や、あるいは、お友達のお母さんにお願いするとか、宿題を見てもらうという目的に合わせて、自分なりに工夫することが大切です。

親は先生にはなれないと割り切る

そもそも、親が子どもに勉強を教えるのは、難しいんです。親だから、自分が教えなくちゃと思うと苦しくなります。子どもがわからないと、親ってすぐにイライラしてしまうから。「なんで、できないの!?」って。またここで、喧嘩です(苦笑)。

ニューヨークでお世話になった娘の先生が、よくおっしゃっていました。「あなたは、あなたの子どもの先生ではなくて、親なんです。一生懸命、親をやればいいんです」と。親と子はぶつかりやすい。自分で抱え込まずに、人にお願いするという発想も、場合によっては必要でしょう。その分、確かにお金はかかります。でも、私は子育て期間は節約に節約を重ねて、子どもに必要な教育費を捻出しました。それこそ、自分の洋服を一枚も買わない時期もあったんです。

もちろん、これは人それぞれの価値観ですから、これが絶対というわけではありません。無理をするのが一番よくない。でも、誰しも、妥協できるところってあると思うんです。私の場合は、洋服でしたが、みなさんも、節約できるところがいくつかあるのではないでしょうか。

このようにして私は親に徹することができ、苦労の多い「先生仕事」から解放されました。何が何でも自分で解決しなくちゃと思うとつらくなります。大変なときは、「助けて!」と言えばいいんです。周囲の人に協力してもらうことで、私自身、ストレスを抱えずに済みましたし、娘ともケンカにならず、良好な関係を築くことができたと思っています。

構成/鵜養葉子

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Writer Profile

Cynthia Usui

17年間の専業主婦生活の後、「給食のおばちゃん」からラグジュアリーホテル勤務を経て、現在は大手外資系企業で働きながら、講演活動や出版活動も行う。著書に『ハーバード、イエール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたかママ・シンシアの自力のつく子育て術33』(KADOKAWA)、『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』(KADOKAWA)がある。

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