読書習慣をつけるには?【薄井シンシアさんの「育児書を捨てよ、子どもを見よ!」第9回】

「本好きの子になってほしい!」

「テレビやスマホばかりで、全く本を読んでくれない」と悩む親御さんの声をよく聞きます。本を読むことは、自らの世界を広げてくれます。確かに、自ら進んで本を読んでくれたらいいですよね。今回は、そうしたお便りにお答えしたいと思います。

Q:息子は現在小学4年生で、放課後は学童に行っています。週に2回は、お絵描きやダンスなどオプションのプログラムもあるのですが、興味がないみたいで、ゲームなどをして遊んでいるようです。私としては、ゲームより本を読んでほしいと思うのですが、せいぜい読むのはマンガくらいで、私が読んでほしいと思う本には関心を示しません。たっぷりある学童の時間に、読書習慣をつけさせたいのですが、どうすればいいでしょう?(38歳・女性)

A:娘が通ったニューヨークの学校の経験豊かな先生に、こんなことを教えてもらいました。「小さいうちに、いかに読書好きにさせるかが大切ですよ」と。なるほど、と思いました。しかし、そうは言っても、何の働きかけもなく、子どもは自然と本好きになるものでしょうか? この疑問にも、先生は明快に回答してくださいました。「読書は習慣です。毎日決まった時間に本を読む習慣づけを、親御さんが指導してください」と。先生のこのアドバイスからみても、「学童の時間に、読書習慣をつけさせたい」というのは、とてもよい考えだと思います。

ただ問題は、質問にもあるように、どうやって「習慣付け」をしていくかということですね。特に学童の時間は、親が側について見てあげられるわけではありません。学童に行けば、子ども自身が自発的に本を読むのが当たり前になるように、ある意味では遠隔操作で(笑)、導いていく工夫をするといいと思います。

私が、娘が本好きになるために意識的に実践したことは、2つあります。1つは、日常的な読書の環境づくり、もう1つは、動機付けとご褒美です。

1 日常的な読書の環境作り

活字であれば、何を読んでもよい。これが、私が娘に示した基本的な読書の考え方でした。もちろん、漫画もOKです。極端なことを言えば、折り込みチラシでもOK(笑)。子どもが読みたいと思うなら、それを否定しませんでした。せっかく芽生えた「読みたい」と思う子どもの好奇心を挫けさせてしまうだけですから。

同時に、私は「これを読みなさい」と一方的に押し付けることもしませんでした。実は、私も娘が9歳の頃、読ませたい本があったので、「読んでみたら?」と強く勧めたことがあったのです。それは、私が少女時代に読んで感動し、本好きになるきっかけにもなった少女向けのシリーズ本でした。ところが、娘は1冊読んだだけ。反応もほとんどなく、私は心底がっかり(笑)。でも、それが当たり前なのですね。親子といえど、好みは違います。

実際、当時、娘は違う少女探偵もののシリーズ本にハマっていましたが、私にはその面白さがさっぱり理解できませんでした。それでも、積極的に娘と一緒に学校主催の古本市へ出かけ、そのシリーズ本を両手に持ちきれないほど買い込んでいるのだから、親って不思議なものですね。娘は、その大量に積み上げられたシリーズ本を熱に浮かされたように片っ端から読みふけっていましたが、数カ月経ったある日のこと、こう呟いたのです。「ママ、これって、どの話も結局同じなんだよね〜」。その日を境に、娘がこのシリーズ本を話題にすることはなくなりました。飽きるまで読んで、娘はしっかり満足できたのでしょう。読みたい本を読みたいだけとことん読み尽くす。これは、成長期の内面を育む上で、とても大切なことではないかと思います。

また、心がけたのは「いつもそばに本がある」という環境を作ること。我が家には、トイレにも本が置いてあったし、外出時には必ず本を持参していました。私が、お母さん仲間とおしゃべりに興じている間、時間つぶしに読んでもらえるように(笑)。

同じように、お子さんにも好きな本を1冊、カバンに入れておいてはどうでしょう? くれぐれも本のジャンルに口出しはしないこと。どんな本でもいいので、その興味が持続するように後押ししてあげてください。夢中になって読むというその習慣が大事だと思います。

2 動機付けとご褒美

娘が日本で通ったアメリカン・スクールでは、読書履歴をページ数で記録する取り組みがありました。絵本も漫画も文庫本もみな、ページ数でカウント。漫画なら、ページ数が稼げますね(笑)。もちろん、ページ数が多ければいいというわけではありませんが、友達とページ数を競い合うのはゲームのようなものですし、本人自身の励み(ご褒美)にもなります。今日も10ページ読めば、それだけカウント数が増える。ポイントを溜めるようなもので、これは、意外に読書の動機付けになりました。この時期、娘が読んでいたのはシリーズの物語でしたが、シリーズ物というのは、一度ハマると次から次へと読んでしまうのですね。夢中になっているうちにページ数はどんどん伸びて、気づくと、クラスで1番になっていました。

一方で、娘の読書には、気がかりもありました。好きなジャンルに偏ってしまうのです。できれば幅広いジャンルの本を読んで欲しいと思い、取り入れたのが、これもニューヨーク時代の先生から教わったリーディングウィルという本の星取表でした(写真参照)。これは、大きな紙に円を描いて8等分し、それにフィクション、サイエンス、ヒストリーなどのジャンルを割り振り、本を読んだら該当するジャンルに★印を書き入れて行くのです。これなら、★の数で、ひと目で読書傾向が分かります。私は、この表を見ながら、娘によくこんな交渉を持ちかけました。
「好きなフィクションはもちろんいつでも買ってあげる。でも、そのときには、代わりにノンフィクションも必ず1冊読んでね」と。

早くから一人で読ませようとしなくていい

そうそう、もう一つ。これは、習慣付けの基本だと思いますが、「読み聞かせ」です。寝る前の10分でも構いません。これ、と思った本をあなたの声で読んであげてください。目で読む本と、耳で聞く本と、子どもの頭の中で巡らす物語の世界は少し違うようです。娘は存分に「読み聞かせ」を堪能し、自分で読むようになったのは、7歳の時でした。

早くから絵本を自分で読ませようとしている親御さんもいると聞きますが、それぞれの子どもによって適切な時期があると思います。親の導きも必要ですが、決して焦らないで。強制するとかえって逆効果だと思います。本は心の栄養です。苦痛になってはいけません。あくまで、子どもとあなた自身が楽しめるように工夫してみてくださいね!

構成/鵜養葉子

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Writer Profile

Cynthia Usui

17年間の専業主婦生活の後、「給食のおばちゃん」からラグジュアリーホテル勤務を経て、現在は大手外資系企業で働きながら、講演活動や出版活動も行う。著書に『ハーバード、イエール、プリンストン大学に合格した娘は、どう育てられたかママ・シンシアの自力のつく子育て術33』(KADOKAWA)、『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』(KADOKAWA)がある。

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